営業の達人になるためには、一朝一夕にはなれません。だからと言って、最初から諦めてしまうのは実にもったいないことです。『すべての道はローマに通じる』と言われているのと同じように、あなたが営業の達人を目指すことは誰にも止められないことであり、あなたもなり得る可能性に満ちているのです。
営業の達人になる3つのステップ
第一ステージ:ピヨピヨ新人時代
第二ステージ:ゴリゴリマッチョ筋肉時代
第三ステージ:サクサク片手で対応してる達人時代
営業とは、自分の想定力・仮設力・段取り力が明らかになる

よく営業では、数字を上げたことや売上目標を達成したことを勝ったとか負けたとか、勝負で表現することが多いです。こう考えるのは危険です。というのは「契約が取れたかどうか?」がお客様を言い負かしたとかに勘違いしてしまい、ひいてはお客様と勝負する!と考えてしまうと、お客様を敵対視しかねないからです。
営業とは、毎日毎回、どれだけお客様のことを考えて、自分が事前準備を整えたのか?という、自分との戦いなのです。
営業とは、どれだけシミュレーション(特にネガティブ・シミュにレーション)の見通し力、仮設力、段取り力が実行できているかどうか?営業マンの頭の中のビジネス戦闘能力が透かして丸見えになってしまうのです。
営業とは総合芸術(5つのポイント)

営業とは、勝ち負けではありません。むしろ、最後の最後には、営業マンの美学がお客様の心を動かします。よって、営業とは、美学が問われるために、格闘技ではなく、総合芸術なのです。
では、営業の総合芸術とは何か?以下に5つを挙げます。
営業という総合芸術5つのポイント
①相手分析
②自分の持ちネタ分析(商品・サービス)
③自分の印象演出
④自分のトーク磨き(ロジック&レトリック)
⑤構造分析
1つ1つ説明を進めてまいりましょう。
営業という総合芸術 ①相手分析
相手の状況を知らずして、提案はできません。どんなに世の中で流行っていることや売れているモノ・サービスであっても、相手が悩んでいること、困っていること、課題が明確になっていないうちに売り込んでしまうと「余計なお節介」確定です。
価値は、営業マンが決めるのではありません。価値は、お客様が決めることです。営業マンが「価値提供したい!」という意気込みは大事なのですが、価値そのものの値打ちを吟味するのはお客様なのです。
例えば、どんなに高級なフランス料理であっても、毎日食べている人にとっては、食べ飽きているかも知れませんし、痛風や血糖値が高い人にとっては、価値どころか不快に思われてしまうかもしれないのです。
営業という総合芸術 ②自分の持ちネタ分析(商品・サービス)
当たり前ですが、自分が扱っている商品やサービスの商品知識は、誰よりも勉強しておきましょう。お客様から質問されることは、絶好のチャンス到来その時に「いや、ちょっと分からないです」という凡ミスしないために、事前に自社サービスの勉強はもちろんのこと、他社サービスと何が違うのか?差別化ポイント、メリット・デメリットなども頭に入れておきましょう。
営業という総合芸術 ③自分の印象演出
人から好かれることは本当に難しいです。というのも、人には好みがあるからです。しかし、誰からも嫌われてしまう共通点はおおよそ決まっています。例えば、清潔感がない、敬語などマナーがなっていない、何を言っているのか?わからない説明をする…などです。
自分の説明を、最後まで聞いてもらえるように、外見や言葉遣いなどの印象をマネジメントできるようになっておきましょう。
営業という総合芸術 ④自分のトーク磨き(ロジック&レトリック)
わかりやすい説明には型があります。これは、生まれながらのセンスではなく、後天的にスキル習得が可能な領域です。勉強して練習して、実践を繰り返せば、誰でも身につけることができます。
人が理解するためには、順番があります。それが、ロジック(論理)です。脳内の整理に訴求するのがロジックです。一方で、脳内でイメージするのは視覚情報です。よって、レトリック(装飾)とは、イメージしやすいように、何かに例えて伝えることです。
人を動かす話し方(説明スキルでは到達できない領域)については、こちらのコラムを参考してください →
優れたリーダーは『説明スキル』におぼれない(人を動かす2つポイント)
営業という総合芸術 ⑤構造分析
人を動かすには、単品売りでは足りません。①〜④をどう組み合わせて、相乗効果を利用して、効果を最大発揮させるのか?がポイントです。
日本で700年前に能楽を大成した、世阿弥が書き残した『風姿花伝』にこう記されています。
離見の見(能楽を大成した世阿弥による『風姿花伝』より)
意味は、自分が舞っている状況と観客の様子について、能舞台を俯瞰して(空間認識)、さらに時代の求められる能楽とは何か?後世まで残る芸術について、(時間認識)を意識して、今この瞬間を舞うということです。
ちなみに、ジャパネットたかたを創業された、高田明元社長は、世阿弥の『風姿花伝』を何度も読み返して、生放送の番組作りで、大いに活かしてきたとおっしゃっていました。
どんなことでも、達人への道は険しいものです。しかし、最初からあきらめてしまうのは、もったいないことです。自らが才能開花のチャンスを捨ててしまうのは、ナンセンス、ですよね?
せっかくの一度きりの人生なのですから、チャレンジしてみませんか?
あなたの才能が開眼するきっかけになればうれしいです。
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