【パワハラ進化系】昭和からの脱却「部下を怒る上司」→「部下を伸ばす叱り方」

「パワハラ」と言われないためにはコツがあります。

特に、長年ずっと部下育成をしてきた上司は、昭和、平成、令和・・・時代は変わっているにもかかわらず、部下育成の方法が変化していない場合が多いです。

時代ごとの世界の情勢、経済状況、さらには文部科学省の教育方針などで、入社してくる若手社員達の価値観は、どんどん変わっています。 時代は令和に変わったのに、部下育成は昭和のままに氷温凍結。 今までの部下育成が悪かったのではありません。今までは、機能していた。 しかし、今すでに「パワハラ」と言われかねない状況です。 経済市場、ビジネス環境はどんどん変化しています。 せっかくですので、上司も、どんどん変化し成長していきましょう。 上司のあなたが成長すれば、部下へも成長も促進できますよね。 上司も部下と一緒に、共進化つまり共にステージを上げていきましょう。 ✅以下に思い当たる方向けの内容です。
・部下をついつい怒ってしまう
・自分自身が、怒られたり叱られた経験がないので、叱り方がわからない
・成長とは、そもそも自発的にすることだから、わざわざ部下育成する必要はない

・怒るのは部下育成に効果がうすいことはわかっている。でも、どうやって叱って伸ばすのか?方法がわからない
目次

パワハラ危険!部下をついつい怒ってしまう

部下を怒ることは、コストパフォーマンス最悪です。 なぜかというと、部下があなたに心をひらかなくなる危険が高まるからです。 しかし、だからといって「怒らないようする」という対処方法は短絡すぎです。 なぜならば、あなたの良いところをつぶしてしまう危険があるからです。 それでも、なぜ、怒ってしまうのでしょうか?

怒りの源泉は何か?

あなたの怒りの感情の源泉にはあるのは、実は、部下への期待 なのです。 部下への怒りの源泉は、実は部下への期待である 部下へ期待して仕事を任せたのに、期待通りの結果が出なかったことで、あなたは部下から「肩すかしをくらってしまった・・・」 想定外の結果だったために、ビックリ!驚いたのです。 それで、部下から裏切られたような気持ちがして、思わず怒ってしまったのです。 一方で、部下の立場で考えてみましょう。 失敗したくて失敗する人はいません。 誰でも、精一杯がんばった(つもり)です。 けれども、上司にコテンパンに言われたら、誰だって凹みますよね。 なので、上司は部下へ頭ごなしに「ダメじゃないか!」というと、部下のやる気は急降下!に落ちていくのです。 いきなり「ダメじゃないか!」の前に、「なぜ、そうしたのか?」と理由を問いかけて、行動の意図を引き出すことが大事なのです。 人間が行動するときの判断は、いつでも肯定的意図に基づいています。 人は「よかれ」と思ってその行動を選択しているのです。
たとえ失敗しても、行動の判断は、肯定的な意図に基づく

実は「怒る」ことさえも肯定的な意図にもとづく

例えば、部下へ「なんでできないんだ!」と思わず言ってしまうこと、ありますよね。 このとき、上司の心の中の声はどんなことを言っているでしょうか?

それは

(君なら、できるはずなのに、どうしてできなかったんだよ) (こんなはずじゃない!)

と思っているのではないでしょうか。

部下の能力を認めているからこそ、(もっとできるはずだ)と期待値が高いのです。

上司のあなたは、期待したレベルと異なる結果が出てきたために、部下にガッカリしたり、信頼が裏切られたとショックを受けてしまったのです。

なお、怒りの感情のマネジメント方法は、以前に書いたこちらの記事を参考にしてください。

(怒りの感情マネジメント:緊急対処法)怒りの感情AKB

(怒りの感情マネジメント:根本対処法)ノートデトックス法

パワハラ危険!叱り方がわからない

叱り方を身につけることは、部下育成に必須です。 しかし、テクニックとして叱り方を学び、「よし!これで部下を動かせる」と思い、部下を動かそうとすると、かえって危険です。

