【大企業のジレンマ】コンプライアンスに注力しすぎたら若手社員が不安になってしまった

目次

上司が指導を遠慮すると、優秀な部下は不安になる理由

立派な企業ほど、コンプライアンスに余念がありません。 組織に所属し自分の立場をわきまえる人ほど、ルールからの逸脱行為はしないものです。 だからこそ、優秀な上司は、組織の行動基準を遵守するので、組織から信頼され然るべきポジションを与えられます。 しかし、一方で、はみ出し行為をしないために、リスクを回避するあまり、人材育成においては、部下へ厳しく始動しなくなります。 こういった状況は、「怒られたくない」「叱られたくない」、そして「ほめられたい」という部下にとっては好都合です。
「ほめられたい」は、依存心のあらわれ
「ほめられたい」は、大人のかまってちゃんなのです。 一方で、優秀な部下にとっても、上司から「叱られない」つまり厳しいフィードバックが無いと不信感をもたれかねません。 その理由は、現状不満足で成長欲求が旺盛な部下にとっては、上司のフィードバックが無いと物足りなく感じるからです。 (私は、この状態で大丈夫だろうか?) (上司の視座から見ると、ちがう判断もあるのではないか?) 成長意欲の高い部下は、上司の視座での判断を知ることで、次のステージのシミュレーションをしたいのです。 このように考えると、上司の部下へのフィードバックがどれだけ重要な示唆を与えているのか理解できますよね。 優秀な部下ほど「叱られる」ことがキャリアアップの刺激と受けとめる よって、上司が部下に遠慮して、指導の手抜きを行ってしまうと、部下は伸び悩んでしまうという弊害が生じるのです。

次世代育成しないと専門職部門は行き詰まる

CFO部門は、経営に近い存在です。 数字の矜持を司る大切なポジションです。 高い専門性が要求されるので、早いうちから若手を育てておく必要があリます。 しかし、実際には「パワハラだ!」「リモハラだ」と言われかねないために、ベテランのOJTつまりカバン持ちをさせてもらっていないために、専門職特有の「鼻が効く」財務の目利きの人材を育てることに至っていないのです。

リモート時代だからこそ信頼関係は必要不可欠なインフラ

まずは、上司から率先して、自己開示しましょう。 目的は、指示内容が誤解されないために。そして、部下へ遠慮しないために行うのです。 リモートワークになっても、雑談できる機会は意外とあるものです。 というか、上司が積極的に機会を創り出す工夫が大切ですね。 例えば、わたくしが人材育成のお手伝いをしている企業様では、社内ミーティングの冒頭で「雑談タイム3分間」を実施してみました。 すると、社内ミーティング自体にも参加者からの発言回数が増えたのです。 責任者からも、以下の変化を感じると仰っていました。 ✅会議の責任者の所感
・参加メンバーの思考の特質やプライベートでの過ごし方や趣味、今ハマっていることなどを知ることができる


・1on1の個人面談の時にも、親近感がわいて心を開いてくれているのが実感できる

・部下が重んじている価値観を知ることで、その価値観を尊重する上で、価値観の発露として仕事へ能力発揮するよう伝えると自発的に動いてくれるように変わった
個人と組織の目指すヴィジョンの方向性を合わせることで、部下は自走していくのです。

リモート時代の信頼関係構築方法

では、実際に行った会議冒頭の「雑談タイム3分間」のやり方です。 ✅雑談タイムの導入方法
・社内ミーティングの開始冒頭の3分間で行う

・定例ミーティングやアイデア出しの会議と親和性が高い

(ただし決断する場合など、会議の種類によっては、やらない方が良い場合もある)

・事前に参加者へ伝えておく

・司会進行のファシリテーターは、会議の責任者ではなく、若手にさせる

・テーマは、仕事以外かつ誰もが話せるテーマが良い

(最近はまっていること、好きな食べ物、など)

・話した人へ、ポジティブフィードバックを行う

(例えば、チャットに書き込みをする。
 いいねボタンの連打、888888の連打(パチパチパチ拍手のサイン)
最初は参加者も戸惑うかもしれません。 (こんなことを言ったらバカにされるのではないか?) と警戒心をもつかもしれません。 そのような時は、上司が率先して、うっかりさんの失敗ネタとかを披露し、ハードルを下げるのも一手です。 何を言ってもバカにされない。 大切なことは「心理的安全性の確保」です。

コンプライアンスの弊害

「仏作って魂入れず」とことわざがあります。 コンプライアンスの目的は、関係者が自分も他者も尊重されている。 人権尊重を約束するためのものです。 能力発揮して、組織そしてその先にある社会へ貢献したいと思わない人は、あなたの会社にはいないはずです。 誰だって、自分の存在を最大限に活かして、生きていることを周囲に認めてもらいたいと感じています。 コンプライアンスにがんじがらめになって、部下の能力発揮のきっかけを封印することは避けたいものですね。 大切なことは、根本に立ち返ることです。 何のために、コンプライアンスがあるのか? 自分は、組織からどんな役割を期待されて、今のポジションにいるのか? 少し立ち止まって、自己内省してみませんか? 叱りの達人 パワハラ対策専門家 河村 晴美
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