【Z世代の指導方法】肥大化する承認欲求「ほめる」より重要な一言とは?

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ラジオ番組の生放送でリクエストされた質問

「5歳の息子に自己肯定感をもってもらいたいと思い、ほめて育てたら、チャレンジしなくなりました。どうしたらいいですか?」

毎月1回ラジオ番組に出演して、こんなご質問をいただきました。

世間では「人を育てるときにはほめて育てましょう」と言われています。しかし、ほめるだけで人は伸びるのでしょうか?この問いについて、育成や教育に熱心な方ほど疑問を持つかもしれませんね。実は、河村晴美も、23年前に人材育成の研修講師としてスタートした時に、大手企業の管理職向けコーチング研修にて、投げかけられた疑問でした。

人は、ほめるだけで伸びるのか?

確かに、ほめられると嬉しく感じる人は多いです。なので、ほめることが苦手な人も実践しやすいように、今すぐ使えるほめ言葉として、「すごい」「さすが」「すばらしい」を紹介されたりしています。

しかし、実はほめ方を間違えてしまうと、成長しなくなるケースもあるんです。

ほめるってそんなに大事?

なぜ、ほめたのに成長しなくなったのか

冒頭に挙げた、5歳の息子さんをもつお父さんから相談について。
「ほめて伸ばそうと思い、息子をほめたら、チャレンジを怖がるようになりました。どうしたらいいのでしょうか?」

子育ての正解はあるのか?可愛い我が子のために、子育てを失敗したくないと願う両親の思いは切実ですよね。なぜ、せっかく褒めたのに、成長がストップしてしまうのでしょうか?

その理由は、チャレンジを怖がってしまうからです。

特に、子育て時期、です。

では、なぜチャレンジしなくなるのか? その理由は、ほめるポイントを「結果」にフォーカスした場合です。

特に、子育て時期において、子どもが親からの評価として、「結果=ほめてもらえる」と認識すると、同時に「結果が出なかった=ほめてもらえない」と思うわけです。

すると、子ども達の心の中では、このような価値判断がされます。

(うまくいかなかったら、ほめてもらえなくなってしまうかも…)
(チャレンジして失敗したら、もう愛してもらえないかもしれない… )

子どもにとって、保護者の愛情は生きていく上で絶対的に必要な成長条件です。保護者からの愛情の獲得は死活問題。だからこそ、うまくいくかどうか分からないことに賭けるよりも、安全圏にいるほうが現状維持できます。

というわけで、不確実なチャレンジはしないという道を選ぶのです。合理的な選択とも言えますよね。

このように、「結果」にフォーカスしたほめ方をすると、子どもはチャレンジしなくなることがあります。ただし、子育てにおいて、ほめることが全ていけない訳ではありません。

子どもを健やかに育てるために、ほめることはとても重要です。では、伸びるほめ方とは、どんな方法なのでしょうか?

チャレンジ精神を失うほめ方/伸ばすほめ方

それは、「プロセス」に焦点を当てることです。

例えば、逆上がりができるようになった時に、結果だけをフォーカスした伝え方は、「逆上がりができるようになったね。すごいね!」これを、プロセスを言語してほめると、こう変わります。

「逆上がりができるようになるために、ずっと練習してきたね。できるようになるためにずっと努力してきたことは本当にすばらしいことだね。できるようになるまで続けることってすごいことだよ」

このように子どもへ伝えることで、子どもは自分の力でやり抜くことができる自信がわいてきます。これが自己効力感です。

発達心理学者エリクソンによる人間の8つの発達段階

たしかに、子ども時代はほめて育てる事が大切です。ただし、ほめ方にも、何にフォーカスしてほめるのか?が大事なことは先ほどお伝えした通りです。

さて、アメリカ発達心理学者エリク・H・エリクソンによると、人間の発達段階は8つに分かれると言われています。

■発達心理学者エリク・H・エリクソンによる、8つの発達段階理論

①乳児期(生後):0〜17ヶ月
②幼年前期:18ヶ月〜3歳
③幼年後期:3〜5歳
④学童期:5〜13歳
⑤青年期:13〜20歳
⑥成年期:20〜40歳
⑦壮年期:40〜65歳
⑧老年期:65歳〜

