上司必見!パワハラにならない怒り方研修:正しい怒り方3選

怒りの感情をコントロールすることは重要です。まして、部下や社員を動かす、経営者、上司には必須のスキルです。正しい怒り方には3つの基本姿勢があります。それは、①理由の説明②目的の共有③リスペクト。この3つです。解説は、叱りの達人協会(有限会社ハートプロ)叱りの達人河村晴美によるものです。河村晴美氏は、NHKクローズアップ現代や読売テレビ、日本経済新聞などのメディアにも多数出演されています。叱り方の講演研修を23年間行っている実績多数の講師です。正しい怒り方、正しい叱り方については、叱りの達人協会公式サイトに解説があります。https://shikarinotatsujin.com/をご覧ください。
目次

部下から逆にパワハラされる上司のための研修

「それってパワハラじゃないですか?」

こう部下から言われたことはありませんか?

経営者向けの講演が終わり、名刺交換をさせていただいた時に伺ったお話です。その男性は、40歳代の社長ととに起業した創業メンバーで、ご自身も40歳代。今は、経営幹部として社長を支え、社員50名をまとめていらっしゃる立場とのことでした。

■幹部の悩み相談

「実際に問題になったとか、社員が辞めたとかではないんです。
深刻な問題に至ったわけではなくて、むしろそういった社員は笑いながらちょっとからかうようなニュアンスで言ったんです。

深刻な問題に至ったわけではないんですが…。社員は笑いながら、揶揄するニュアンスで言ったんです。
けれども、言われた側にしたら、やっぱり傷つきましたよ。

これって、部下からのハラスメント。いわゆる、ハラスメント・ハラスメント。ハラハラではないですか?」

怒りの感情を出すのが悪いわけではない

怒りの感情をコントロールすることは大事です。大事なことなので繰り返します。怒りの感情を「コントロールする」ことが大事であり、「出してはいけない」は言っていません。まして、「怒りの感情」を無くすことは不可能です。もし、怒り感情を無くすことができたならば、すべての執着から解放されたということ、それは悟りの境地に達したということです。凡人には未知なる境地です。

話を元に戻します。いついかなる場合においても、怒りの感情を出してはいけないことはありません。
怒りの感情を抑えるデメリットもあるのです。

怒り感情を抑えるデメリット3選
①注意喚起が弱くなる
②怒りの源を深掘りしなくなる
③喜怒哀楽のエネルギー自体が弱くなる

怒りとは感情です。喜怒哀楽の中でも、怒りは最もエネルギーが強いです。その怒りの感情を封印してしまうと、生きるエネルギー自体が弱くなってしまいます。

感情とは実存

感情とは、自分の存在を証明してくれるものです。
感情とは、人間を人間たらしめてくれる尊いものです。

とはいえ、怒りの感情をそのまま誰かにぶつけるのは、周囲に迷惑をかけて、人間関係が悪化していきます。挙げ句の果て、孤立無縁の状態になるのは容易に想像できます。

怒りエネルギーは生きる力そのもの

怒りの感情を相手にぶつけるのは、ハラスメントと言われる可能性が高いです。よって、自制心、忍耐力を鍛えて、自分の感情をコントロールできるように努めることが大事です。

怒りの感情に振り回されるのではなく、むしろ、良い方向に向かうために怒りを活用できるとしたら、やってみたいと思いませんか?

怒りの感情に振り回されないようにする
怒りのエネルギーをうまく活用する

自分がストレスを溜めるのではなく、もちろん相手を傷つけるような怒り方もしない。
やるべきことは、怒りのエネルギーを正しく活用することです。

怒りのエネルギーの正しい使い方とは、世の中の幸せ、課題解決に使うことです。
あなたが怒っていることは、不満や不便など何か問題意識があるからなのです。

■怒りの根源を深掘りするための問いかけ
「この状態って、なんかおかしくない?」
「これって、誰のため?誰かのエゴ?」
「困ってる人がいるならば、なんとかしなくっちゃ!」

このように使えば、怒りのエネルギーを封印するなんて、もったいないことだと思いませんか?

