【パワハラ助長するかも?】理詰めの上司が部下を論破してはいけないたった1つの理由

目次

理詰めする上司がついついやってしまうこと

「ついつい、部下を理詰めしてしまうんです」 先日、講演会の主催者の一人である40歳代の若手社長さんが仰いました。 そこで河村晴美は聞いてみたのです。 「社長は部下を論破したいのですか?それとも、部下に動いてもらいたいのですか?」 若手社長曰く 「もちろん、部下に動いてもらいたいんですよ」 そこで、河村晴美は言いました。 「そうですよね。動いてもらって結果を出してもらいたいんですよね。だったら、論破は社長の作戦ミスですよ。論破したら、相手は全力で反発してきますから」
論破は、自己顕示欲の表れ
論破は、自己満足に過ぎない

部下を論破した上司の末路

物理の授業で習ったことです。 作用反作用の法則 作用反作用の法則とは、例えば、壁に10の力を加えると、壁からも10の力で押し返してくるという法則です。 こうして、物事は均衡を保っているという物理の法則の1つです。 コミュニケーションで言うと、圧力を説得と言ってよいでしょう。 職場において、上司が部下を説得しようとしたら、部下は全力で反発してくると言うことです。 部下の反発の種類はいろいろあります。 例えば、 ・指摘されたミスを何度も繰り返す(改善拒否) ・反応を停止する(思考停止、行動停止) ・抗議する(無視) ・退職する など 上記をまとめると「部下が上司へ被害を与える」という反発です。 組織のヒエラルキーを見ると、確かに部下よりも上司が権力を握っています。 しかし「窮鼠猫を噛む」というように、弱い者は追い込まれると全力で歯向かってくるということです。 何よりも、部下のパフォーマンスが悪いことは、上司のマネジメント能力が低いという評価の根拠になります。

上司の説教が部下の心を閉ざす

せっかくの上司の助言なのに、部下は「説教された」と感じている。 このミス・コミュニケーションが職場で起こっています。 実にもったいなことです。 なぜ、上司の思いが部下に伝わっていないのでしょうか? それは、部下の心のシャッターが閉ざされてしまってたからです。 部下が心を閉ざすのは、上司ができていないことだけを指摘するです。 できていることはスルー。 できていないことを指摘。 つまり、これが「ダメ出し」偏重なのです。 そして、唐突に始まる説教。 しかも、立たされたままで説教が1時間以上も続くと、部下はどうなるでしょうか? もう頭の中は(早く開放してほしい…) この状態は、完全に集中力はきれてしまっています。 一方で、上司はさらにヒートアップして言うのです。 「お前、俺の話を聞いてるのか!!!」 これではパワハラと言われかねません。 では、一旦話を元に戻します。 上司が部下の課題発見をしたところに、立ち返りましょう。

部下を論破せずに動いてもらう方法

部下を論破せずに甘やかせずに、動いてもらうためにはどうしたら良いのでしょうか? そのために大切なことは「共有」です。 実は「課題発見」と同じくらいに大切なことが「課題共有」なのです。 ✅「課題共有」とは
・課題の奥に潜む本質は何か?

・課題を放置することで部下にどのようなデメリットが生じるのか?

・上司が望むことは何か?

・課題を解決することで、部下にとってのメリットは何か?
上司と部下が「課題共有」することで、部下が課題を「自分ゴト化」するのです。

◆説得とは

・上司から部下への押し付け ・部下は、受動

◆納得とは

・上司と部下の双方向のやりとり ・部下は能動 部下を論破せずに動いてもらう方法は、「課題共有」して納得してもらうことです。 ✅課題共有する目的
課題共有の目的は、部下が振られた仕事を「自分ゴト化」するため

論破の果てに何があるのか?

本コラムの出発点として大切なことなので、繰り返します。 論破とは、自己顕示欲の表れです。 ディベートや討論ならば、「あの人すごい!」とリスペクトされることもあるでしょう。 自己有能感も満たされますので。 しかし、ビジネスの場面ではメリットはありません。 部下を動かすときに、論破は逆効果しかないのです。 特に、上司や経営者は自分が業務の全てを行うことは物理的に不可能です。 だから組織があるのです。 ともにゴールに向かって進む仲間を論破しては、部下は動きません。 むしろ、全力で反発してきます。 論破は百害あって一理なしです。 論破したら、裸の王様になるだけです。 あなたの優秀な能力で、部下が動きたくなるように論理を構築しましょう。

人を動かすには①論理的指示②敬意を表する

①論理的指示を伝える

論理的指示とは、以下を盛り込んだ明確な指示です。
・何をするのか?(WHAT)
・どのように行うのか?(HOW)
・どうなるとOKなのか? (GOAL)

②敬意を伝える

実は、いくら明確な指示が出て、やり方がわかっていても、なんとなく気がのらないことがあります。 人間が感情の動物と言われるゆえんですね。 そこで、部下に動いてもらうためには、感情を動かす必要があるのです。 部下へ敬意をもって接する 具体的には、WHYを伝えることです。
・なぜ、この仕事をするのか?
・なぜ、君に任せたのか?
仕事の意義、意味、目的、そして、部下の能力、存在への信頼と期待を伝えるのです。

理詰めではない、論理を活用した部下指導

詰めるよりも、能力を解放させる
「理詰めにしない」とは精神論ではありません。 むしろ、「思考力の強化」です。 部下の思考力を磨くことで、上司からの指示命令をそのまま動くのではなく、自らが考えることで、目的思考ができる人材に育てることが重要です。 部下が、より深くそして俯瞰して考え行動するように、論理と感情を交差させた叱り方のコツを身につけてみませんか? 叱りの達人 パワハラ対策専門家 河村 晴美
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