なぜかというと、部下は「操作されている」臭いを嗅ぎ取ってしまうからです。

方法論よりも、叱る時の姿勢とあり方、目的を明確にして、「なぜ叱るのか?」の理由を言語化するスキルを身につけことで、結果的に部下が自発的に動く可能性が高まっていくのです。

✅叱る言葉そのものよりも、整えておくべきこと
・上司が普段から見せている仕事への姿勢

・仕事を任せた理由(なぜ、この仕事を部下に任せているのか)

・この仕事の目的(何のために、この仕事をするのか。誰のためにするのか)

・一体感を見せているか

・最終責任を取る姿勢を見せているか

【放置も一種のパワハラ】成長は部下の自発性に任せては手遅れになる

このような上司の言い分もあるかもしれません。 「成長は、自発性に任せるのがいいんだ。成長するのもしないのも、全ては自己責任だよ」 部下の自発性に任せる。なんだか言葉だけを聞いていると、自主性を重んじているように聞こえますが、それで良いのでしょうか? これは、上司の手抜きの自己正当化そのものです。そして、何より、組織全体として、人材育成の放置であり放棄です。 人が勝手に育つというのは幻想であり、自らが叱咤激励して、誰よりもストイックに特訓を課すことは、メジャーリーグで活躍している大谷選手、水泳の池江璃花子選手クラスです。 会社の中に、大谷選手、池江璃花子選手クラスが何人いるのでしょうか? 1名いればすごいはずです。 上司が「そこまでしなくていいんだよ」といったとき、「いや、その程度じゃダメなんです!」とさらに高いハードルを課す部下は、かなり少数派です。 このように、ほとんどの人は、成長する環境の中にいることで、成長することが身についていくのです。 まして、組織は個人プレイではありません。 チームとして、どこへ向かうのか?ヴィジョンの共有が必要なのです。 組織のめざすビジョンに向かわせるためには、ベクトルを合わせが必須です。 ベクトル合わせは、単純に仕事の指示命令だけしていても、部下には伝わりません。

指示命令だけで人が動くのであれば、とっくの昔に全員がヴィジョンにしているはずです。

✅人材育成の放置は、一種のパワハラ
・成長に関して、部下の自主自発性に任せるというのは、上司の怠慢です。

・成長する環境を整えることで、成長意欲が刺激されます。

・個人をチームとして力を結集させるためには、ヴィジョンを示す必要があります。

パワハラと言われない叱り方のコツ7選

部下育成、人材育成の大切さをお伝えしました。 それでは、ここでは、部下指導の方法として、上司が一番気をつかう「パワハラと言われないための叱り方の基本について、厳選7つをお伝えします。

①敬意を忘れない

役職の有無、年齢、習熟度が異なることと、人間としての優劣は関係ありません。 「自分が上だ」と去勢を張ったり、ポジジョントークは、むしろ信頼や尊敬が反比例して下がっていきます。 未熟であるから、伸びしろがあります。 ビギナーだから、固定概念に染まっていません。 次世代だから、次の時代を創ってくれる頼もしい存在です。 何より、部下がいないと上司は存在しないのです。

部下へ敬意をはらうことは、人間尊重そのものです。

②承認欲求より貢献欲求

承認欲求の充足をもとめる弊害は、承認されないと被害者意識をもってしまう危うさです。

「ほめられたい」は、依存です。 ほめられないとやる気が出ないというです。

承認欲求の根底にあるものは「私を見て!」です。

ビジネスで言うと、「大人のかまってちゃん」です。

「大人のかまってちゃん」が増えると、伸び悩む組織へと転落まっしぐらです。

反対に、伸びる続ける組織とは、貢献欲求の高い集団です。

貢献欲求とは「お客様に喜んでもらいたい」顧客の期待に応え超えることを喜びとすることです。

「社会を見よう!」というマーケティング思考です。

貢献欲求の高い人は、自分がほめらることを喜びにしていません。 「ありがとう!」と感謝されることを喜びとして、自分の存在価値を感じています。 よって、部下を「ほめられてうれしい」から脱却させて「ありがとうと言われるのがやりがい」へステージアップを導きましょう。
「ほめられる」 から 「ありがとう」 を喜びとする人材へ育てる

③妥協させない

(まあ、こんなものか)

