本コラムは、パワハラと言われない、やる気を引き出す叱り方の極意をお伝えしています。

 

人事部女性マネージャーの苦悩

 

先日、とあるコミュニティで、たまたま人事部女性マネージャーHさんとお会いしました。

 

名刺交換し、河村晴美の名刺をしげしげと見ながら、質問してくださいました。

 

Hさん

「叱るとは、使命感の愛って、おもしろいフレーズですね。

 来月2022年4月から、中小企業もパワハラ防止対策に取り組まないんといけないから、河村さんのお仕事、お声がけされることが多いのではないですか?」

 

河村晴美
「そうなんです。

パワハラ対策は、禁止は言うけど、実際のところ、上司は成果を上げていくために、部下メンバーに動いてもらわなければいけませんものね。

なので、どうやってパワハラと受け取られずに厳しいフィードバックを受け入れて、自発的に動いてもらうのか?

これが叱り方の極意の真骨頂として、様々な企業様へお伝えしているのです」

 

すると、Hさんは、ちょっと間をおいてから、切り出してくださいました。

 

「実は…、来月、社内でパワハラ防止勉強会を開催するのですが、とても気が重いんです」

 

その勉強会では、Hさんが講師として、管理職へパワハラについてレクチャーする予定とのこと。

 

そろそろ段取りなど準備しないといけないのに、どうにもこうにも憂鬱だとおっしゃるのです。

 

そこで、質問してみました。

 

「何が、Hさんを憂鬱にさせているんですか?」

 

すると、Hさんはこうお話して下さったのです。

 

実は、パワハラ張本人は会社のトップだった問題

 

実は、パワハラ体質な人が1人いるとのこと。

 

その人は、なんと組織のトップ、会長なのだというのです。

 

この状況下でパワハラ防止勉強会をするということは、参加者は管理職40名なのですが、本当に狙いは、会長お一人に向けて伝えるようなものなのです。

 

創業120年の和菓子屋さんの会長へ

 

「それ、パワハラになってしまいますよ」を

 

転職2年目の女性マネージャーが伝える。

 

なかなかハードな場面だと思いませんか?

 

会社トップへ「あなたのやっていることがパワハラです!」と言えますか?

 

和菓子の世界は、職人の世界です。

 

背中を見て覚えろ!

 

師匠と弟子の世界。

 

それが、会長の仕事観なのです。

 

それを「会長、時代は変わりました。あなたのやり方は、無形文化遺産ではなく「無形の負の巻き込み事故多発です」とか、お給料をもらっている立場で、正面きって言える人はどれほどいるでしょうか?

 

社外のコンサルタントだったら言えるかもしれません。

契約が切れること覚悟で、それでも大事なことを伝えるのが、コンサルタントの矜持ですので。

 

しかし「啖呵きって言いなさい!」は、河村晴美はHさんへお伝えしませんでした。

 

それは妥協ではないのです。

 

もっと良い現実的なアプローチを思いついたからです。

 

アプローチを反転させよう

 

Hさんへお伝えしました。

 

これは、あくまでも私が思いついた案です。

 

正解ではないけど、私だったらこうするなあと思ったことをお伝えしていいですか?

 

Hさんは、瞳孔を開いて、目を輝かせながら「はい!」

 

そこで、お伝えしました。

 

トップの方へ改善を求めるよりも、トップ以外のメンバーへ、パワハラ被害防止方法を伝えて共有する方が現実的だと思います。

 

部下メンバーのストレス耐性を上げながら行動を変える方法

 

パワハラ被害防止方法とは、いわゆる「叱られる作法」です。

 

✅叱られる作法

流して、流さず

 

解説します。

 

(イヤだな、不愉快だな)というマイナス感情は、水に流しましょう。

 

そして、(つまり会長はどんな改善行動を求めているのかな?)改善のリクエスト、要望は、類推して仮説を立て、流さずに、思考でキャッチアップしましょう。

 

つまり

1:感情は流す
2:思考は流さず、エッセンスを抽出する

 

パワハラ会長の心理を読み解け!

