本コラムは、結果を出させる上手な叱り方について、解説しています。
時々、抜群に、人を動かすのが上手な人がいますよね。
あなたの周囲にも、そんな人いませんか?
「なぜ、あの人は、部下メンバー、それだけじゃなく、経営層や上席をも巻き込んで動かすことができるのだろうか?」
その人がしていること、なんだかブラックボックスに包まれているように感じますよね?
実は、部下メンバーを動かすにはコツがあるのです。
結論を言いましょう。
それは、相手ファーストの視点に立つことです。
相手ファーストの視点に立つ
上司が部下メンバーを「叱る」ことよりも、優先するべきことがある。
これに気づくと、結果的に部下メンバーが自発的に動き始めます。
その方法について本コラムで解説しています。
「叱る効果」の勘違い
あなたは、「叱る」ことで得られる効果として、どんなことがあると思いますか?
多くの方は
・部下メンバーが自ら反省してくれる
・上司の考えが伝わる
・事の重要性、責任の重さに気づいてもらえる
・相手自らが行動を改善してくれる
・結果を出すことに真剣に取り組んでくれる
上記のように考えるのではないでしょうか。
ただし、これらは上司のメリットです。
しかし、残念なことに、相手つまり部下メンバーの立場で考えてみましょう。
部下メンバーは、上司から「叱られる」ことで得られるベネフィットがないと、心は開いてくれないのです。
メリットとベネフィットのちがい
「メリット」という言葉は知っているけれど、ベネフィットという言葉は聞いたことがない」
という方もいらっしゃると思います。
私も初めて聞いた時は、どう違うの? と思って、混乱しました。
ざっくり言うと、それぞれの言葉の意味は、こちらです。
■メリット
・特長、スペック、性能、強み など ・提供者側が考えて言葉にしたこと 例: ・この車には、最新の高度運転支援技術である「Toyota Teammate/Lexus Teammate」が搭載されています。
■ベネフィット(便益)
・受け取る側が得ることができる快適さ、便利さ、など ・一言で言うと、「ご利益」 例: ・この車は、シートが北欧製の高級家具のソファの座り心地なので、一緒に乗ってくれる人へVIPのおもてなしで喜んでもらえるんです。
いかがしょうか?
メリットとベネフィット、車の性能を説明するトークで表現すると、全くちがいますよね。
部下メンバーへ、ベネフィットを伝えていますか?
さて、本題に戻りましょう。
とかく私たちは、自分のメリットをそのまま相手へ伝えがちです。
しかし、そのまま伝えても、相手の心には届かないのです。
相手に 「そんなの関係ない!」 と心を閉ざされてしまうと、元も子もないのです。
では、どうしたら良いのか?
それが、メリットをベネフィットに変換させることです。
叱る効果をもたらす秘訣は「相手ファースト」
相手つまり部下メンバーにとってのベネフィットを考えてみましょう。
✅部下メンバーにとってのベネフィット(ご利益)
・成長できる ・結果が出る(成果が上がる) ・評価が上がる ・自信がつく
上記のように、部下メンバー本人が 「輝かしい未来の自分」 が描けるように、現状を改善して成長する行動を提案するのです。
叱る本質とは何か
叱る本質は、結果を出させることです。
結果が出れば、誰だってうれしくなるし、楽しくなるし、自信を持ちますよね。
そして、その行動を支援してくれた上司つまりあなたへ、感謝するはずです。
結果を出させる上手な叱り方
結果を出させるためには、指導法は、シンプルに言うと以下のやり方です。
✅結果を出させるためのアプローチ
ステップ1:うまくいっていない現状に気づかせる ステップ2:輝かしい未来を想像させる ステップ3:現状と未来のギャップを埋める行動を実践する ステップ4:未来を実現するまでやり続ける
いかがでしょうか?
多くの人は、「叱る」 だけに固執しています。
大事なことは、部下メンバーに「結果を出させる」 ことです。
本末転倒してはいけません。
上司がマウントをとることではないのです。
大事なことは、部下メンバーに、結果を出させることなのです。
そのために、優先するべきことは、上司が「叱りたい」ではなく、部下メンバーが 「成長したい・自信をもちたい」 が大事なのです。
相手ファーストで考えた時に、物事はうまくいきますね。
部下メンバーを動かす極意
上司が「叱りたい」、ではなく、部下メンバーが「成長する・自信がもてる」を優先させる
あなたも実行してみませんか?