【現代哲学の思考法】日本人の思考特性が表れている「いい天気ですね」

目次

「いい天気ですね」って誰目線?

良し悪しは、誰かの価値基準の物差しによる判断です。 なので、晴れているから良い天気ではありません。 晴れてほしい人にとっては、晴れ=良い天気です。 一方で、雨が降ってほしい人にとっては、雨=良い天気です。 稲作が盛んであった時、日照りは死活問題です。 雨乞いして、ほんとに雨が降ったら、村人みんなでお祝いをしました。 20年ほど前、わたくしがエジプトへツアーで旅行した時、地中海沿岸の都市アレクサンドリアへ行った時のことです。 乾季でした。3ヶ月くらいずっと雨が降っていない時でした。 そんな中、ツアーバスでアレクサンドリアへ入った時に、急に空が暗くなりザザーッとスコールのような大粒の雨が降り出したのです。 エジプト人の運転手さんは「日本人が恵みの雨をもたらしてくれた!」と喜んでくれました。 街中に到着し、私たちがバスを降りる時には、スコールは止み、真っ青な空には虹がかかっていました。 アレクサンドリアの街の人にとって、乾季の雨はまさに歓喜!いい天気でした。

価値観のちがいを受け入れる

自分と他者の好み、重んじること、価値観が同じであると思うのは他者を尊重していないことです。 ちがうのは当然です。 自分とちがう人がいるから、自分の強みは他社ではできない価値が生まれます。 ちがいを尊重するから、適材適所でチームが強くなります。

他者の価値観を受け入れる“前”にすること

「何がちがうのか?」 差異をあきらかにする。そのために、質問するのです。 「なぜ、いい天気だと思うのか?」 もしかしたら、雨が降った時にそう言った場合「実は、マラソン大会の練習、サボりたかったんだよね」と言うかもしれません。 または「キミと一本の傘に一緒に入りたかった」と思っているのかもしれませんね。 なぜそう思うのかに興味を持ち質問すると、こちらの想定を超える理由が発見できたりして、より一層その人の理解が深まります。

天気を話題にするとはどういうことか?

人と会ったときにあいさつを交わし、そして「いい天気ですね」と天気を話題にする。 日本人はよくこの流れで話が始まるのですが、おもしろいと思いませんか? 私のことではなく、あなたのことでもなく、自他を超えた自然のことを話題にするんですよね。 哲学では、人間を「実存」と言います。 実存の外の世界を構成しているものを「構造」と言います。 日本人は「実存」ではなく「構造」に目を向けているのです。 これは、主観ではなく客観の視点を気づかないうちから習得しているのです。 自他そして人間のエゴを凌駕するのが、自然の力です。 圧倒的な力をもつ自然の前では、人間はちっぽけな存在です。 しょせん人間が行うことなんて、たかが知れています。 小さなことに悩んでいても仕方がないですね。 おおらかに、なるように成していくように、無駄とわかっていてもベストを尽くす。

現代哲学の「概念の創造」ビジネスの「コンセプト」

せっかくの人生ですから、精一杯生きる。 どうあろうとも「いい天気ですね」と思えるように意味づける。 現代哲学でいう「概念の創造」とビジネスで言われる「コンセプト」は同じことす。 意味づけは発想次第です。 「いい天気ですね」をどう解釈するかも自由です。 わたくしは、やっぱり「晴れ」だなあ。晴れて美しい空を見上げていたいです。 でも、しとしと雨も気持ちが鎮まるので良いですよね。 結局はどっちもアリ・・・です。 あなたは「いい天気」をどう定義しますか? ***叱るとは使命感の愛*** 叱りの達人協会 パワハラ対策専門家 河村晴美]]>

よかったらシェアしてね!