過日、部下をもつ30歳代の男性上司にこのようなことを相談されました。
「部下を叱りたいんです!どうやったら、部下をギャフンと言わせられますか?」
「ん?今、あなたは部下を叱りたいと言いました?」
と、思わず聞き直しました。
もしかしたら、これはパワハラ突入の危険ゾーンに進入してしまうかもしれません。
というのも、どういう状況かによりけりですが、
『叱りたい!』
これは、誰のための行為でしょうか?
さらに言うと、目的は何でしょうか?
部下の成長のためではなく、上司が負の感情を部下へぶつけたいという感情発散、スカッとしたいと思っているとしたら・・・。
または、自分(上司)が優位に立ちたいとか、力を見せつけたいという思いが湧いていることだとしたら・・・。
部下は、上司の助言に素直に聞き入れるでしょうか。
ハッキリ言って、これは叱ることではありません。さらにいうと、部下育成の目的に反しています。
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叱る目的は、部下に成果を上げさせること
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『叱りたい』というのは、上司本人が(怒り?)沸き上がってくる感情を部下にぶつけたいというエゴだとしたら、上司の仕事に反しています。
上司の仕事は、経営資源の1つである人を活かし、最大限の有効活用をして成果を上げること。
これがマネジメントですよね。もうお気づきですよね?
部下を叱りたいというのは、手段が目的化してしまっているのが、そもそもまちがっていますよね。
『叱りたい』は違います。
『部下を伸ばしてあげたい。自信をもつように成果を出させてあげたい。』
こういう思いが根底にないと、パワハラと言われても致し方ないと思います。
部下を成長させるために、数々ある部下育成のコミュニケーションがある中で、叱ることもその1つとして選択肢の1つであるということです。
■パワハラ規制法の可決成立
(2019年5月29日)
職場のハラスメント対策の強化を柱とした『女性活躍・ハラスメント規制法』が2019年5月29日可決成立されました。
2020年には、大企業は義務化されます。2022年には、中小企業も取り組まなければなりません。
パワハラ規制のために、企業として何等かの対応策が求められますが、単にテクニックとして「言ってはならないパワハラNGワード」を気をつけて言わないようにしたとしても、そんな甘いものではありません。
たとえその言葉を使わなかったとしても部下への侮辱、育成と真逆の思考は言葉の端々にこぼれ落ち露呈することでしょう。
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その言葉は、自分の上司へも言えますか?
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結論、
『部下をギャフンと言わせたい』という人へ河村がお伝えしている叱り方はそぐわないので、お伝えできる言葉はありません。
部下を活かそうしないのは、正しい経営と相反する行為です。
河村が講演研修で、色々お伝えする中で共通して、ハッとしたと言われる1つが
『やる気がない人はいない』という河村さんの言葉が心にささりました。
確かにその通りだなと。私自身が、部下の思いを 当たり前だと思ってしまっていました。もう一度、社員一同結束していこうと思います。』
せっかく縁あって一緒に仕事をするのですから力を合わせて目的達成したいものですね。