【コミュニケーションより大切なこと】なぜ部下は上司の言っていることが理解できないのか?

コミュニケーションの前に、自分のチカラを向上させよう ビジネスにおいて、いつでもどこでも求められるスキルは「思考力」

目次

全ての問題をコミュニケーションのせいにしてはいけない

伸び悩む組織と伸び続ける組織、その違いは何でしょうか? それは、信頼関係が構築されているかどうか? です。 ✅伸び続ける組織の特長
・信頼関係が構築されているから、お互いに率直に意見を言い合える
・高い能力をもつ仲間なので、助け合うことで相乗効果が出る
・目標に向かって行動するのが当たり前なので、叱咤激励を応援と解釈する
一方で、伸び悩む組織の特徴はどうでしょうか? ✅伸び悩む組織の特徴
・一見すると、コミュニケーションはバッチリとれている
・優しさが心地良いという人が集まる
・「まじめ」が良いとされて「まじめ」が報われるという価値観
上記は、組織が目指す方向に向かっていません。 伸び悩む組織は、まちがった優しさに包まれています。 優しさという仮面に隠されてた妥協 です。 「まあ、いいよ」 「無理せず、いこう」 もちろん、病気やけがをしている場合は、その限りではありません。 その時は、労働者の権利として病欠しましょう。 しかし、出勤(リモートワークも含めて)しているのならば、成果に向かって仕事をするのが働く人の義務です。 職場の仲間は、友達ではありません。 職場の仲間は、一緒に成果を上げる存在です。 コミュニケーションスキルは大切です。 特に、部下をもつ上司は、必須です。 なぜならば、部下の能力を引き出すのが上司の仕事だからです。 しかし、上司も部下も、いえ経営者も、ひいては将来大人になる子どもも、どんな立場の人であっても、自分らしく生きていきたい人にとって必須のスキル。 それは「思考力」です。 人と関わるコミュニケーションスキルを磨く前に、まずは現代社会を生き抜くためのチカラ「思考力」を磨く必要があるのです。
思考力とは、現代社会を生き抜くチカラ

なぜ、思考力は磨かれないのか?

意外なことに、私たちはこれまで、思考力を磨く方法を教えてもらったことがありません。 確かに、試行錯誤して体験を積み重ねたり、自発的に習得してきた人もいることでしょう。 ただし、多くの場合、暗中模索されているのではないでしょうか? 自分で抽象思考を獲得してきた人のレアケースとして、例えば、メジャーリーグで活躍されている大谷翔平選手がいます。 このコラムを書いているのは2021年7月1日時点で、大谷翔平選手が絶好調です。 ヤンキースの英雄ベーブ・ルースと比較すると、二刀流最終年となったレッドソックス時代の1919年の個人成績と、大谷の今季成績を見比べてみましょう。 ルースは130試合出場で、打率.322、29本塁打、113打点、長打率.657。 対して、大谷翔平選手は、6月の時点で本塁打数に追いつこうとしています。 また、よくダルビッシュ選手も話題に上がります。 彼らの優れている点は、私が言うまでも無いことですが、何しろセルフフィードバックが早い。 たとえ、相手チームの打者に打たれても、次の打席では別フォームに改善し、立て直すのです。 自分で気づき、改善点を発見して、実践する。 このセルフフィードバックが的確であり、検証は脳内でシミュレーションして、次のマウンドで闘う。 だから、成績が残せるのですね。 セルフフィードバックをレジリエンスとも言います。 レジリエンスとは、もともとは物理学用語ですが、今では心理学領域では、自発的治癒力、回復力、復元力という意味で使われています。 一般的に優秀な人は、他人から言われてなくても、自分で考えてPDCAを回せます。 しかし、人間全員がこのようなスーパーマンではありません。 また、仕事において初心者であれば、熟練者が仕事の型を教えるのが、効率も良いのです。 大谷選手も、ダルビッシュ選手も、初めて野球に接した時には、球の投げ方、バットの振り方は教えてもらったはずです。

抽象化とは

さて、仕事現場では上司から「まずやってみろ」と言われます。 ただし、思考力が身についていないと、失敗から学びを抽出することができず、失敗は単なる失敗で終わるのです。 経験から学ぶ。 これは、抽象思考がないとできません。 抽象思考とは、失敗からコツを抽出することです。 「つまり、何か?」で言語化することです。 これが抽象化思考です。