 

会長の求める行動、心理を、従業員全員で解読し、みんなで翻訳スキルを共有する。

 

河村
「これをメンバー全員で行ったら、いいんじゃないですか?」

 

とお伝えしたところ、Hさんがさらに目を輝かせて仰いました。

 

Hさん
「そうですよね!私、前職は秘書を15年やっていました。

 

 秘書の仕事って、いかにボスの機嫌のアップダウンに巻き込まれないかが重要なのです。

 

 だから、前職の会社では、(よく耐えられますね)って感心されていました。

 

 その時の私の対処方法を、今の会社でみんなに伝えてみようと思います!」

 

Hさん、お顔晴れ晴れ、すっかり元気になっていました。

 

当初の、腰がひけていた状態がウソのようです。

 

行動変容がコミュニケーションの醍醐味

 

研修内容も、イマイチ気乗りしない状態だった時は、通りいっぺんのありがちなパワハラ対策講座になってしまいそうでした。

 

それが【パワハラ被害に合わないためのコミュニケーション講座】実は、裏メッセージは(会長の心理と言葉を肯定的に翻訳してみよう)に変わったのです。

 

れっきとした、完全オリジナルプログラムですよね。

 

わずか、15分程度の立ち話のコーチングでした。

 

Hさん、来月楽しみにですね!

 

視点を180度反転させると、おもしろい取り組みがあぶり出されるものです。

 

アプローチを反転させてみる

 

いかがでしたでしょうか?

 

今回は、わたくし河村晴美も気づきをいただきました。

 

パワハラするのは、もちろん問題です。

 

「会長といえども、いや会長だからこそ、見逃してはいけない。断固、糾弾するべきである!」

 

確かに、組織のトップ自らがパワハラ防止を実践していくことは重要です。

 

ただ、急に舵取りすると、ハレーションを起こすかもしれません。

 

だからこそ、まずは来月の勉強会では、従業員で、会長が発するメッセージの肯定的意図を解読する。

 

そして、会長も巻き込み、パワハラ防止を皆で取り組むという流れです。

 

悪人にも一部の理がある

 

会長が悪人という意味ではありません。

 

(なるほど、そういう意図があったのか)

 

例え話として、どんな悪人であっても、発言や態度の背景を聞くと、そういう思いがあったのかということってありますよね。

 

会長ですから、従業員とその家族全員の生活を両肩で背負っている責任は、むしろ従業員にはわかり得ないプレッシャーなはずです。

 

そして、創業120年という伝統も背負っているわけです。

 

仕事の誇り、味のこだわりは、きっと妥協を許さない厳しいさとセットなのだと、想像できますよね。

 

というように、自分の価値判断をぎゅっと握りしめているのは、これまでの人生の中で刷り込まれてきた、何かがあるからなのです。

 

相手の行動の背景に思いを馳せると、ちょっと優しい気持ちになったりしませんか?

 

まとめ:信頼の架け橋をかけよう

 

さて、たとえ自分にとっては「理不尽だ!パワハラだ!」と思ったとしても、裁判においては全てが被害を受けたと主張する側が勝訴するわけではありません。

 

「パワハラではなく、業務の範疇である」

 

という結果もあるのです。

 

ということは、部下メンバー側も、柔道の受け身のように訓練しておくことも必要なのです。

 

上司向けに「叱り方の極意」も必要。

 

同じく、部下メンバーも「叱られる作法」を身につけておくことが大切です。

 

お互いに歩み寄り、信頼の架け橋をかけていきたいものですね。

 

信頼の架け橋、心理学用語では、ラポールと言います。(フランス語で橋の意味)

 

あなたの組織でも、ぜひコミュニケーションに取り入れてみてくださいね。

 

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