なぜ、銀行の女性課長が支店長に昇格したのか?
Aさん(女性)は、地方銀行に勤務し、結婚、出産、子育てしながら、ずっと仕事を続けてきました。
いつも朗らかで、先輩後輩そして性別も問わずに、誰からも慕われるAさん。
Aさんは、課長を経て、支店長へ昇格しました。
その銀行では、3人目の女性支店長昇格です。
Aさんが、組織から評価された理由は、部下メンバーの人材育成、マネジメント能力が高く評価されたのでした。
いつもニコニコ朗らかなAさんですが、単に運を引き寄せたラッキーだったのではありません。
むしろ、笑顔の下に人知れず努力を積み重ねていらっしゃったのです。
優しいだけでは部下メンバーをまとめることはできない
同じ銀行内には、頼りになる上司、お互いに相談できる同僚、頼もしい部下、大勢の良き仲間に恵まれているAさんです。
中でも、休日に一緒に映画に行くほど仲の良い女性の後輩がいました。
妹のような存在で、優秀なB子さんをとても可愛がっていたのです。
それまでは、別の支店の勤務していたのですが、ある時、同じ視点にB子さんが転属してやってきました。
厳しいフィードバックがなかなかできない
B子さんは、とても頭がキレて優秀ともっぱらの評判でした。
しかし、なぜか前の支店では、評価が高くなかったのです。
その理由が、新しく配属になった支店で、Aさんはなんとなくわかったのです。
どうやら、優秀ゆえに同僚や後輩に対して、ミスを手厳しく叱責するのでした。
次第に、B子さんと、同じ課のメンバー達との間で、コミュニケーションがうまくとれなくなってきたのです。
単に仲が良くないということであれば、勤務時間だけビジネスライクにすれば良いという意見もあることでしょう。
しかし、大事な連絡が行き届かないとか、連携して進めるべき仕事が滞ってしまうなど、効率も生産性も落ちてお客様へご迷惑をかけてしまう事態になると、組織としても放っておけない問題です。
親しい部下メンバーほど叱りにくい
「河村さん、職場で親しい人ほど、叱りにくいものですね」
ある時、相談されました。
聞くと、B子さんへ伝えたいことがあるとのこと。
お話をじっくり伺うことで、Aさんの考えが以下に纏まりました。
・B子さんが優秀であるからこそ、もっと周囲から評価されてほしい
・けれども、メンバーとうまくやっていないために、周囲からも協力されない
・このままでは、どんどん孤立して行くのではないか
・B子さんに、周囲とコミュニケーションをとり、実績をあげてもらいたい
・B子さんは、もっと評価される存在であるはず(今のままではもったいない)
そこで、河村晴美は、Aさんへアドバイスしました。
効果的なアドバイ3ステップ
ステップ1:許可をとる ステップ2:簡潔に伝える ステップ3:本人に語らせる
ステップ1:許可をとる
「ちょっと厳しいことを言ってもいいですか?」
相手のYESを引き出すことで、相手が決断したことで聞く責任者意識をもってもらう。
実は、このステップを取らないために、(説教が始まった・・・うんざり)と思われてしまうのです。
ステップ2:簡潔に伝える
改善してもらいたいことを、ファクト(事実)を伝える。
そして、改善提案をする。(◯◯してください など)
ステップ3:本人に語らせる
結びは、どう感じたのか?どう捉えたのか?そして、何をするのか? など、相手本人に語らせる。
当事者意識をもってもらうためです。
B子さんの行動が変わった
AさんはB子さんへ、【効果的なアドバイ3ステップ】を行いました。
すると、意外な反応が返ってきたそうです。
「A課長が仰ったことと、前の支店で言われたことがつながりました。」
聡明なB子さんは、自分の課題を速やかに客観視しました。
そのあとは、早かったそうです。どんどん、自分の改善点を克服する行動をとり、今では、支店内でも、テキパキ仕事をこなす頼もしい存在として、評価も高まっているとのことでした。
まとめ
親しい間柄であると、なかなか叱りにくいですよね。
しかし、叱ることは単なる手段です。
大事なことは、能力の高い部下メンバーをどうやって指導育成するのか?
成果を出させる上手な叱り方の1つのスキルをお伝えしました。
ぜひ、今回の【効果的なアドバイ3ステップ】を実践してみてくださいね。
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