具体化とは

具体化とは、抽象的な言葉を、「たとえば・・・」で言語化することです。 ✅具体化とは
相手が言っていることを、自分に引き寄せて、自分ごとにする
上司の言葉が理解できないと、部下は怒られます。 たとえば「ちゃんと仕事しろ」 上司が言っている「ちゃんと」とはどういうことか? ・言われた通りに実行することなのか? ・時間内に仕上げることなのか? ・効率を上げることなのか? ・上司の指示以上の価値を構築することなのか? ・どんな改善を要求されているのか? ・ゴールは何なのか? 具体化とは、上司の抽象的な発言を、部下は自分の立場に引き寄せて、上司の言葉を解読することです。 端的にいうと「つまり、上司は私に何を求めているのか?」です。

究極の省力化コミュニケーションとは

究極の省力化コミュニケーションとは、何でしょうか? それは、以心伝心 です。 言わなくてもわかる。 目と目で通じ合う。 しかし、このような関係性は、一朝一夕では築けないですよね。 「ん」と唇を閉じたら、美味しい日本茶が出てくる。 このようなコミュニケーションがとれるのは、長年連れ添った熟年夫婦の理想形。 このような達人レベルに至るまでに、どれほどの月日が流れたのかを思うと、職場の多くの人間関係は、これほど密に行っているとは言えません。 ここでお伝えしたいことは、 この熟年夫婦のようになりましょうと言っているのでは無いのです。 むしろ逆です。 「伝わらない」現実を直視しましょう。 「伝わらない」を出発点として、「どうやったら伝わるのか」丁寧に積み重ねていきませんか? という提案です。 そのためには、まずは相手の言っていることを受け止める側のスキルアップ。 「思考力」が高いとは、一を聞いて十を知る ということです。

コミュニケーションの受け止めるスキルアップが「思考力」

✅コミュニケーションの受け止めるスキルアップが思考力
思考力とは、抽象と具体の交差
自分に引き寄せて、具体的に考える。 自分の経験、他者の体験談を、抽象化する。 これができると、何からでも誰からでも気づきを得られます。 創造性が発揮されて、あそんでいても良いアイデアが降ってきますし、仕事と遊びの境界線がなくなります。

社会人3年目を退職させない方法

「河村さん、入社3年目までの社員向けに、仕事力アップのカリキュラムを考えてくれない?」 ある企業様からお声がけいただきました。 入社3年目といえば、退職率3割問題ですね。 昔から言われています。
入社3年以内に、3割が退職する
退職者を出さないためなのですが、もっと良いことがあります。 部下の思考力が高まると、上司がラクになるのです。 ✅部下の思考力を高めるメリット
部下の思考力が向上すると、上司の部下育成がラクになる
たとえば、 ・注意指摘の行間を類推できたり ・効率化を考える ・仕事の意義や目的を部下自身が考え始める 上司と問題意識が共有できます。 上司が「何をするのか?」の行動指示を伝えた時に、 部下が「どのように行うのが最適解か?」方法手段を、自発的に考える。 このように部下が自主自立行動をとると、上司もラクになると思いませんか?

思考力アップ研修カリキュラムの一例

以下に、ある企業様での入社3年目研修のカリキュラムの一例を記します。

①なぜ、思考力が必要なのか

・「思う」と「考える」の違いは何か ・思考とは言葉である ・思考力が無いと、上司の注意指摘が理解できない ・思考力が無いと、失敗を成功の布石に活用できない

②思考力を磨く

・抽象思考ができないと作業を仕事に昇華できない ・抽象思考ができないと手段が目的化してしまう ・抽象と具体の交差 ・現代西洋哲学を活用して、言葉を再定義してみよう

③説明力を磨く

・説明力は、報告連絡相談で必須 ・基本を押さえよう説明3つのポイント①削ぐ②例える③組み立てる ・「オッカムの剃刀」を活用してみる

④行動力を身につける

・人間の行動する発意は2つ。快感または不快 ・なぜ、人は行動しないのか ・今、行動しないデメリット ・上司と部下が共有するのは問題意識、危機意識 *3時間程度を想定 *オンラインで行います*ワークはゲーム感覚で取り組める内容です *オチャット、グループワーク、全体発表など、ご参加者と講師の双方向で進行していきます

まとめ

昔、リクルート出身の方に教えていただきました。 「仕事は、ロマンとそろばん。あと、我慢も大切だよ」
仕事は、ロマン、そろばん、時に我慢
成果を上げるための方法として、コミュニケーションより大切なことがあります。 それは「思考力」です。 上司が伝えることを、部下に理解してもらいたい。 そのためにも、部下の思考力を磨く機会を作ってあげませんか? 叱りの達人協会 パワハラ対策専門家 河村晴美]]>

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