さて、①②③④をまとめて、いわゆる義務教育過程までは、保護者が生活を守り育てることが一般的です。この時代には、ほめて伸ばすことが大事です。ただし、社会に出て、仕事で収入を得て自活する立場となると本人を取り巻く社会が異なります。

仕事をするということは、価値を提供して、売上の一部として報酬をいただくということです。となると、自分が求める「ほめられたい」願望よりも、自分以外の存在であるお客様や社会へ価値を提供して、感謝される成果を出すことが求められます。

Z世代を育てるには承認欲求「ほめる」より貢献欲求「ありがとう」が重要

2022年現在で25歳未満を、Z世代と言います。この世代の特徴は、自分よりも自分を取り巻く環境の問題解決に視点が向いています。「社会課題を解決したい」例えば、環境破壊、アフリカの飢餓や、世界の紛争など、自分の生活には直接は関係しないけれども、「このままでいいのだろうか?」という問題意識が高いです。

彼らは、「自分がほめられたい」「自己愛を満たしたい」では満足しません。
彼らが自分の存在価値を実感するは、役に立っているかどうか?です。

■ Z世代の価値観の特長

自分の存在価値のバロメーターは、感謝されたかどうか

Z世代を突き動かす原動力は、「ほめられたい」承認欲求ではありません。貢献欲求です。よって、「ありがとう」「助かったよ」「君のおかげだ」などの、感謝・ねぎらい・称賛を言語化して、伝えると良いでしょう。

ほめる、承認欲求は依存、受け身、指示待ち人間を育てる危険があります。それよりも、自主自立、自己実現できる部下育成をするためには、社会貢献、感謝される喜びを感じる人財育成をしましょう。特にz世代を育成するためには、パワハラ、トップダウン、一方的な指示命令ではなく、叱り方、寄り添い、対話型を重視して関わるのがコツです。
Z世代を育成する極意「パワハラと言われない対話型の叱り方」
ほめる、承認欲求は依存、受け身、指示待ち人間を育てる危険があります。それよりも、自主自立、自己実現できる部下育成をするためには、社会貢献、感謝される喜びを感じる人財育成をしましょう。特にz世代を育成するためには、パワハラ、トップダウン、一方的な指示命令ではなく、叱り方、寄り添い、対話型を重視して関わるのがコツです。
Z世代を育成する極意「パワハラと言われない対話型の叱り方」

まとめ

何でも、ほめれば良い訳ではありません。何についてほめるのか?が重要です。
子どもの自信を高めたい、そう思うならば、ほめるのは「結果」ではなく、「プロセス」をほめるようにしましょう。

さらに、社会人になれば、関わり方は変わります。承認欲求よりも、貢献欲求を満たす関わり方へ移行していきましょう。私たち大人も日々学びですね。これからも、一緒に自分を磨いていきましょう。

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この記事を書いた人

NHKクローズアップ現代にも放映された叱りの達人。営業や採用事務を経験、部下の育成などにも携わる中で「一声かけると人は変わる」と体感。心理学などを学び、キャリアコンサルタント、コーチングの資格を取得。部下育成研修などで講師を務める中「ほめるだけで人ってのびるのかな」という参加者の管理職の言葉から、ほめるの対義語である『叱る』の意味を考えるようになる。自身もパワハラされた経験から、ただ怒鳴ったりダメな点だけを伝えるのではなく「敬意と厳しさを両立させて、感謝される叱り方」を具体的に伝えることで、パワハラのない社会を作りたいと活動を行っている。
プライベートでは「叱られること」を好む。
趣味は、能楽や文楽など舞台鑑賞。

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