「自分で考えない」部下の動かし方まとめ厳選4つ

現代は、正解のない時代です。
唯一絶対の正解はありません。

さらに、問いそのものを自分で発見し設定することが、仕事を創造するということです。
問いを発見し、解決のために仕事を仕込む。

これが、現代を生き抜くビジネスパーソン全員に必須の仕事を創造する力です。

答えが無いということは、ある意味では暗中模索と言っても良いでしょう。
このとき、必要なことは危機管理能力です。

危機管理能力とは
【危】 危険を察知し、問題が起きないよう未然に防ぐ
【機】 機会を逃さないように、準備して仕込み、他の追随を許さないよう仕掛ける

「危険はピンチ。機会はチャンス」
危機とは、ピンチもチャンスも両方を指している言葉なのです。
全ての変化の兆しを「危機」と受けとめることがビジネスセンスです。

全ての仕事は、知的生産

現代における仕事の全てに価値が求められています。価値とは「考える」ことで、付加されるのです。

目次

なぜ、部下は自分で考えないのか?

「なぜ、部下は自分で考えないのか?」

優秀な上司ほど、部下の行動にジレンマを抱えています。

(どうして、何でも聞いてくるのだろうか?)

それは、上司が部下へ正解を考え提供していたからです。
部下が考えないのは、上司が課題を設定して、上司が正解を考えて、提供しているから。つまり、すべての思考プロセスを上司が担っていたために、部下は自分の頭を働かせる必要がなかったのです。

考えるとは何か?

考えるとは、自分の意見を持つことです。思考という言葉は、思う+考える です。

思考=思う+考える

■「思う」は、主観(私)の主張です。
「私は、こう思います」

■「考える」は、主観を裏付ける根拠が加わります。
考える=主張(思う)+理由+事実
「私は、こう考えます。なぜならば〜だからです」

ビジネスにおいて求められるのは、「思う」ではなく「考える」です。
なぜならば、上司はいつでも「なぜ、そう判断したのか?」と理由の説明と客観的根拠(事実や数字)を求めるからです。

「考える」とは、相手に「なるほど」と納得してもらうために必須のことなのです。

「自分で考える」部下を育成するために絶対やってはいけないこと

「自分で考える」部下を育成するために絶対やってはいけないことがあります。

部下が自分で考えなくなる理由
理由1:丸投げ
理由2:口出し
理由3:無関心

部下が自分で考えなくなる理由その1:丸投げ

丸投げリスク
部下が行ったこと全てを上司が結果責任を追う

上司が行うべき領域すべてを部下に丸投げすることは、たとえ上司が行っていないことであっても、上司は結果責任を追うのです。

「いやいや、部下が行ったのことは部下が責任とるはずでしょ」

残念ながら、ちがいます。

部下は、行動責任をとる。
上司は、結果責任をとる。

部下をマネジメントする立場が、上司なのです。
部下に丸投げしたのも、上司の判断として責任を引き取らないといけないのです。

という理由から、上司としては、部下に勝手に仕事を進めさせて、全責任を引き受けるのは避けたいものです。

よって、上司は部下へ伝えるべきことは、丸投げせずに、説明を面倒がらずに伝えることが必要です。

部下が自分で考えなくなる理由その2:口出し

口出しリスク
上司が、部下へ過剰に口出しすると任されていないと感じる

(部下は信頼されていないのかな?)
自立心旺盛な部下は「だったら、自分でやれよ」と感じるかもしれません。

口出しは、自立心をくじけさせる弊害があります。

・「こうしよう」を思っていたのに「ダメじゃないか!」と言われる
・やってみた結果を見て「ほらみたことか」と責める

上司が行うことは、口出しではありません。先導するのも違います。上司が行うことは、後方支援です。上司が部下の前を歩いていると、部下は上司の向こう側を見ることはできません。

部下に先を歩ませて、先頭の風景を見せることです。これは、リーダーシップのトレーニングです。

その上で、部下が方向を確認したいときに、振り返って上司に相談や確認を行うのです。もちろん、トラブルなど上司が出ないといけない時は、上司は部下の前で出てきます。

部下が自分で考えなくなる理由その3:無関心

無関心リスク
優秀な部下へのリスク:別の活躍の場を求める(退職する)
繊細な部下へのリスク:貢献実感が無いので、いつまでも上司に頼る

優秀な部下の場合は、成長した途端、別の活躍の場を求めて卒業していきます。
繊細な部下の場合は、組織に貢献している実感がわかないために、いつまでも上司に頼り続けます。

