部下の意思に頼らない人材育成は「構造を作ること」

目次

人を夢中にさせる構造

いやあ〜、まいりました。 本当はやるべき仕事があったのに…。 なぜ、途中でリモコンの停止ボタンを押して、仕事に戻れなかったのか? それは、人を引き込み魅了する仕かけがあったのです。 その映画とは 「プラダを着た悪魔」 映画の内容は、私が語るのは無粋なのでググってみてください。 さて、今回の一番大きな気づきとは
人間は自分の意思で動いていない。構造に動かされている
服の機能は、暑さ寒さから身を守るためです。 また、社会通念に基づくと、人前で裸でことは法律違反になる場合が多いです。 なので、社会に迷惑をかけないために、また自分の健康のために、何かを身にまとっていれば良いのです。 しかし、現代では、服はそれ以上の機能と価値が一人歩きしています。 ✅洋服について、実質的な機能以外に、意味を見出すとしたら、例えば以下が考えられます。
・誰かとちがう、自分の個性の発信手段である
・自分の生き方や価値観を、服で示す
・高級ブランドを身につけることで、自分も値打ちが高いと見せたい

現代思想家が看破した「記号消費社会」

このような現代社会を、ある思想家がこう言いました。
私たちは記号を消費している    (ボードリヤール)
私た地は、記号消費社会の中に巻き込まれているのです。 なぜ、その服を着たいと思ったのか? それは、 ・お店のショーウインドーに飾られていたのを、たまたま見かけたから ・雑誌で、好きな有名人がキレイに着こなしていたから ・SNSで発信しているのを見かけたから どこかで見たから、欲しくなったのではありませんか? あなたの「欲しい」は、内面から発信されたのは見せかけです。 あなたの「欲しい」は、外部からの刺激で生まれたのです。

人間に意思はない

今までは、人間に自由意志があると考えるのが当たり前でした。 しかし、逆に考えるほうがスッキリします。 私たちは「何かに動かされている」 ダイエットでは、美味しいものが目の前にあるのに食べるのを我慢するよりも、美味しいものが目に入らない環境を作るほうがラクです。 部下を仕事に専念させるには、感情や気合いに頼るよりも、仕組みを変えるほうが効果があります。 何より、上司のストレス度は格段に下がります。 というのも、怒る機会が減るのですから。

「記号」に踊らされないために

念のために、誤解しないでください。 先ほど、ボードリヤールが看破した「記号消費社会」について書きましたが、消費がいけないということではないのです。 時代によって、価値観や倫理観は変わります。 人によって、良し悪し、善悪の判断は変わります。 現実として、現代はさまざまな魅力的商品に溢れています。 口コミ、ネットのレコメンド、友達とのおしゃべり…ありとあらゆる情報の接着面で、勧められます。 これらが決していけないとは言っていません。 むしろ、企業ではマーケティング、大事なお仕事です。 ただし「それが、分かっているのかどうか?」が大事ですね。 自分を見失ってはいけないのです。

部下が変わらない上司の特徴

「なんで、お前はもっとできないんだ!」 人間の意思を過信すると、部下を責めたくなります。 部下ができていないと感じるならば、できるように環境を整えましょう。 仕事の流れ、やるべきことの型の作成、時間管理、目標設定… 現場で見かける、部下が変わらない上司による指導法は、精神論でおおざっぱです。

部下を変えるには「構造」にアプローチする

部下に成果を出させるためには、実は意識改革の前に、行動改革です。 それも「構造を変える」ことです。 仕事をこまかく区切り、できたら褒める。 できていなかったら、直ちにに改善行動を指導する。 人間は、うまくできたらうれしくなってさらに行動強化します。 部下に、早く「うまくできた実感」を実感させ、行動定着させる秘訣ですね。 映画「プラダを着た悪魔」を観て、つくづく人間は弱いなあと実感しました。 ちなみに、やるべき大事な仕事とは、京都女子大学のオンライン講座の動画制作。 もちろん「プラダを着た悪魔」の気づきを講義に盛り込みました。 女子大生には、ファッションや映画の話で興味をもってもらえました。結果良しです。 さて、部下をもつ上司のあなたへ、個人の意思を過信せず、構造にアプローチしてみてください。 本コラムをヒントに、気持ちよく部下を動かしていきませんか? 叱りの達人 パワハラ対策専門家 河村 晴美
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