【リモートワーク部下指導の落とし穴6選】怒り心頭の上司を部下はPC画面越しに冷徹に見ている!?

目次

「リモートはコミュニケーションが取りづらい」は誤解

たとえば、あなたに好きなアーティストがいたとします。 そのアーティストのライブに行けないからといって絶望しますでしょうか? ミュージックビデオなどの映像で楽しむこともできます。 楽曲を購入して、聴いて楽しむこともできます。 では、逆に、楽曲を聴けば、映像は見なくても満足するでしょうか? ファンならば、そんなことは無いですよね? そして、お金と時間の都合がつけば、ライブに行って、同じ空間で熱い思いを共有したい、会場の一体感、ファン同士でも盛り上がりたいと思いますよね。 つまり、対面、映像、音声、インタビュー記事という文字情報も含めて、媒体はそれぞれにメリット・デメリットの特徴があるのです。 それぞれを使い分ければ良いのです。 「部下指導は、リモートよりも、やっぱり対面が良いよね」 と考えるのは、「昔は良かったね」という懐古主義に他なりません。 50歳以上の人が若者へ「バブルの時は良かった」と言っていることと同じなのです。

テキスト(書き言葉)とビデオ(話し言葉)の特徴と落とし穴

まずは、コミュニケーション方法として、対面を格上に置く固定概念を捨てましょう。 本コラムのテーマ【リモートでの部下育成方法】について話を進めていきます。 テキスト(書き言葉)とビデオ(話し言葉)のそれぞれの特徴と落とし穴について解説していきます。

テキスト(書き言葉)の特徴と落とし穴

テキストとは、メールやチャットなどを含む書き言葉のことを指します。 ✅テキスト(書き言葉)の特徴と落とし穴
①行間は、伝わらない

②ネガティブな言葉は、発信者より受信者が重く受け止める

③肯承認メッセージを多用する

①行間は伝わらない

あなたは、小説などで登場人物の心情を読解するのは得意でしたでしょうか? 実は得意であろうと、不得意であろうと、書き手と読み手の認識が完全に合致することは無いのです。 フランスの文芸評論家、ロランバルトは言いました。
「作者の死」
執筆者が使った言葉、たとえば、愛、自由、責任・・・抽象概念のの言葉でなくても、全ての言葉は、作者の意図を離れて、読者がそれぞれに解釈をするのだ。 ビジネス文書でも同じです。 数字であっても、書き手がどんな意図で数字を書いているのか、読み手に意図が伝わるかどうかは、なんとも言えないのです。 例えば、 ・目標数値、現状数値を書いても、必達のプレッシャーは、上司と部下では同じでは無いはずです。 ・期限を書いても、期限を守る責任は、社長は何がなんでも死守しますが、残念ながら新入社員の緊張感は同じではありません。 数字を書いても、書き手と読み手の解釈は異なります。 数字で伝えたい意味合い、責任の重さ、背景は、数字ではなく、背景や理由の説明の解説が無いと、読み手には伝わらないのです。
数字の解釈は人それぞれ。
数字の背景や理由について、解説が無いと書き手の意図は伝わらない。
まして、行間に書き表せないニュアンスはなおさらのこと、伝わることは不可能なのです。

②ネガティブな言葉は、発信者より受信者が重く受け止める

人は、快感より不快に敏感に反応します。 よって、読み手は「自分が攻撃され」に過剰に反応します。 書き手は、それほどに思っていなくても、読み手はネガティブ言葉に過剰に反応してしまうのです。 そして、テキストは「残る」ということも特徴です。 「いつもこの上司からのメールは否定される」というレッテルが貼られると、部下はメールを開くときに、ため息が出ているのが目に浮かびます。 かといって、部下のミスや失敗を、そのまま放置してはいけません。 注意は必要です。 注意とは、具体的に指摘することです。 情緒的な言葉は、必要ないのです。
◯具体的な指摘:

業務内容、実施した内容、不適切な行動、過不足→改善してほしい具体的な行動を指示、提案
✖️情緒的な言葉:

