無価値が大化けする瞬間には何があるのか?「言葉」がすべて

目次

なぜ、ビジネスにおいて抽象思考が重要なのか

ビジネスの世界では、川上のほうが川下よりも報酬は高くなります。 これは、鉄則です。 商品を工場で実際に作る人よりも、商品を企画する人のほうが給料は高いですし、さらには、その会社のブランドイメージを構築する仕事のほうが、報酬はもっと高くなります。 なぜならば、商品の値決めの構造が逆になるからです。

価格を決める方法は2種類ある

経営の神様と言われる京セラ会長の稲森氏は言いました。 経営とは値決めである 価格を決めることが経営の明暗を分ける。 それほどに、値決めは重要だということです。 ✅価格の決め方の2種類
①頭を使わないと、積み上げになる
②頭を使うと、価格を先に決める

①頭を使わないと、積み上げになる

従来の同業他社と比較するという思考停止により、原料費など固定費を積み上げて利益を足して、価格を決めることになります。

②頭を使うと、価格を先に決める

先に売りたい価格を決めます。 それから、価格にふさわしいストーリーを想像します。 そして、価値の言語化を行い、人々へ伝えます。 現代では、良い商品を作るのは当たり前。 どこでも行っています。

フツーのものが、言葉をまとう瞬間に大化けする

山口県に宇部市という地方都市があります。 2021年8月現在、162269人です。(宇部市公式HPより) よくある地方都市です。 市内にはJR西日本の山陽本線があります。 山陽本線の中に、宇部新川駅があります。 多くの人は知らないし、興味もないと思います。 しかし、ある特定のコミュニティの人達にとっては「聖地」なのです。 それは、アニメ「ヴァンゲリオン」映画の中に出てきたシーンの1コマなのです。 ちなみに、エヴァンゲリオンの生みの親であり総監督の庵野秀明氏は、宇部市ご出身です。 河村晴美は、祖父母が宇部市に住んでいたので、幼い頃は夏休みなどによく遊びに行っていました。 宇部新川駅は、地方によくある普通のローカル駅です。 でも、多くのエヴァンゲリオンのファンにとっては「聖地」と価値づけられているのです。

ハイレベルよりニューレベル

同業者とのレベル合戦で、ハイレベルを追い求めることは、従来の既定路線に自ら進んで身を投じることです。 これでは、いずれ安値合戦に巻き込まれて、資本が強いところに勝てるわけがありません。 ハイレベルよりニューレベルの提示 新しいレベルつまり別のカテゴリーに逃れましょう。 例えば、広く浅く観光アピールではなく、コアなファン例えば特定のアニメファンへ向けたサービスを構築することで、別枠に入ることができるのです。

概念の創造こそ、商品を世の中へのお披露目

これまでは普通だったモノやコトが、言葉を得た途端、新しい価値をまとうのです。 例えば、京都大学のショップでは、「京大アメ」が売っています。 セロハンに包まれた白い飴ちゃんです。 何の装飾もない、シンプルな丸い形です。 パッケージの裏の成分には「ブドウ糖」と書かれていました。 脳が働くためには糖分が必要なので「京都大学へ入るくらい勉強するために飴ちゃん食べて頑張ってね」 というメッセージなのです。 単なるブドウ糖というお菓子(いや成分か?)が、受験応援グッズという緊急性と重要性へアプローチするお土産に価値創造されたのです。

概念の創造を侮ってはいけない

単なるブドウ糖を「京大アメ」と売ってはいけないのか? いえいえ、これが知恵というものです。 お客様が喜ぶことを着地点として、どう逆算してストーリーを紡ぐのか。 いまやビジネスにおいて、概念の創造は避けては通れない戦略なのです。 言語化、概念の創造、抽象思考…上司が部下へ命令指示することではありません。 上司と部下いえ組織全体でアイデアを創造するために、シェアしていくことがこれからの組織運営なのです。

これからは組織でシェアする時代

上司の役割は、部下が活躍する場を提供することです。 シェアの時代の組織のあり方について、考えてみませんか? 叱りの達人 パワハラ対策専門家 河村 晴美
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