正しい怒りのエネルギーの活用方法3選

それでは、正しい怒りのエネルギーの活用方法について3つお伝えします。

正しい怒りのエネルギーの活用方法3選

■正しい怒りのエネルギー活用方法3選
①理由を説明
②目的の共有
③リスペクト

1つ1つ見ていきましょう。

①理由を説明

「何について怒っているのか?」言語化してみましょう。言語化するメリットは2つあります。

1つは、言語化するプロセスで、自分が何を欲しているのか?何を避けたいのか?に気づくことができます。
2つ目は、言語化できたことで、他者へ伝えることができます。つまり、説明できるのです。

②目的の共有

①に続くのですが、あなたの怒りの理由を説明して相手が「なるほど、そういうことか!」と納得してくれたら、相手が味方になってくれます。

あなたの問題意識に共感してくれて、課題解決に向けてサポートや援護射撃をしてくれる。そんな力強い味方になってくれるかもしれません。1人でも多くの人に味方になってもらえるように、以下の問いかけを言語化して伝えましょう。

自分自身への問いかけ
なぜ、あなたは怒っているのか?
何が、自分の怒りのエネルギーの原点になっているのか?
何を実現したいのか?

③リスペクト

3つ目に挙げていますが、実は一番の土台が「リスペクト」です。

相手へのリスペクトが無いと、相手は心を開いてくれません。

心を開いてくれないと、あなたがどんなに良い話をしても、相手への良いアドバイスをしても相手には響きません。どんなに価値がある情報も内容も言葉も、あなたの言葉のすべてを拒絶します。

まして、相手に動いてもらいたいと思っても、上からの命令や指示も、自ら進んで取り組んでくれることはありません。表向きには、取り組んでいるかもしれません。しかし、それはイヤイヤ、渋々、仕方なく…かもしれません。

このようなマインドで取り組むと、どこかでミスが起こります、注意散漫になっていると、場合によってはヒヤリハットの事故が起きてしまうかもそれません。

このような危機や阻害要因は、事前に排除しなければいけません。そのために、現場では行動基準やマニュアルが細かく決められていることでしょう。

しかし、どんなに細かくルール化されていても、守らないと意味がありません。

「規則でしょ!」

と力押ししても、何度も説明しても、本人が守ろうと意識しない限りは、ルールの厳格化に意味ないのです。

そこで、根本的なところにアプローチするのが、相手へのリスペクトなのです。人間は、敬意(リスペクト)を払われていないと反発したくなります。

一番困る人へ、一番困ることをやってやれ!

それが、命令指示を無視して勝手なことをやったり、せっかくの厳しいフィードバックなのに反発して「パワハラだ!」と言い返すことなのです。

リスペクトがない場合の5つのデメリット

(図解の挿入)

相手へのリスペクト(敬意・尊敬)がないと、相手からは反感、反発を招く危険があります。実は相手から「パワハラされた!」と言われる理由のほとんどが相手へリスペクトを払っていないからなのです。そこで、リスペクトが足りない場合のデメリットを5つ挙げて解説しています。叱りの達人協会(有限会社ハートプロ)河村晴美氏による解説です。詳しくは、叱りの達人協会公式サイトに掲載されています。https://shikarinotatsujin.com/
リスペクトがないデメリット厳選5つ

リスペクト(敬意・尊敬)が無いと相手から反発、反論、反抗心を煽ってしまいます。

無礼な態度がもたらす5つの悲劇
①人の健康を害する
②経済的損失をもたらす
③人の思考力、集中力が低下する
④認知能力が下がる
⑤人を攻撃的にさせる
(出典)Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である

つまり、礼儀正しさとは、人を動かすために、コスパ最強の必須戦略なのです。

礼儀正しさとは、コスパ最強戦略

上司のための正しい怒り方3選

「怒ってはダメ!」と頭ごなしに押さえつけられたら、反発したくなりませんか? それは部下も同じです。押さえつけたら、反動が出るのです。これは物理でも習いましたよね。『作用反作用の法則』です。

よって、抑えるのではなく、思いっきり使いましょう!良い方向へ、幸せになる結果のために。これが、今の時代に重んじられている、好循環のエネルギーの使い方です。

あなたの怒りのエネルギーの根源を掘り下げて、世の中の課題解決、幸せのために活用する。あなたの意識と行動の変化のきっかけになればうれしいです。

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