部下が自信を失う原因と動物の防衛本能の共通点とは?

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採用事務でモヤっとしたこと

以前に、契約社員として採用業務の仕事をしたことがあります。 その時、モヤっとしたことがありました。 「なぜ、入社前に熱く志望動機を語っていたのに、入社し配属されると、急に元気がなくなるのだろうか?」

部下が自信を失う原因と動物の防衛本能の共通点とは

さて、ちょっと話は変わります。 動物が危険を察知したときの反応には、3つあります。 ✅動物が危険察知した時の反応3種類
①闘う

②逃げる

③立ちすくむ
①は、反撃、攻撃に転じることです。 ②は、例えば、ライオンなどの肉食動物から逃げる草食動物です。 ③は、夜道に、車道の真ん中で、走ってくる車のライトに驚いた猫や狸が動けない状態のことです。 上記の3種類の危険察知した反応は、人間も同じです。 職場で考えてみましょう。 ✅上司に威圧された時の部下の反応
①闘う=「パワハラだ!」と声をあげる

②逃げる=退職する

③立ちすくむ=思考停止、行動停止になる

①闘う=「パワハラだ!」と声をあげる

部下が「パワハラだ!」と声を上げるのは、泣き寝入りしたくないからです。 問題を明るみにして周囲に認知してもらいたいという意図です。 これは、怒りのエネルギーです。 怒りのエネルギーは強力です。 だからこそ、もっと効果的に活用すれば良い方向に向かうのに、とてももったいないことです。

②逃げる=退職する

今の職場、上司、組織全体について、イヤになった、不愉快、許せないという気持ちから、環境を変えたいと思うのです。 採用コストがかさむ一方です。 経営の観点からも、放置できない問題です。

③立ちすくむ=思考停止、行動停止になる

上司から怒られたり、威圧的態度で説教されると、思考停止になる部下がいます。 これは、フリーズ状態。 能の思考も手足を動かす行動も固まってしまう状態です。 せっかくの人材なのに、パフォーマンスが悪いのは、経営資源を活かしきれていません。 上司の部下育成がうまくいっていないために、組織の大切な資源である部下をムダ使いしているのです。

なぜ、部下は挫折するのか?

危険を察知すると、自己防衛本能が刺激されます。 壁を乗り越える挑戦どころではありません。 自己突破(ブレイクスルー)の真逆、自分を守る行動に出ます。 よって、上司は部下を危険にさらしてはいけないのです。 ただし、危険にさらしてはいけませんが、いつまでも緊張感のない温室で安全圏にいると、能力開花の機会を失ってしまいます。

生存者バイアスは多様性に欠ける

ベテラン上司がよく話す体験談です。 「俺の時代は、怒られて修行したものだ」 こうして鍛えられて出世した上司ほど、他人もそうであるはずと思いがちです。 環境に適合したタイプは生存確率が高いです。 なので、数々の修羅場をくぐり抜けてきた猛者にとっては当たり前かもしれません。 勝者しか残らないために、通過過程で漏れたケースが埋もれてしまう懸念があるのです。 よって、上司は自分と異なるタイプの部下がいることを忘れてはいけないのです。

部下を挫折させないための質問3選

では、部下が挫折しないために上司はどうしたら良いのでしょうか? 上司が、スピーチスキルを磨くことは大切です。 その効果は、声かけ、注意指摘、説明、体験談、例え話などに良い効果をもたらすことでしょう。 しかし、それよりも優先するべきことがあります。 それは、部下に当事者意識を高めてもらうことです。 部下自身が、仕事の主人公として自覚すれば、責任感が芽生えるのです。 よって、部下に「自分がやらないと!」と逃げない姿勢にセットアップさせるために、部下へ質問するアプローチをとります。 ✅部下を挫折させないための質問3選
①意図を聞く

②3歩先を聞く

③気づきを聞く

①意図を聞く

■現在に焦点を当てる 意図を聞くことは、今現在に焦点を当てています。 ■質問例 「きみのとった行動の意図は何?」 「何のために、そうしたの?」 ■目的 なんとなく行動することが最もダメです。 目的なき行動は、行き当たりばったりで、ギャンブルと同じです。 意図を明確にして行動する習慣を身につけさせるために、質問をしましょう。
目的なき行動は、悪

②3歩先を聞く

■未来に焦点を当てる 3歩先を聞くことは、直近の未来に焦点をあてています。 ■質問例 「この行動をとると、次はどんな展開になると予想してる?」 「どんな状態にしたいと考えてる?」 ■目的 5年10年先のことは、今の時代、誰にとっても予想できません。 場合によっては、今の会社にいないことだってあります。 3年先のことは、定期面談で行うテーマです。 日常の仕事で扱う未来は、直近のことが良いです。 今着手している仕事の3歩先について、あるべき状態を聞き出します。 その状態から現時点に逆算して、着手すべき行動を挙げていきます。

③気づきを聞く

■過去に焦点を当てる 気づきは、今に至るまでの過去を振り返ることです。 ■質問例 「今回の仕事から、どんな学びが抽出できますか?」 「次に活かせる気づきは何ですか?」 ■目的 全ての経験は、次に活かすことができます。 失敗もミスも、気づきを抽出しないと、成功の種になりません。 ムダな活動にするかどうかは、気づきの抽出の精度次第です。 全てのことを無駄なく学びに転化させれば、失敗を怖がったり自信を失う必要はなくなります。

防衛本能を未来の先読み能力に変える

攻撃されたら、自己防衛をします。 ただし、人間は動物と異なり、未来の危機を先読みして、備えることができます。 先読みとは、仮説をたてて、あらかじめ備えることです。 部下に甘く接することで、部下の能力を骨抜きにしてはもったいないです。 危機に備えて先読み能力を磨くことで、部下に逃げずに自信をもたせましょう。 叱りの達人 パワハラ対策専門家 河村 晴美
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