部下を持つ人が気をつけるべきパワハラ言葉【パワハラと言われない叱り方】

パワハラワードの言語分析「これを言って意味はあるのか」 不用意な上司の言葉に傷つかないメンバーは少なくないと思われます。 例えば、上司からこのように言われたら、メンバーはどう感じるでしょうか? 「経験のある俺が言うんだから、間違いないんだ。  お前は余計な口答えせずに、言われたことを素直に実行すれば間違いないんだ!」

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言葉の特性を知る

================ 言葉とは、その使用である (ポスト構造主義 哲学者) ================ 重要なことは、何を言ったかではありません。 「何が伝わったか」です。 一方で、よく言われるのは、何を言ったではなく、誰が言ったのか?が重要であるとも耳にします。 しかし、「あばたもえくぼ」が示すように、気分や好意によって、えくぼだったのがあばたになることもあります。 しかし、「あばたもえくぼ」が示すように気分や好意によって、えくぼだったのがあばたになることもあります。 前は気にならなかったのに、関係性が変われば、モヤっとするのはよくある話です。 だからこそ、危険がひそんでいるのです。 気分はコロコロ変わるもの。 だからこそ、理性で、使う言葉を意図を明確にして選択する必要があります。 この習慣を身につけておく必要があるのです。

パワハラワードを解体し検証する

上司がメンバーへ言った言葉を解きほぐして検証します。 経験のある俺が言うんだから、間違いないんだ。  お前は余計な口答えせずに、言われたことを素直に実行すれば間違いないんだ!」 問題となる箇所を、さっそく分析していきましょう。

1、経験がある

上司の過去においてのその経験は立派だったと思います。 しかしながら、ITテクノロジーをはじめとして、目まぐるしく変化進歩する時代です。 過去の成功経験が役立つかどうかははなはだ疑問です。 むしろ、前向きに懐疑するのが高い思考力です。

2、間違いない

根拠を示す必要があります。 根拠という説明責任役割を果たすことです。 メンバーが年下また未熟者だからといって、説明を端折るのは、相手へ甘えている証拠です。 もし、相手がメンバーではなく社長であっても、同じ態度を取るのでしょうか? 説明の言語化をしっかり行えば、メンバーは上司の意図に納得することでしょう。

3、余計な

「余計な」という前提は、仕事の線引きの範疇を超えていると受け留められます。 すると、メンバーには (自分の仕事の範疇を超えるべきではない) と、伏線で刷り込まれます。 すると、守備範囲を超えた「余計な」仕事には手を出さなくなります。 これでは、仕事の受け渡しの接触面が希薄になりますので、おのずとエラーが出やすくなって しまいます。

4、口答え

メンバーは口答えをしたのでしょうか? 「なぜ、こうするのですか?」 「他のやり方はダメですか?」 「こっちのやり方のほうが良いかなと思ったんですが…」 メンバーが上記のようなことを言った場合、口答えと認識したのは、上司の偏見かもしれません。 メンバーは、他の方法の可能性を広げたかったのかもしれません。 上司に歯向かうことや、否定する意図は無かったのに上司が決めつけたとしたら、それは上司の誤解です。 さて、上司の偏見また誤解は、どこからきているのでしょうか? それは、上司の劣等感やコンプレックスに起因している場合が高いです。

5、素直に

よく、素直と従順を履き違えているケースがあります。 素直とは、何も言わずに従うことではありません。 素直とは、物事を偏見なく先入観なく見ることです。 固定概念にとらわれずに、フラットにとらえることです。 今回のケースでは、メンバーからの質問を「口答えだ」と認識することは、偏りのある認知つまり偏見であり、それは素直と真逆のことです。

6、間違いないんだ!

現代は、過去の成功法則が通用しないと言われています。 ポストモダンの思想家リオタールは、 「大きな物語の終焉」であり、現代は「小さな物語」と言いました。 このように、今の時代はまさに「答えの無い道」を歩まなければならないのです。 このような状況で、「間違いない!」と言い切るならば、ぜひ、根拠を示して欲しいものです。 何の根拠もないのに、「間違いない!」と言うのは少々無理があります。 メンバーは、上司を信頼したからこそ、納得できる根拠を示してもらいたいのです。

■まとめ

以上、上司のセリフを言語分析してみました。 1つ1つの単語を見ながら、全体に流れるニュアンスをとらえます。 全体を見ると背景に隠れている前提条件や価値観が透けて見えます。 あらためて、今回の上司のセリフに通底することは何でしょうか? 使っている言葉の揚げ足取りをするのは善悪の二項対立に絡めとられてしまいます。 そうではなく、重要なことは ・その言葉を使用する目的は何か? ・自分が伝えたい意図に適した言葉を選んだののかどうか? パワハラ危険ワード、またはパワハラ禁句選定は、単なるテクニックすぎません。 テクニックは、状況が変われば、前提条件が崩れるために応用が効きません。 テクニックでは、その都度変わる場面では役に立ちません。 ここで伝えることは、使えないテクにニックではなく、迷わない指針です。 迷わない指針とは、目的意識です。 「何のために言うのか?」 「目的遂行のために、その言葉が最適なのか?」 目的遂行に照らし合わせた時に言葉が変わり、相手への伝わり方も変わります。 ビジネスにおいて、メンバーに動いてもらいたい時に上司としてのふるまいや根本思想として重要なことは 倫理観であり、それは相手へ敬意を表することです。 年齢や仕事の熟練度とは関係ありません。 どなたに対しても、さらには身近な家族に対しても、倫理観、相手への敬意は重要です。 メンバーは、上司が自分への態度に、存在を重んじる態度が感じられなかったり軽んじられていると感じた時に、組織や仲間への貢献意欲が削がれていくのです。 以上、表層的なパワハラ防御策を考えるよりも、組織として社会に貢献する価値構築と事業発展を考え実行する。 仕事の本来のあり方の原点に立ち返れば、メンバーへ敬意を欠く発言や態度は組織発展に反することは明らかなのです。]]>

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