【キャリアアップの落とし穴】「何を言うか」より「誰が言うか」より大切なこととは

目次

「何を言うか」より「誰が言うか」が大事な理由

伝える側が適切に言葉を選び、伝わる努力をする。 「伝える」を一歩進めて「伝わる」ように、発信者が主体的に自分を変える努力をする。 この前提に立てば、組織において、上司が出す指示や命令や注意指摘も、もっと部下が理解しやすいように改善されることでしょう。

「誰が言うか」より重要なこととは

たしかに「誰が言うか」は、伝える内容に影響を与えます。 例えば、新型コロナ感染に関することを一般人が言うよりも、医学の専門家が言うほうが説得力があります。 医学の専門家は治験やデータを裏づけとして述べているでしょうし、医師は国家資格という国家からのお墨付きをもらっている立場でもあります。 しかし、世の中では同じ情報を受け取っても、課題解決や自己成長につなげていく人とそうでない人がいます。 実は「誰が言うか」より、情報の価値に影響を与えることは「誰が受け取ったか」に左右されるのです。
情報価値を決めるのは、「誰が受け取ったか」

フランス哲学者「作者の死」

フランスの哲学者であり文芸評論家のロランバルトは言いました。 「作者の死」 バルトの持論は、文芸作品を作り世の中へ発表した後は、もう作者の手を離れて作品が一人歩きをしていく。 その時、作者の見解がどうだとかはもう関係なく、鑑賞者の手に委ねられていくと、それまでの作品論から読者そして読書行為へ焦点を移していきました。 どれほど作者が思いを言語化し尽くしたとしても、受け取る側はその人の認識で受けとめます。 人間は、自分の認識の外に出ることはできません。 単語1つとっても、解釈は人それぞれなのです。 発した言葉がどれだけ伝わるか? それは、受信する人へ託すしかないのです。 だからこそ、より高い精度で伝わるように、伝える側の矜持と責任で言葉を尽くす努力をするのです。

価値は「誰が受け取るか」で変わる

同じ単語でも、人によって解釈やイメージは異なります。 たとえば「りんご」について。 ある人は、果物の1種と言い、ある人はサルの餌と言う。 また、ある人は、Apple社のコーポレートマークといい、ある人はアダムとイブが楽園を追放されたきっかけの禁断の果実だと言う。 受け取る側の知識や思考の傾向によって、形状、機能、シンボル、物語など、想像することは変わるのです。 これをビジネスで考えると、これはまさに価値を発見することです。

付加価値とは、提供者の言語化で決まる

単なる商品が、誰かにとっては貴重品に思える。 受け取る人にとっては、希少価値がある。 価値構築は、作り手が行うことで、商品・サービスの価格を上げることができます。 逆に言うと、価値の言語化ができないと、市場の価格競争に巻き込まれてしまうということです。
価値の言語化ができないと価格競争に巻き込まれる

情報価値は、受け取り方次第で変わる

一方で、部下指導や教育に関しては、情報発信者つまり上司の指導力もさることながら、受信者つまり部下が優秀であると、どんな雑談も教訓に変わります。
受け取る側の感度が良いと、雑談が教訓に昇華する
部下は上司を選べません。 この事実をどう受け止めるかで行動が変わります。 「無能な上司の下で働く自分は、なんて運が悪いんだろう」と思うと被害者意識が高まります。

受け取る側のリテラシーを上げる

受け取る側のリテラシーを上げることで、情報の価値を高めることができます。
*リテラシーとは
  読み書き能力。また、与えられた材料から必要な情報を引き出し、活用する能力。応用力のこと
組織の運命にほんろうされたくない。 いつでもどこでも、自分を磨くことで、将来の心配を払しょくしたい。 今の仕事や職場に不満は、転職や独立の動機になることは多いです。 しかし、実は自分で環境を変えることもできるのです。 答えのない時代を少しでも安心して自信をもち歩みたい。 こう思う全ての人へ、キャリアアップの危機管理能力を高める方法は以下です。 凡庸を宝の価値に昇華する情報リテラシーを上げる 組織や周囲に振り回されて疲れるよりも、情報リテラシーを磨くほうが建設的な問題解決です。 もうそろそろ言い訳をやめて、本気で自分の成長に向き合ってみませんか? 叱りの達人 パワハラ対策専門家 河村 晴美
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