妥協するのは、能力の出し惜しみです。 出し惜しみするクセがつくと、いざという時に本来の能力が発揮できません。

発揮しない能力は、本来は高かったのかもしれませんが、証明できないので存在しなかったことになります。

幻の能力・・・それは幻想または単なる勘違いと言われても反論できません。

妥協とは、自分を偽ることです。

自分の能力をみくびることは、とてももったいないことです。

妥協しないために、もう一歩先の世界へ。もう一段上のステージへ。

上司が部下を支援する言葉がけが大切です。

✅たとえば、このような誘い文句です。
「これ、ベスト?」

「ここからもう一段上げるとしたら、何する?」

④コンテンツよりコンテクスト

コンテンツとは、部下へ伝える言葉です。

コンテキストとは、文脈また土台です。

同じ言葉であっても、文脈や土台によって伝わり方は異なります。

叱ることはどうしても厳しいことを言わざるを得ません。

その際、人間関係の土台作りがしっかりできていないと、信頼関係はもろく崩れてしまいます。

普段から土台をしっかり固めておくために、人間関係構築は必須です。

⑤言葉をサンドイッチする

厳しい言葉をそのまま言うと、相手はグサッと刺さってしまいます。

相手も察して、身構えることでしょう。

つまり警戒すると言うことです。

この状態は、心が閉じているので、せっかくの忠告やアドバイスも相手には入っていきません。

なので、順番はとても重要です。

言葉のサンドイッチのステップを以下にお伝えします。

✅言葉のサンドイッチ
ステップ1: 肯定的な言葉がけ(感謝、ねぎらい、成長の指摘など)
ステップ2: 叱る(具体的に事実を指摘。改善行動と期限を共有)
ステップ3: 肯定的な言葉がけ(支援を伝える。困ったときのフォロー体制を伝える)

1on1の終了は、いつでも部下を元気いっぱいに満たすことです。

⑥未来をつくる

怒ることは、部下の未来をつぶすことです。

叱ることは、部下の未来を創ることです。

部下の成長を支援する。それが上司の役割です。

正しい叱り方を身につければ、パワハラと言われることはありません。 部下育成に、手を抜くことととは違うのです。

✅部下の未来を創る叱り方
「3年後の自分から今の自分を見たら、どう思う?」

「こんなもんじゃないって、自分に期待したいと思わない?

「もう少し、あと少し、一踏ん張りして、ステージ上げたいと思わないか?」

⑦共進化

部下を成長させることは、自己突破させるということです。

部下へ成長を求める。

さて、上司は成長しなくて良いのでしょうか?

現状にとどまっている上司を見て、部下は成長するのでしょうか?

部下へ成長の醍醐味を示すためには、上司自身が成長し続ける姿勢を見せなければ説得力がありません。

成長する姿こそ、背中で示していきましょう。

我流の部下育成を捨てて、自己尊厳を育てる叱り方を身につける。

上司と部下が共に成長しづける、共進化こそが組織発展の土台です。

✅共進化は、上司のあなたへ
「部下に、上司のあなたが成長し進化し続ける背中を見せたいと思いませんか?」

「好かれる上司と尊敬される上司、どっちがいいですか?」

まとめ:パワハラ対策だけでは事業発展しない理由

パワハラ防止法による企業のパワハラ対策は2つです。

それは、予防と対策です。

しかし、パワハラ予防と対策には、組織として重要なことが欠落しています。

それは、事業発展です。

事業発展し続けるためには、人材育成が欠かせません。

部下育成に、上司が遠慮したり萎縮してしまうと部下が強く育ちません。

日本を取り巻くグローバル社会で生き残るために、社会構造の中で自社のポジションをどう位置づけるのか。

強い組織になるために、強い人材を育てる。

強いからこそ、真の優しさが発揮できるのです。

法律に基づくパワハラ対策は、企業の守りに過ぎません。 企業活動は、社会貢献と利潤追求の両輪を回すことです。 利益をあげる。そして社会に貢献する。その活動には、人材が不可欠です。 貴社の人材が、自主自発的に活躍する。 そのために、部下を伸ばす叱り方を身につけてみませんか?

叱りの達人協会 パワハラ対策専門家 河村晴美

「叱るとは使命感の愛」]]>

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