実は「わかりやすい」は飽きられるジレンマ

目次

「わかりやすい」は、果たして本当に良いのか?

「賢いとは、難しいことをわかりやすく伝えることだ」 よく聞きますよね。 確かに、難しいことをわかりやすく説明してもらえると、素人としてはありがたいです。 しかし一方で、人間は分かってしまった途端に、興味がなくなるという一面もあります。 ちょっとやそっとでは落とせない難攻不落のジャンルに挑戦することに喜びを見出すことだってあります。 すぐに手に入ると、有り難みも感じられません。 何より「わかりやすい」は、誰でも入手可能なので、希少性は無いのです。 ビジネスにおいて、コンテンツを提供する側か?それとも受け取る側か? よくよく考える必要があります。 「わかりやすい」は提供側と受け取る側それぞれの立場によって意味合いは全く異なるのです。 ✅「わかりやすい」について
・コンテンツ提供側:サービス精神として重要
・コンテンツを受け取る側:誰もが知るので希少性無し
かしこい人はお気づきのことでしょう。 コンテンツを受け取るときの判断として「わかりやすさ」を求めていると、いつまでたってもコンテンツ提供側に回れないということです。 なぜなら、情報は広く流布されて希少性はほとんどゼロなので。 そして、誠実なコンテンツ提供者ならば「わかりやすい」よりも「難しいことがおもしろい」ととらえるようにお客様を教育していくことが重要なのです。 ✅誠実なコンテンツ提供者とは
真の顧客教育とは、「 難しいことを、おもしろい! 」 へ

「わかりやすい」の落とし穴

みんなが知っていることでは、ビジネスになりません。 例えば、YouTubuで無料公開されていることは、すでに広く普及されている情報です。 インターネットで検索すれば、ありとあらゆる情報が得られます。 情報はタダで手に入るのです。 ただし、その情報の使い方は人それぞれです。

知識ではなく知恵の勝負

知識は、知っているかどうか、です。 知恵は、現場で使えるかどうか、です。 知恵は、実行実践することで集積されていくのです。 そのためには、知識を基にして「考える」ことが重要です。

正解を与えらるよりも「考える余白」がおもしろい

人間は、すぐに「わかる」ことには興味は湧きません。 誰かが出した答えは思い入れが無いので、すぐに忘れてしまいます。 「わかる」になかなか到達しない苦労が記憶させます。 そのプロセスがおもしろいのです。 「こうなんじゃないかな?「あれかもしれないな」と考える余白がいわゆるあそびなのです。

常識を疑え「わかりやすい」に振り回されない

わかりやすい本は、読みやすいです。 しかし残念ですが、そのような知識やテクニックは、社会構造が変われば途端に陳腐化して通用しなくなります。 また、一過性の知識なので応用が効きません。 一見すると「わかりやすい」は良いイメージを持ちます。 しかし一旦立ち止まり「本当にそうなのか?」と考えてみると別の側面が見えてきます。

「わかりやすい」より違和感が心に残る

他者へ伝えるときに「わかりやすい」話し方は喜ばれます。 しかし、ビジネスにおいて、相手の心にくさびを打ち記憶に残るインパクトを与えたいときがあります。 例えば、プレゼンや商談、面接などです。 特に、競合がいる場合は、印象に残らないと判断の土台から漏れてしまいます。 そのようなときに有効なのが「違和感」です。 例えば、「ルールは破られるためにあるんですよ」と言ったらどうでしょうか? 「えっ?そんなこと言っていいの?」と驚きますよね。 実は、これはフランス哲学者バタイユの有名な言葉なのです。 「禁止は侵犯されるためにある」 また、今や世界で人気を博しているMUJI。無印良品は、1980年代に西友のプライベートブランドとして立ち上がりました。 その当時に社会構造は、商品にメーカーの名前がプリントされたものがほとんどだったそうです。 その常識(テーゼ)にアンチテーゼつまり真逆のコンセプトとして「印の無くて、良質な商品を作ろう」が立ち上がったのでした。 今や、世界で約900店舗、国を越えて愛される立派なブランドです。

既存の考えを疑ってみる

「わかりやすい」は本当に良いのか? 誰かが言っていることに無自覚に踊らされるのではなく「それって本当?」とゼロベースで考えてみる。 物事のとらえ方を変えると、自分の考えが見えてきます。 「自分の意見が持てない」 このように感じる人は多いですが、意見を持つためには、まずは当たり前と思われていることに疑問をぶつけることで思考してみましょう。 もちろん、このコラムについても「本当かな?」と疑ってみて下さい。 ただし、疑う精度を高めるためには、自らが行動して検証することです。 思考と行動の循環を高速化させること。 これが、質の高い思考の出発点ですね。 叱りの達人 パワハラ対策専門家 河村 晴美
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