【失敗しない人材育成】才能に逃げてはいけない〈叱りの達人協会〉

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「才能」の美辞麗句に踊らされていませんか?

よく、新卒採用や人事コンサンタントが「タレント(才能)採用が重要だ」とか言っているのを聞くことがあります。 さて、才能のがあるとか無いとか、それは誰のどんな根拠に基づき発言しているのでしょうか? まして、まだ発揮されていない潜在能力について「ある」とか「無い」とか誰の権限で言い切っているのでしょうか?

失敗しない人材育成:才能に逃げてはいけない

「才能があるかどうかはバカげているって? 才能の有無の論拠には、データで示す方法があるのだ」 そう仰る人がいるかもしれません。 だから、科学的根拠に基づいているのだ、と。 科学とは「反証可能性」を認めることです。 「反証可能性」とは、今までは正しいと信じられたことであっても、将来異なる事実が発見された時には、今まで正しいと言われてきた理論は反転することがありうるということです。 アカデミックの世界で生きる科学者は、この考えを全員共有しています。 なので、科学的であるということは、今の理論が将来は間違っていると言われることもありうるという前提に立ち、「今は暫定ですが学会ではこれが正しいと言われています」ということなのです。 よって、本当に科学的に正当性をうたうのであれば 「もしかしたら、才能じゃないかもね」 を受け入れないと、エセ科学と言われてしまうのです。

才能の存在を主張するほど、エセ科学に近づく

科学とは、反証可能性を受け入れている学問です。 逆に、エセ科学とは正当性以外は認めないというものなのです。

引き継がれるのは才能ではない

例えば、モーツアルトの家系は代々宮廷音楽家だったから、モーツアルトは才能を引き継いだのだ、と言われることがあります。 この考え方に大きなヒントがあります。 引き継がれるのは、才能の遺伝ではありません。 引き継がれるのは、環境です。 モーツアルトが育った中世は、現在のように情報が共有されたり、転職活動が簡単にできる時代ではありませんでした。 農村に生まれた子どもが、ピアノに触れる機会があったでしょうか? 学校にも行けない子どもが、五線譜を書く手ほどきを受けることができたでしょうか? 残念ながら、それは荒唐無稽といってよいでしょう。 農民として生まれたけれど、鍛えれば絶対音感の潜在能力を秘めていたかどうかは、なんとも言えないのです。 なので、才能があるかどうかは、わからないです。 しかし、環境が才能を発揮させる要因にはなりえます。 ただ誤解してはいけないのは、環境が全てでもないのです。 同じ環境なのに、同じ両親から生まれても、兄弟姉妹は全く異なる能力を発揮しますので。

結論:才能に逃げてはいけない

才能に恵まれたかどうかは、結果論です。 環境に恵まれたかどうかも、結果論です。 大切なことは、才能や環境を言い訳にしないことです。 成功しない理由は、才能や環境ではありません。 圧倒的に、努力が足りないだけです。 才能や環境に嘆く前に、とことん努力しましょう。 だって、凡人が凡人から脱出できない原因は、圧倒的に成功者の努力量より少ないだけですから。 ***叱るとは使命感の愛*** 叱りの達人協会 パワハラ対策専門家 河村晴美]]>

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