【パワハラと指導の境界線】上司が部下から信頼される方法「部下に仕事で追い抜かされることはOKですか?」

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【パワハラと指導の境界線】部下に甘える上司

パワハラか?それとも指導か? よく言われるのは、「何を言うか?」より「どう言うか?」 さらには「誰が言うか?」 人格者また徳の高い人が言うことだったり、信頼関係が築けていれば、言われた側はパワハラとは感じない。 とよく言われます。 だからこそ、信頼関係を構築するために、ふだんからのコミュニケーションが大切。 それはその通りです。 では、信頼関係が構築できているかどうか?と言うのは、えてして双方で認識にギャップがあることは多いのです。 例えば、上司は部下と信頼関係が築けているから、多少きびしいことを言ってもパワハラとは受けたられないだろう。 と思ったとしても、実は部下からすると、上司が思うほど信頼また尊敬していなかったりで、温度差があるということです。 これって、本当に悲しいですよね。 上司としては「君の成長を願って、あえて厳しく指導したのに、パワハラと言われるなんて・・・」 本当に悲劇。 「ブルータス、お前もか」 シェイクスピアの戯曲『ジュリアス・シーザー』の有名なセリフです。 時の権力者と同じく、信頼していた部下から手のひらを返されたような、裏切られたかのような気持ちになってしまうのは、人間不信になってしまうほとにダメージが大きいことでしょう。 さて、上司は部下へ厳しい指導をすると言うのは、部下を成長させたい一心からであれば良いのですが、ついつい怒りが暴走して、人格否定する言葉を発してしまったという場合もあります。 例えば 「なんで、できないんだ!」 「だからお前は、いつまでたっても使えない」 「お前は、小学生か?」 これらは、仕事の注意指摘また指導にはなっていない言語です。 ビジネスに役立つ言葉、停滞している仕事を前進させる言葉なのでしょうか? いずれも、違いますよね。 つまり、ビジネスとして機能していない言葉ということです。
パワハラのジャッジは、仕事を前進させるかどうか

パワハラと指導の境界線は、部下のリアクションで分かるこの一言とは

上記以外にも、ビジネスを前進させずに、部下の思考と行動を停止させる言葉はたくさんあります。 それらをいちいち上げるのは時間の無駄ですので、逆のアプローチで判断しましょう。 部下のリアクションで、上司の関わり方が、パワハラなのか?指導なのか?が判断できます。 それは、部下のリアクションが「すいません」しか言わない。 この場合は、部下は(パワハラされている)と感じている可能性が高いです。 「いやいや、そりゃないでしょ」 と思う上司もいることでしょう。 しかし、部下が「すいません」と繰り返すだけで、改善行動の提案やリカバリーする意志や指導を求めないということは、この場のやりとりは生産性が低いということです。 はっきり言って、部下は(この場から開放してほしい)と言っているのに等しいのです。

