【怒りを止めるな!】でも、怒りの感情がコントロールできないと人生が破滅する

こんにちは。NHKクローズアップ現代にも放映された「叱りの達人」河村晴美です。

怒りの感情がコントロールできないと、良い人間関係が構築できないために孤立してしまいます。

「あの人が悪い、世間が悪い」

こうなると、どんどん被害者意識が増幅していき、ますます人が遠ざかってしまいます。 ラストは、ひとりぼっち・・・これではあまりにさみしすぎますよね。

目次

人気お笑い芸人みやぞんさんへ若者の賞賛「自分の機嫌は自分でとる」

先日2021年4月22日に放送された日本テレビ「世界の果てまでイッテQ」で、お笑い芸人みやぞんさんがロケ中に放った言葉に、多くの若者から共感と賛同がしめされました。

その言葉とは

「自分の機嫌は自分がとる」

みやぞんさんが出演したコーナーのロケは、インド北東部にある滝を目指して11日間に及びました。

中でも最も苦しいかったのはラストの滝まで6000段を上がらなければならない行程。 カメラマンの足はつり、通訳の男性は逃げ出してしまうほどの過酷な行程だったそうです。

それを、みやぞんさんは自分を励まし笑顔で上りきりました。 過酷な長旅にもかかわらず、グチや文句を言わず、周囲に八つ当たりすることもいっさいありませんでした。

むしろ、この過酷な状況に感謝する姿勢を示したことで、多くの若者から賞賛されたのです。

「こういう人にボスになってほしい」

怒りの感情を待ち散らすと人生が崩壊する

一方で、自分の不機嫌を撒き散らす人もいます。 不機嫌とは、つまり怒りの感情のことです。

あなたの周囲、例えば、地域や学校、職場などで怒りの感情をコントロールできない人はいませんか?

怒りの感情をコントロールできず、周囲へ撒き散らしてしまうとどんなデメリットがあるでしょうか?

✅怒りの感情がコントロールできないデメリット

・人間関係が悪化する

・嫌われる、疎んじられる

・孤立する

・放置、放任、放棄される

・助けてもらえない

・教えてもらえない

・スキルアップできない

では、怒りの感情を封印するとどうなるでしょうか?

✅怒りの感情を封印するデメリット

・ストレスが溜まる

・ノイローゼになる

・エネルギーが削がれる

意外に思うかもしれませんが、怒りの感情を押し殺してしまうと、躍動するエネルギーが削がれてしまうのです。

「6秒ルールは使えない」という誤解

怒りの感情をコントロールするために、6秒間じっと待つという方法があります。

しかしながら、残念なことに

「6秒たっても怒りの感情がおさまらない」 「むしろ、怒りが増幅した!」 「6秒間で、何を言って仕返ししようか考えていた」

という声も、よく聞きます。 本質を理解せずに行うテクニックは、百害あって一利なしです。

6秒間、単純にカウントダウンするのではありません。 6秒間で、怒りを消し去るのでもありません。

目的は、6秒間で「自分の何を刺激されているのか?」原因を突きとめる探求を行うのです。

本質を理解せずに、単にやれば良いというテクニックは、むしろ悪害です。

なぜ悪害かというと「せっかく行っても効果が無いじゃないか!」方法そのものが役に立たないと疑ってしまうからです。

本当は、有効なはずの方法なのに・・・。

足らないのは、目的の理解であり、本質、奥義と方法論がセットになっていることの類推なのです。

怒りの効能を活用する

実は、怒りとは、現状の「不」満足なのです。

怒りとは、現状の「不」満足

たとえば、今、SDGs(Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標))が国連加盟国193カ国で取組みが推進されています。

この取り組みの根本は、「このままで世界は良いのか?」という問題提起です。 つまり、現状を肯定せずに、現状は問題あり!と言っているわけです。

そして今、世界中の社会課題を解決するために、多くの人が立ち上がり活動を始めています。 日本でも若者が仲間と取組みを始めたりしていることがメディアで取り上げられています。

「先進国だけが享受していて、発展途上国に不利益を押し付けている状況って、おかしくないか?」

「貧困、飢餓、健康と福祉、質の高い教育、ジェンダー平等、あ安全な水とトイレ、エネルギー問題、働きがいと経済成長・・・」

これが、現状を「不」満足ととらえていることです。 「不」満足とは、問題意識といっても良いでしょう。

問題意識とは、あるべき姿になっていないことへの怒りが根源にあるのです。

よって、怒りのエネルギーは、ビジネスや何かを作り出すことにおいては、とても大切なエネルギー源になるのです。

怒りのエネルギーを封印するのはもったいないことです。 では、どのようにすれば、怒りのエネルギーを活用することができるのでしょうか? ✅怒りのエネルギーの活用方法
怒りのエネルギーは、自分個人の感情から、世の中に役立つ共感へ変換させる

怒りのエネルギーの効能:ケース① 世の逸材を育てるための原動力になる

吉田松陰は、松下村塾の弟子たちへ「君たち、狂いたまえ」と言いました。 吉田松陰自身は、わずか30歳で牢屋敷で斬首刑に処せられました。

しかし、伊藤博文、高杉晋作、山縣有朋などの弟子たちによる、明治維新そして明治政府での活躍ぶりは有名です。

怒りのエネルギーの効能:ケース② みんなの不満がビジネスになる

また、一世風靡した、はづきルーペのCMを覚えている人も多いことでしょう。

渡辺謙さんが放ったセリフ「こんな小さな文字、読めない!」と怒っている姿、インパクトありましたよね。 あのCMで多くの共感を得たのは、小さな文字が見えない、日常生活の不便、不満への怒りです。

商品開発して大ヒットを生んだというストーリーが、まさに怒りのエネルギーを活用した成功事例であり、ビジネスは、社会課題の解決なのです。

なぜ、怒りがわいてくるのか?