優秀な部下の喪失も、繊細な部下が手離れしないことも、どちらも上司にとっては悩みが解消されません。

無関心は、コミュニケーションの効率化と考えているかもしれませんが、組織全体の生産性から見ると損失を出してしまうのです。

上司の無関心は組織全体の生産性を下げる

「自分で考える」部下を育成する方法4選

「自分で考える」部下を育成する方法4選
1、仕分ける
2、示す
3、実感させる
4、進化させる

「自分で考える」部下育成法その1:仕分ける

上司と部下それぞれが「考える」領域の役割分担を仕分けをします。仕事はいつでも、この3つで構成されています。

WHAT (何を):期待する内容・アウトプット
HOW (どのように):方法・手段
WHY (なぜ):目的・理由

さて、上司と部下の役割分担を考えましょう。

■上司の仕事
WHAT (何を):期待する内容・アウトプットを示す
WHY (なぜ):目的・理由を言語化して伝える

■部下の仕事
HOW (どのように):方法・手段を考えて実行する

部下に考えさせる内容は、HOWです。

上司はWHATを示し、部下がWHATを実現するための原動力としてWHY を言語化して伝えます。それを受けて、部下はHOWを考え実行するのです。

「自分で考える」部下育成法その2:示す

人は指示命令だけでは動きません。指示命令されて動くことを強化すると、作業人間ができあがります。
優秀な部下ほど、単に指示命令されるのをイヤがります。なぜならば、自分で考えたいからです。

優秀な部下を育成するために示すことは

WHY (なぜ):目的・理由 です。

「目的とか理由なんてどうでもいいんだ!とにかく俺の言うことをやれ!」

こう言うと

・優秀な部下は、上司は言語化から逃げているのでは?と感じます。
・繊細な部下は、怒られないように作業に徹します。つまり「自ら考える」ことを放棄してしまうのです。

「とにかく俺の言うことをやれ!」が考えることを放棄させる

「自分で考える」部下育成法その3:実感させる

部下に「考える」ことの楽しさ、すばらしさを実感させることは大切です。 人間の行動原理は、快感または不快のどちらかです。 「考える」ことは、人間らしさを発動させて知的欲求を満たすことです。 部下に「考える」おもしろさを実感してもらうためのアプローチを以下に挙げます。

■指示命令は効果がない

「考えろ!」ではおもしろさが伝わりません。自発的に考える意欲を阻害してしまいます。

■考えたくなる問いをしかける

「これについて、どうやれば良いと思う?」
「何がこうさせたと思う?」
「君の考えの根拠は何?」

問いの中に、部下の思考を述べさせる言葉を内包させるのです。そして、部下が発言した言葉の全てを肯定で受けとめましょう。

「なるほどね」
「そうきたか!」
「それは、私も思いつかなかったよ」
「他には、どう?」

内容の良し悪しの質ではなく、まずは部下が発言したことに着目して肯定的フィードバックを伝えましょう。複数出たならば、それもGoodのフィードバックになりますよね。

「自分で考える」部下育成法その4:進化させる

部下を自立させて自発的に成長させると、上司はどんどん楽になります。そのために、部下を進化させていきましょう。
それは、部下に一段上の視座に立たせることです。

「君が、課長の立場だったらどう判断する?」
「君が、プロジェクトの責任者だったら、今の君の発言で漏れている視点は何だと思う?」
「君が、責任者だったら、これで完璧って思える?」

役職が上がると、見ている景色が変わります。
部下に、今より上の景色を想像させて、危機(危険と機会)を察知させるように問いかけましょう。

過保護の本音は自己保身

過保護になる本質は、失敗させたくない親心ではありません。過保護の本心は、上司の自己保身です。

心の奥底にあるのは、部下が失敗した時「自分の立場が危うくなる」と保身に目が向いているのではないでしょうか?部下の成長を支援するには「大丈夫。きっと立ち上がる」と信じて、必要な後方支援を実行することです。

人間は、生まれながらに知的好奇心をもっています。
子どもの頃、夕陽が暮れるまで、夢中になり遊んでいたことは、誰しもあることでしょう。

それを思い出させてくれるのが、仕事です。
「考える」ことを通して、仕事を創造する楽しみを部下に実感させてみませんか?



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