パワハラではなく、指導にシフトさせる方法

部下が「パワハラされた」ではなく「指導してもらった」と感じてもらうには、上司はどうしたら良いのでしょうか? それは、上司は部下の『能力を尊重』することです。 「いや、人格尊重なら分かるけど、能力を尊重しようってどういうこと?」 と思ったかもしれません。 人格尊重は、もちろん大事です。 しかし、いきなり人格や人権とか言っても、抽象概念なので、実務かつ成果志向の強いビジネスパーソンには、なかなか理解しかねることでしょう。 たとえば、今までずっと経営層からの目標数字をクリアするために邁進していきた上司へ、いきなり「組織としてのあるべき姿の根本は、人間尊重です」 と言われても、戸惑うと思うのです。 なので、上司は、人格の一段下の階層の概念である「能力」について、部下をマネジメントする。 「部下の能力」を引き出し、成果につなげる支援は、れっきとした上司の仕事です。
上司の仕事は、部下の能力を尊重し、引き出し、成果につなげる支援
上記に照らし合わせるとき、パワハラ言葉は機能しているのでしょうか? 合理的に考えれば、答えは自ずと出ています。 部下のパフォーマンスを観察すれば明白です。 部下のパフォーマンスが落ちているならば、上司の部下育成方法に「問題あり」というアラートが出ているということです。 ■上司の「指導のつもり」が部下への甘え パワハラ疑惑、パワハラ認定された上司がよくいうセリフです。 「指導の一環のつもりだった・・・」 上司本人はそのつもりであっても、部下は「人格否定された」と感じる認識のギャップ。 ただし、部下がパワハラだと行ったとしても、必ず第3者による双方の話をヒアリングする機会が設けられます。 その上で、パワハラかどうかのジャッジが下されるのですが、人格否定はパワハラ認定される可能性が高いです。 (つい、言いすぎてしまった・・・) なぜ、言い過ぎてしまうのでしょうか? その元凶にあるのは、甘えなのです。
パワハラの元凶は、上司が部下へ甘えているから
なぜなら「この部下ならば、私が言うこと(言わなくても)わかってくれるはず」と依存しているからです。 裏を返せば、怒りとは、わかって欲しいという願いなのです。
怒りの源泉は、わかって欲しいという願い
上司は部下へ 「なんで俺のいうことがわからないのか?!」(俺の言うことを理解してほしいのに) 「どうして、できないの!?」(あなたならできると信じていたのに) 「お前は、小学生か!?」(もっと高いレベルの仕事ができる部下だと期待していたのに) 上司は、部下を信じていたのにうらぎられた気持ちになって、戸惑っているのです。 上司の心の奥にあるのは、ふるえるようなナイーブな気持ちが横たわっているのです。

上司が部下から信頼される方法

上司が部下から信頼される方法は、薄っぺらい「何を言うか?」テクニックではありません。 「どのように言うか?」でもありません。 「誰が言うか?」普段から、部下と信頼関係を深めようとする姿勢、上司の在り方が問われているのです。 その指針となるのが あなたは、部下に仕事で追い抜かされることはOKですか? あなたは、以下の3タイプのどれでしょうか?

■Aタイプ

優秀な部下が伸びようとする杭を叩く
上司である自分のプライドや自尊心が邪魔して、部下の成長を妬み、パワハラ言葉で部下の成長を阻む。

■Bタイプ

部下に追い越されたくない!
上司として見本を示すために、部下以上に、必死になってスキルアップし、新しい業務に挑戦する。 自分の背中を見せることで、部下にも逃げずに乗り越える強さを身につけて欲しい。

■Cタイプ

どんどん私を追い越して行ってね
優秀な部下を最大限活用できるように、マネジメント能力を高める。 人心掌握の機微、優しさ、いたわり、強さを育てるために、自分のエゴを捨てる。 Aタイプは、部下だけではなく、組織全体にも悪害を与えてしまいます。 Aタイプが「個人的なポリシーなので、ほっといてください」と言ったとしても、組織が放置していると、組織の責任とみなされるからです。 BならびにCタイプが多いと、生産性の高い組織に成長してきます。 そして、良い人材の定着率が高まり、さらに事業が発展していきます。

まとめ:答えのない時代の人材育成法

ビジネスを取り巻く社会構造は、めまぐるしく進化しています。 答えのない時代には、過去の成功事例は、もう通用しないのです。 そうすると、熟練者、年上が有能だとは、一概にはいえないのです。 悲しいかもしれませんが、これが現実です。 であれば、若い社員、年下のスタッフに、大いに活躍の場を提供することが、事業発展するために合理的な思考だと思いませんか? これくらい、過去に正しいといわれていたこと、固定概念、常識を疑う、批判的思考こそが、今必要なのです。 旧来の部下育成方法、強制型の命令指示、怒りを部下へぶつけるなんて、もう古いですね。 ■叱るとは、高抽象の気づかいである 叱りの達人協会 パワハラ対策専門家 河村晴美]]>

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