他人の操作ではテコでも動かない部下が動いた瞬間

「あ〜、もうどうしようもない部下だなあ」 「この前、言ったばかりじゃないか!」 「何度も何度も、同じこと言わせるな!」 そして、最後には部下への教育自体をあきらめてしまったりしていませんか? そのお気持ち、よくわかります。 かつての私もそうでした。 そんな時は、問題に頭を突っ込んで考えても、負のスパイラルでますますイライラするだけなのですよね。 で、どうするか?と言うと、気分転換。 これ、大事です! 先日、久しぶりに録画された映画「ローマの休日」を観ました。

目次

映画「ローマの休日」に学ぶ、行動変容の方法

恋愛映画ではなく、あくまでも人がどのように行動変容していくのか? という視点で観てみました。 オードリーペップバーン演じるアン王女は、ローマでの滞在中のお屋敷を抜け出して、庶民の生活を通して自由を堪能しました。 船上パーティでは、アン王女を追ってくるSP(スペシャルボディガード)をギターで殴るという荒技をやってのけたり・・・ かなりお天馬な姿でしたが、しかしアン王女は自らの意志で抜け出した屋敷へ戻って行ったのでした。 その後の振る舞いは、それまでの幼くわがままな王女様とはまるで別人でした。 女性教師へ自分の意志をはっきり伝える大人のレディに変わっていたのでした。 その態度と表情、言葉には、毅然とした自分の意志が宿っていたのです。 なぜ、このように急に変わったのでしょうか? その理由は、役割を引き受ける覚悟を決めたからでしょう。 まさに、肚がすわったということです。
人は、いかにして主体的に行動するようになるのか?
これは、まさに人を育てる、教育の本質ですよね。

上司は部下育成のポイントがズレている

上司は部下へ「どうしてできないんだ!」と言いがちです。 しかし、残念ですが、部下へできないことを責めてもできるようにはなりません。 部下が上司が言っていることができないのは、何か原因があるはずです。 ✅部下が、上司が教えたことができない原因
原因①:聞いたつもりが忘れている

原因②:聞いたけれど、理解していない

原因③:理解したけれど、実践できない

原因④:理解したけれど、実践するのを忘れた

原因⑤:実践を求められているのはわかっているが、なんかやりたくない

原因①:聞いたつもりが忘れている

部下本人がセルフチェックするように、心構えではなく仕組みを作りましょう。

原因②:聞いたけれど、理解していない

もう一度、上司が説明して、本人に復唱させたり書面に書かせたりして理解度を確認しましょう。

原因③:理解したけれど、実践できない

実践の方法をOJTで指導しましょう。

原因④:理解したけれど、実践するのを忘れた

心構えではなく、仕組み化しましょう。 仕組みづくりは、上司が考えるのも良いですが、本人に考えさせるのも一手です。 または、何度も散見される場合は、何か心にひっかかっているいることがあるケースが考えられます。

原因⑤:実践を求められているのはわかっているが、なんかやりたくない

何かブレーキになっていることが心にある可能性があります。 プライベートの心配事、または上司への拒絶や会社への不信感などがあるかもしれません。 「できない」を責めるより「できる」ようになるために指導する

部下のサインをキャッチアップしよう

部下が上司の指示をきかないのは、何かのサインです。 それは、拒絶や反発など、何か納得できないことなど、何か訴えたいことがある可能性が高いです。 この状況では、上司がどんなに注意指摘や叱り方を実践しても、部下には届きません。 信頼関係の土台づくりから行わなければ、部下の心にメッセージは届かないのです。

信頼関係構築のシンプルな3つのステップ

何度注意しても行動が変わらない部下へは、上司はゼロから信頼関係を構築するコミュニケーションを行う必要があります。 ✅信頼関係構築のシンプルな3つのステップ
①笑顔

②うなづく

③一緒に笑う
頼関係構築のシンプルな3つのステップは、とてもシンプルですがかなり強力です。 ・部下と対面するときは、笑顔で接する・部下の話には、うなづいて聴く (オンラインでは、ビックリするほどに無表情な人が多いです) ・一緒に笑うと、朗らかでプラス感情が共有できます 映画「ローマの休日」では、見事な対比で描かれていました。
(室内)宮殿の中:
執事や使用人は皆しかめっ面
機械的で規則に則った生活
(室外)市街地:
新聞記者とその友人とのふれあいは楽しく笑顔
人間味がある
上司が部下へ笑顔で接することは、部下の心をひらきます。 相手が心をひらかない状況で、信頼関係は築けないのです。

人は「言っても変わらない」けど「気づいたら変わる」

「何度言ったらわかるんだ!」 ついつい、言ってしまいがちですよね。 しかし、このセリフが機能しないのは、誰よりも上司がわかっているはずです。 では、どうしたら良いのでしょうか?
人は、言っても変わらない。 
 しかし、気づいたら変わる。
部下が、何度言っても変わらない場合は、何か他に原因があるかもしれません。 なので怒って責めるのは逆効果です。 それよりも、何か困ったことがあるのかどうか?聞いてみましょう 「何か困ったことがあるの?」 「君らしくないんだけど、何かあった?」 「ローマの休日」オードリー・ヘップバーン演じるアン王女は、最後は自らが決意して宮殿へ帰っていきました。 その夜から、アン王女は自分の役割を決意したかのように、子供扱いする女性家庭教師を毅然とした態度で応じました。

まとめ

あらためて、ビジネスの現場に話を戻しましょう。 上司から見ると、部下は頼りなく心許ないかもしれません。 しかし、上司が部下を不信感で接すると、部下も上司を不信感で応じます。 部下へ注意指摘しても、行動が改善しないのは、部下は上司へ心を閉ざしているかもしれません。 「何を伝えるか?」スピーチスキルを磨くより、説得力を磨くより、大事なことがあります。 それは、敬意 です。 今までの自分の態度や言葉から、相手に敬意が伝わっているのか? まず、自分で気づくことがスタートですね。 未来思考で、発展的内省つまり気づいてみませんんか? 叱りの達人 パワハラ対策専門家 河村 晴美
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