期待、裏切り、落胆、不安、不満足、やる気、がんばる、など

③承認メッセージを多用する

承認とは、ほめる、認める、感謝する、ねぎらうなどの言葉です。 承認メッセージは、上記の言葉を、具体的シーンとともに伝えることです。 例えば
「今回の提案書は、以前に比べて◯◯に工夫の意図が表れています」

「先日のリモート会議の進行は、全員に発言を促すリードがとても良かったです」

「この前の緊急対応では、担当者へチャットに即レスのアドバイス入れてくれて、本当に助かったよ」
具体的シーンについて、何が良かったのか?何に感謝しているのか?を書きましょう。 最大のメリットは、承認メッセージを書くことは、テキストは残るということです。
テキスト(書き言葉)は保存可能
部下が落ち込んだ時、リモートで孤独になった時、不安になった時、このような時に、上司の承認メッセージが励ましになります。勇気を与えてくれるのです。

ビデオ(話し言葉)の特徴と落とし穴

ビデオとは、音声を含めた映像のことを指します。 ✅ビデオ(話し言葉)の特徴と落とし穴
④見るのではなく、眺めている

⑤録画できる

⑥言語化能力が磨かれる

④距離がある

パソコンの画面越しのコミュニケーションなので、いくら上司が怒り心頭であっても、部下は距離をおいて、眺めています。 ある意味、冷静また冷徹に眺めることが可能です。

⑤録画できる

ビデオ会議のソフトに録画機能がありますので、おおいに活用しましょう。
◆上司のメリット

自分のスピーチスキルを磨くことに活用できます。
◆部下のメリット

人は、ビックリしたり、気が舞い上がったり、緊張してしまうと聞く行為が停止してしまうことがあります。

なので、部下は上司に注意されたことをうっかり忘れないためにも録画しておくと後から聴き漏れたことを逃さないことができます。

③言語化能力が磨かれる

対面は、語調や表情や空気で威圧して、部下を動かすことが通用していました。 しかし、パソコンの画面越しでは、空気は伝わらないです。 では、どうやって部下を動かすのでしょうか? 答えは、言葉で動かすことです。 言語化能力です。 部下と共有することは、以下の3つです。 ✅すべての仕事に必要な3つの視点
What : 何をするのか?

How : どのようにするのか?

Why : なぜ、するのか?
上司の仕事は、 部下へ明確な言葉で「What:何をするのか?」を伝えます。 加えて「Why:なぜ、するのか?」を言語化して伝えます。 部下の仕事は、 自分の思考と力で「How:どのようにするのか?」を考えて実行します。 部下が行き詰まった時、動きが停滞した時、このような時こそ上司の出番です。 上司が「Why:なぜ、するのか?」仕事の目的を言葉で伝えるのです。 仕事を上位概念で解釈することが、仕事の誇りなのです。 その言葉に、部下は勇気と挑戦と励ましを受けるのです。

まとめ:リモートでの指導力とは「言語化能力」

以上、テキスト(書き言葉)とビデオ(話し言葉)について、それぞれの特徴と落とし穴を3つずつ挙げて、合計で6つを厳選してお伝えしました。 本コラムで伝えたい一言は
これからの時代の指導力は、言語化能力
承認メッセージも、言語化能力です。 適切な注意指摘も、言語化能力です。 仕事の本質をとらえることも、言語化能力です。 もちろん、仕事の説明や指示も、言語化能力です。 パワハラか?指導か?の別れ目も、言語化能力それ次第です。 リモートワークは、部下を遠隔で動かすことです。 ただし、人間は機械のようにスイッチでコマンド(命令)通りに動くものではありません。 どうやって、意志ある部下を動かすことができるのでしょうか? それは、言葉です。全て、言葉なのです。 コミュニケーションのスタイルは、対面からリモートへ、外部環境が変わりました。 部下を動かす指導法も、変わらないといけません。 時代の要請です。 あなたのさらなる挑戦が求められています。 自分を進化させてみませんか? 言語化能力を活かした部下育成法 叱りの達人協会 パワハラ対策専門家 河村晴美]]>

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