【パワハラ防止策】なぜパワハラ研修を受講すると上司は悩み始めるのか? 2021 7/16 パワハラ対策 パワハラ疑惑 パワハラ訴える 叱る研修 2021年7月16日 目次「パワハラかも?」上司のジレンマ 部下思いの上司ほど、パワハラ防止研修にジレンマを感じています。 いっそ、厳しい指導を放棄すれば、パワハラと言われる心配は無くなります。 しかし、それでは部下は育たない・・・。 パワハラ防止法に基づき、企業が行うべきこと パワハラ防止法によると、組織が取り組むことは2点です。 ✅パワハラ防止のために行うべきこと 予防と解決 パワハラ防止で企業が行うべきこと ①予防 ・就労規則にハラスメントについて記載すること ・従業員全員へ講習(研修)を実施すること パワハラ防止で企業が行うべきこと ②解決 ・問題が起きた時は早急に対応すること ・相談窓口を設置すること ・相談員へ傾聴訓練を行うこと 上記について、パワハラ防止法にて明記されています。 パワハラ防止研修のジレンマ ハラスメントが起きないように、従業員全員が気をつけなければいけません。 その中で、多くの場合は、パワーバランスに鑑みて、特に上司が部下へパワハラしないよう講習や研修が行われます。 その際に、パワハラ防止を取り上げると、どうしても「禁止」が全面に出てしまいがちです。 ✅パワハラ防止のための気をつけるべき禁止ワード 「〜してはいけない」 例えば、以下はどうでしょうか? ・部下の能力の範疇を超えた業務をさせてはいけない ・部下を追い詰めてはいけない ・部下へ何度も叱ってはいけない ・部下へ厳しく言ってはいけない もし、上記がパワハラに該当するのであれば、上司は部下を成長させる指導・支援はできなくなってしまいます。 上記は、今より成長するために必要なストレッチ目標です。 無理させない。挑戦させない。安全圏内の目標に留める。 いかがでしょうか? これでは事業は発展していきません。 そして、本人の能力も現状維持にとどまるので能力向上にはなりません。 能力発揮・成長と、真逆の状況になっていないか? ルーティンワークは、未知なる能力発揮の機会提供にはなりません。 いつも通りの行動を最近はルーティンと言いますが、いつも通りの行動に大きな飛躍や成長は見込めますでしょうか? ルーティーンワークは、人を成長させません。 ルーティーンワークは、惰性となり退屈します。 やがて、本人は(私はこの程度の仕事しかできないんだ・・・) 自分にがっかりしてしまいます。 自分の成長をあきらめてしまいます。 本人自身が自分の能力を低く認識し、自分の成長を信じることができなくなります。 実にもったいないことです。 パワハラ研修に足りない唯一の視点 パワハラ研修に足りない唯一の視点とは何か? それは、仕事の目的の共有 です。 なぜ、ハラスメント研修を開催する際に、上司も部下も従業員皆さんで共有するべきことがあります。 それは なんのために、我が社があるのか? 組織の存在意義の共有です。 世の中に貢献するために、組織の存在意義があります。 これが企業理念です。 企業理念の実現のために、全従業員が力を合わせて実現に向かう。 なのに、誰かが誰かによって能力発揮を幅慣れている。 理念の実現を阻む状況になっているのです。 それは、人なのか? 仕組みなのか? これを放置していることが、組織として損失なのです。 経営に重要な視点は、機械創出と損失回避 ハラスメント防止は、損失回避に当たる 重要な経営課題なのです。 とかく、ハラスメント研修では「〜してはいけない」禁止事項が強調されがちです。 しかし、大事なことは本質論。 何のために、仕事をするのか? 何のために、我が社が存在するのか? 目的達成のためには、ハラスメントは不要なのです。 パワハラと厳しい指導は何がちがうのか? 厚生労働省がパワハラについて定義を言語化しています。 パワハラとは (1) 優越的な関係を背景に (2) 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により (3) 就業環境を害する の3つを要件とした (厚生労働省サイトより引用) つまり、 ・業務に関係ないことはしないこと ・相当な範囲を超えないこと 上記に留意する必要があるということです。 例えば、性格や人格は、業務には関係ないですよね。 人格と業務の因果関係を断ち切る 例1:人見知りだからと言って、営業の成績とは関係ありません。 人見知りは、本人の特性です。 特性を活かすことは本人にとっても喜ばしいことでしょう。 しかし、特性を否定することは、上司の業務外の領域です。 例2:いい加減な性格だからと言って、遅刻することとは関係ありません。 いい加減な性格と認識するのは主観です。 論拠なき断定は、偏見また思い込みと看做される可能性が高いです。 いい加減な性格が業務に支障をきたしていることの因果関係はどのように立証するのか? そもそも、部下の性格改善は上司の業務の範疇ではありません。 業務上の範囲を超えていることを、指摘された場合にどう回答するのか? 自ずと、やるべきこと、やらないことの分別がつくはずです。 上司の仕事は、預かる経営のリソース(人、物、金、情報、設備など)をフル活用して成果を出すこと 部下のパフォーマンスが下がることは、経営と真逆の行為です。 部下に成果を出させて能力発揮させることが、上司の仕事です。 上司のジレンマを解消せよ 上司は、パワハラと言われないために、どのように部下を育成すれば良いのか? それには、部下を伸ばすための叱りを習得することです。 部下の性格、人格を指摘するのではありません。 部下の行動、行為を注意指摘して、改善指導するのです。 加えて、仕事の目的、行う理由を説明することです。 「この仕事ではずしてはいけないポイントは何か?」 「この仕事を行う理由、目的は何か?」 「何のために行うのか?」 「目指すゴールは何か?」 「なぜ、君に頼むのか?」 人を動かすのは指先ではありません。まして、あごでもありません。 言葉で相手を動かすのです。 説得と納得のちがい ■説得 他人からの外圧の説得は、強制です。 強制では人は自発的には動きません。 ■納得 人は、自ら納得したとき、自発性が発意されます。 自分の内側からの動機づけされることで、創意工夫が生まれます。 人が成長するのは、今までできなかったことに挑戦し達成した時です。 困難なことを実現させたときに、自分に自信がもてます。 まとめ:テクニックより本質を 部下を支援し、励まし、目標達成へ応援するのが、上司の仕事です。 パワハラと厳しい指導は、全く異なります。 上司が部下へ、仕事の目的、理由を真摯に伝えるとき、部下は「パワハラされた」とは言わないはずです。 部下へ大切なことを伝えながら、厳しく叱る育成法を行っていませんか? 『叱るとは高抽象の気づかい』 叱りの達人 パワハラ対策専門家 河村晴美]]>