【パワハラと言われない叱り方】まず「捨てる」から始まる3つの手順〈叱りの達人協会〉 2021 5/30 パワハラ対策 人材育成 叱る研修 怒る 2021年5月30日 目次【パワハラと言われない叱り方】まず「捨てる」から始まる3つの手順 しかし、残念なことですが、コミュニケーションは受け手が価値を決めます。 上司がいくら良いお話をしても、部下に伝わらないと「伝わらなかった」結果になるのです。 「捨てる」から始まる3つの手順 手順1:捨てる 手順2:目的を明確にする 手順3:デメリットとベネフィット では、1つ1つ一緒に見ていきましょう。 手順1:捨てる 上司が部下を叱るとき、上司の頭にまっさきに思い浮かぶ言葉は、ほぼ怒りの感情です。 怒りの感情を、そのまま表出してしまっても、ろくなことにはなりません。 せいぜい、部下が怖がり、反発、思考停止、また責任放棄、そして今後は指示待ちの消極的態度というマイナス・スパイラルにハマってしまいます。 よって、上司は部下を叱るとき、捨てる言葉は、怒りの感情の言葉です。 のど元まで出かけていた、第一声を理性でグッとこらえて冷静になりましょう。 本能ではなく、理性を発動させるのです。 これは、日本の武士道、西欧の騎士道、己を律するということです。 手順2:目的を明確にする 「叱る目的は何か?」を明確にしましょう。 部下に求めているのは、言われた通りの仕事の仕上がりではないはずです。 これは、単なる作業レベル。 求めていることは、期待を超える成果のはず。 なので、部下には、自主自発的に仕事に取り組んでもらいたいと期待しているはずです。 まずは、上司自身が叱る目的を明確にするのです。 その上で、部下にも、仕事の目的(Why)、仕事の方法・手段(How)を考えてもらうのです。 手順3:叱られないデメリットと叱られるベネフィット ■叱られないデメリットについて 部下にデメリットを考えて、言語化してもらいます。 そして、不足している視点があれば、上司がつけ加えましょう。 まずは、部下に考えてもらうのが良いです。 ✅デメリットを考えさせる叱り方 「この仕上がりで、自分が成長できると思う?」 「上司の私から見たら、まだレベルに達成していないと評価するんだけど、君が上司ならどこを指摘するかな?」 「これで、お客様が納得すると思う?」 「5年後の君から見ると、この出来映えにどうダメ出しする?」 ■叱られるベネフィットについて ベネフィットとは、本人にもたらされる感動、嬉しいこと、変化、良い体験などのことです。 叱ることは、相手にベネフィットをもたらさないといけません。 そこで、上司は部下へベネフィットが何かを思考して、叱るときに織り込まないと単なる説教に終わってしまうのです。 極端な話ですが、叱る側は、自分が言いたいから叱る場合があります。 一方で、叱られる側はどうでしょうか? 最初から好意的な部下は少ないはずです。どちらかというと(叱られたくない・・・)と思いますよね。 なので、叱るとは、厳しいことを突きつけるのですが、ベネフィットを含ませることで、部下は聞こうという気持ちになるのです。 ✅ベネフィットを含む叱り方 「今きついかもしれないけれど、これを乗り越えたら一段上のステージにいけるよ」 「これは、年齢相応のビジネススキルだから、逃げてはいけない」 「会社のためじゃない。君のこれからのためにやるんだ」 「お客様の信頼をうらぎると、のちのち仕事に埃がもてなくなる。だから、やらないといけないんだ」 「きみの人格は関係ない。やるべきことをやり結果を出す。それが自信になり、自分の力になる」 叱ることにベネフィットを含む。これこそが、【叱るとは使命感の愛】なのです。 まとめ:本当に「捨てる」ことは、つまらない自尊心 以上、【パワハラと言われない叱り方】として、「捨てる」から始まる3つの手順をお伝えしました。 さらに深掘りして言います。 実は、手順0(ゼロ)に相当することがあります。 手順0(ゼロ):上司も「◯◯を捨てよ」 手順0(ゼロ)で「捨てる」ものは、”上司のつまらない自尊心”です。 「部下に嫌われたくない」 「部下から好かれたい」 という自尊心は、さっさと捨てましょう。 上司は、部下から好かれることをめざすのでなく、「尊敬される」「信頼される」をめざしましょう。 「尊敬される」上司とは ・仕事に誇りを持っていることです。 ・それゆえに、部下は、上司のありかたを見て、普段から妥協をゆるさない姿勢を感じています。 「信頼される」上司とは ・責任を引き受けることから逃げない姿勢です。 ・それゆえに、部下の妥協を見過ごすことができないのです。 以上、本コラムでは、【パワハラと言われない叱り方】「捨てる」から始まる3つの手順+手順0(ゼロ)をお伝えしました。 あなたも部下へ叱るとき、この手順を活用して自分の発信を変えてみませんか? ***叱るとは使命感の愛*** 叱りの達人協会 パワハラ対策専門家 河村晴美]]>