【コロナ禍での経営分かれ道】組織の生き残りを分ける社長がするべきたった1つのこと

(2020年帝国データバンク資料より)

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「うちはバス事業社じゃないんですか!?」への社長の返答

先日、テレビのドキュメンタリー番組で、ある九州のバス会社が長期間にわたり取材されていました。 三密を避けるために、人が集まることを制限するお願いが出ました。 そして、海外を含めて、人の移動が制限されました。 観光も修学旅行も高速バス運行も激減しました。 この事態であっても、社長は何とかバス運転手さんを解雇しないように、あの手この手で売り上げを立てようと懸命に努力されている様子が伝わってきました。 観光業や飲食業は業界全体が右肩下がりですが、一方で、コロナによって必要とされるモノやサービスも生まれました。 それが、消毒関連のモノやサービスです。 多くの商業店舗で入口に、消毒液と体温検温装置が設置されるようになりました。 そこで、このバス事業会社も、検温装置の代行販売を行うことを始めました。 昨日まで大型バスの運転手だった社員が、生まれて初めて営業マンになったのです。 初めての営業であり、検温機器の商品知識も勉強しなければなりません。 私も新卒で営業を行いましたが、飛び込み営業ですぐ契約が取れるなんて、世の中そんなに甘くないです。 慣れない営業の仕事、給料も減り、先行きの見通しもたたない不安・・・社員の不安やストレスが社長へ向きました。 あるバス運転手さんが 「うちはバス事業者じゃないんですか!?」と社長へ詰め寄りました。 すると社長は「そうだ。うちはバス事業者だ」

ビジネスの価値創造は、抽象思考が必須

バス事業、観光、飲食、検温装置の販売・・・これらは企業が扱う具体的な商材です。 しかし、企業の存在目的は、具体的な商材を扱って売上を上げることではありません。 企業の存在目的は「世の中に役立つ活動を行うことで利益を上げること」です。 それが軸になっていれば、バス事業も検温装置販売も、同列のはずです。 人の移動に商機があれば、バス事業に参入し、コロナ禍でライフスタイルが変われば、必要とされるビジネスを想像する。 これが商売です。 組織のヒエラルキーの中で、高いポジションにいる立場ほど、ビジネスを上位概念でとらえることが必要です。 ビジネスを上位概念でとらえるというのが、組織の存在目的の言語化です。
世の中に役立つ活動、価値構築が利益の源泉
パナソニック創業者 松下幸之助翁は、生前 社員へこう言っていました。 「松下産業(パナソニックの前の名称)は、家電を作っているのではありません。 松下産業は、人を作る会社です」 話を戻します。 「うちはバス事業者じゃないんですか!?」と問われたとき「うちは世の中に必要とされることに挑戦する会社だ」と言ったら、どうなっていたのかな?とテレビを見ながら感じました。 そして、番組の終わりには、コロナの軽症患者を移送するサービスを始めたことが流れました。 ベテラン運転手さんが、笑顔で胸を張って仰っていました。
「コロナに感染しないか、確かに不安です。でも、誰かがしなくちゃいけない仕事。
世の中に必要とされていることが、仕事の誇りです」
このように応えていた背景には、きっと社長さんの思いを汲み取っているからこそだと感じました。

答えのない時代の歩み方に必要なこと

経営者は、社員と同じレベルで考えていてはいけないのです。 視点を高くして、物事を俯瞰する思考力が求められます。 それが、抽象思考です。 実は、すでに経営者のみならず、これからの時代を生き抜く全ての人が、抽象思考を磨かないと生き残れない状況になりました。 誰かが何とかしてくれる。 そんな時代はすっかり終焉を迎えてしまったのです。 それは日本国政府の政策で見てとれます。 企業が、従業員の増加を約束するよりも、副業解禁されました。 企業が、年金を運用するのではなく、個人が年金運用するように、iDeCo(個人型確定拠出年金)を設定しました。
人生の分かれ道は、思考を磨いていくか否かが鍵となる

まとめ:生き残るために必要なこと

新型コロナ感染症の蔓延によるビジネス環境の変化は、一つの事象に過ぎません。 この時代に生き残るために、自分らしく幸せな人生を送るために避けられなこと。 それが、抽象思考を磨くことです。 誰かがなんとかしてくれることに期待しない。 そうすると、当たり前のことに感謝の念がわいてくるのです。 こうなると、人間関係もよくなるので、人生が好転し始めます。 それが自分らしく生きることのスタートです。 この考え方は、組織が生き残るためだけではありません。 自分しか成しえない価値を見つけたい人全員に必要なことです。 ■叱るとは、高抽象の気づかいである 叱りの達人協会 パワハラ対策専門家 河村晴美]]>

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