【リモート時代の部下育成】間違いを許さない組織が発展しない理由

目次

ミス、失敗、間違いとみなす前提は何か?

部下が行ったことを、上司はミスだと言う。 それは、上司の認識の中に「正解」があり、それと異なることを、ミスとみなしています。 同じく、部下が行ったことを失敗だと上司が判断するのは、上司の想定している成功と異なっていることを失敗と定義します。 ミスも失敗も、間違いと同じ意味合いです。 間違いとは、上司の正解と部下のアウトプットの「間」(ま)が違うということです。
間違いとは、「間」(ま)が違うこと
上司が正解をもっているならば、正解を外すのは、組織ではアウトです。 命の危険を関わる業務、例えば、建築土木、消防、事故災害、工場、鉄道、自衛隊、警察など、このような業務においては、組織のルールに則り、現場のルール、行動基準を守ることは必須です。 ただし、現代において、価値を創造する仕事に関して、上司が正解をもっているのでしょうか? 答えのない時代に、上司が全て言い切れるのでしょうか?
間違いとは、正解の反対語ではない

スティーブ・ジョブズタイプ?それとも、庵野秀明氏タイプ?

NHK-BSで放送された「さようならすべてのエヴァンゲリオン~庵野秀明の1214日~」の中で、庵野秀明氏がこう言っていました。
「ボクがこうだって言ったら、(主要スタッフメンバーから)それ以上は、出てこないでしょ」
組織の中のトップのアイデアが絶対であり、それを実装させるのがスタッフの役割。 このタイプにおいて、まっさきに思い浮かぶのは、アップル創業者のスティーブ・ジョブズです。 彼は、世界へ向けて、携帯電話の認識を刷新しました。 彼自身の頭の中にあるイメージ、アイデアを実装してiPhoneを開発しました。 社会へインパクトを与えるモノ、サービスを想像する道筋は1つではないことがわかります。 トップのタイプも色々です。 いずれも業界の中では怪物、天才。 しかし、スタッフをどうまとめて力を引き出して、アウトプットに結晶化させるのか? 庵野秀明氏は、スタッフたちの「間」を作品に反映、投入させた買ったのではないかと感じました。

ミス、失敗する権利の保証が人を成長させる

ミスは、ダメなのでしょうか? 失敗は、ダメなのでしょうか? 間違ってはいけないのでしょうか? 上記を許さない上司、組織で働く場合、部下メンバーはどうなるでしょうか? 怖くなり、何もチャレンジしなくなります。 ただし、例外もあります。 例えば、医療行為、手術など命に関する場合、致命的なミスは許されないことでしょう。 だからこそ、いざという本番までに何度も何度もトレーニングし訓練しているのです。 そして、いきなり重要な出番ではなく、ステップバイステップで経験を重ねていきます。 徐々に経験を積む。これはどんな仕事でも同じです。 営業においては、社内で商談のロープレをします。 大事なプレゼンであればあるほど、上司が部下にプレゼンのロープレでダメ出しをしてくれます。 そうやって、ミスや失敗を1つ1つ潰していき、より理想の状態へ近づけていくのです。
ミス、失敗する権利の保証が、人を成長させる

ビジネスに活かす「間」とは何か?

「間」(ま)とは、何か?

■時間

落語や演劇、スピーチにおいては、リズムのことです。 特に、沈黙、無言それは時間の空白を意味します。

■空間

空間においても「間」があります。 たとえば、日本の生花は、西洋のフラワーアレンジメントと異なる美意識として、空間の「間」を重んじています。

■ビジネス

では、ビジネスにおける「間」とは何でしょうか? それは、個人がもつ価値観、思考、志向、美意識などを指すと河村晴美は考えます。 ビジネスにおいて、一人のアイデアが秀逸ならば良いでしょう。 組織に天才がいれば良いでしょう。 しかし、そのような人は稀です。 だからこそ、組織においては、1人の天才よりも複数の優秀なメンバーの「間」を尊重し、切磋琢磨して、昇華させる。 それを結晶化することが、組織の醍醐味なのです。 「間」違いを、封印してはいけないのです。 むしろ、上司は「間」違いを活用する能力が必要なのです。
「間」違いこそ、資源

「間」違いを活用するたった一つのこと

「間」違いを見つけると言うことは、反転して「求めている答えは何か?」が浮き彫りになります。 つまり、求めている姿は何か? 「なんかちがう・・・」という違和感は、理想の状態との差異があるために感じることです。 理想の状態とは何か? それを上司と部下が、上下関係ではなく対等の立場で探って行くのです。 違和感をもたらす要因は何か? 我々は、何を求めているのか? それが求めている答えです。 「面倒だな」「そんな時間ないよ」と思いましたか? そうですよね。効率を重視するならば、さっさと部下へ指示命令し強制して動かすのが早いです。 しかし、それは単なる対処療法に過ぎません。 上司は、言葉が少ない指示が楽かもしれません。 しかし、それで部下は動くでしょうか? 聡明な部下ほど、違和感を感じているかもしれません。 聡明な部下の「間」に着目し、明らかにする。 それが、人を活かすという方法なのです。

まとめ:答えの無い時代の歩み方

部下の間違いを許さない組織に発展がない理由とは何か? それは、人それぞれの「間」を活かさないために、組織が硬直化しているからです。 車のハンドルもアイドルつまりあそびがあります。 それが「間」です。 「間」が無いというのは、あそびが無いこと。 つまり、余白がないために硬直化しているということです。 組織がしなやかに動けるように、社員の「間」を重んじる育成をしてみませんか? 叱りの達人協会 パワハラ対策専門家 河村晴美]]>

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