なぜ、わたしたちは怒りの感情がわいてくるのでしょうか?

実は、怒りの根源には、何か守りたいものがあるのです。

✅たとえば、守りたいものが自尊心やプライドの場合

・バカにされたら「私のほうがエラいんだ!」といばりたくなります。
・軽んじられたら、相手を攻撃したくなります。
・相手の方が上だと見せつけられたら、敗北感や劣等感を感じて怒りがわいてきます。

怒っている人は、何かを守りたいと必死になっているのです。

しかし、怒りの感情に巻き込まれていては、自分を見失ってしまいます 。 これでは、どうしたって怒りの感情から解き放たれずに、自分が苦しいだけです。

苦しさから逃れるためには、どうしたら良いのでしょうか?

怒りの感情が悪いのではない

怒りの感情が悪いのではありません。

怒りの感情は、人間ならば、どうしたって湧いてきます。

弘法大師 空海はこう言いました。

「誰かをなぐりたいことってあるよね」

その気持ちを無くすことはムリ。ではどうすれば良いのか?

空海曰く

「それは、怒りを無しにするのではなく、有ると受け入れることで、どうすれば相手との関係を壊さずにできるかを考えることだ」

と説きました。

現実的で、合理的思考です。

怒りのエネルギーの下手な使い方、上手な使い方

怒りの感情が悪いのではなく、怒りのエネルギーの使い方に問題があったのです。

使い方の下手と上手のちがいについて、以下に説明します。

怒りのエネルギーの使い方

■下手な使い方とは、怒りをそのまま他者へ向けること

■上手な使い方とは、自分の成長に活用する
下手な使い方、上手な使い方で、メリット・デメリットが生じます。

✅怒りのエネルギーの下手な使い方のデメリット

・相手を傷つける

・パワハラになる

・自分の評価が下がる

・孤立する

✅怒りのエネルギーの上手な使い方のメリット

・現状不満足つまり課題の発見にする

・自分の能力アップに活用する

・我ごとを起点として、みんなの事に巻き込みリーダーシップに活用する

怒りのエネルギーは強力です。よって、かなりの起爆財になりえます。

だからこそ、封印するのはもったいない。

怒りのエネルギーは、使い方が大切なのです。

怒りのエネルギーの上手な活用方法:I love Me から I love You へ

怒りのエネルギーの上手な活用には「視点を変える」ことです。

自分目線のI love Meから、構造目線の I love You へ

怒りの感情に巻き込まれている状態は、自分目線になっているのです。

その状態から脱却するために、以下の順番で視点を変えましょう。

✅怒りのエネルギー活用のための3つの視点を移動させる

第1の視点: 自分(実存)

第2の視点: 他者(構造)

第3の視点:メタ認知(全体を俯瞰し、自分の思考のクセからの脱却)

第1の視点: 自分(実存)

実存とは、自分のことです。

まずは、怒りの原因を探りあてましょう。

このとき大切なことは、怒りを封印しないことです。

怒りの感情も自分を構成する尊いものと扱うことで、自己尊厳が保たれるのです。

第2の視点: 他者(構造)

「他者から自分はどのように映っているのか?」を類推します。

自分が守りたいことがあるのと同様に「他者が守りたいことは何か?」を考えます。

第3の視点:メタ認知(全体を俯瞰)

メタとは「〜を超えて」という意味です。

メタ認知とは、全体を俯瞰することに加えて、いつもの自分の認知(思考のクセ)を超えた視点も含みます。

ここでのメタ認知とは、以下のような視点です。

✅メタ認知とは何か?
・他者と自分の関係性、環境を分析する

・「何が、自分に怒りを起こさせているのか?」

・怒りの根源には、どのような価値観が潜んでいるのか?

・教育、お金、成功、規則、正義などの価値観をを構成している社会背景はどうなのか?

・他者と自分が信じている価値観は、何が似ていて、何がちがうのか?

 そのちがいをもたらすお互いの信念は、何に基づくことなのか?  

など

上記をふまえて、一番大切なことは「で、どうするのか?」怒りのエネルギーを活用することなのです。

怒りのエネルギーを上手に活用する

これが、自己尊厳を高めることなのです。

まとめ:怒りを止めるな!

怒りのエネルギーは、強力です。

だからこそ、使い方をまちがえてはいけないのです。

怒りを封印すると、ストレスがたまり、ノイローゼになります。

かといって、怒りをそのまま他者へぶつけると、他者との関係性が悪化して、結果的に自分にもデメリットが発生します。

怒りのエネルギーも大切な自分の一部です。

怒りを認めることも、自己尊厳を高めることの1つなのです。

怒りを認めて活用すると、自己尊厳も高まっていく

世の中の進歩のために、人々の幸せのために、現状不満足を掲げて、大いに怒りましょう!

ただし、怒りのエネルギーはくれぐれも御用心を。まちがったら、途端にパワハラと誤解されますので。

*** 叱るとは高抽象の気づかい ***

叱りの達人協会 パワハラ対策専門家 河村晴美

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