【パワハラ対策】先制防御で身を守るためには上司をプロファイリングせよ

落ち込みや自信喪失の負のスパイラルが加速する理由 「おいお前、ちゃんとやれよ!」「貴様、仕事をなめてるだろ」 思わず上司が放った言葉は、思った以上に深く部下を傷つけることがあります。 上司がとっさに勢いで言ってしまった不要な一言が、部下には思い出すたびに何度もショックが繰り返されるのです。 思い出すことで落ち込み、自信を失っていく負のスパイラルが加速していくのです。

目次

上司の言葉を真に受けてはいけない

上司の言葉を真に受ける必要はありません。 なぜなら、上司がその言葉をチョイスしたのは最適だと判断したからではないのです。 最適解ではなく、咄嗟iにその言葉が出てきてしまっただけなのです。 というのも、怒りの感情は動物の防衛本能ですので、動物的本能に絡めとられたために、理性で言葉を選んだわけではなく、さらにはその後の展開を予測した訳でもありません。 思わず口をついて出てしまったというのが正直なところなのです。 まさに「後悔先に立たず」です。

パワハラ言葉をメタ認知する

パワハラ上司から逃げることはなかなか難しいです。 退職すれば叶うでしょうが、それではあなたの明日からの生活も不安になります。 また、内部告発つまり社内ハラスメント相談にかけこむ方法もありますが、問題が解決するには時間がかかるかもしれませんし、あなたが望むような解決には至らないかもしれません。 上司そのものを変えるよりも、部下本人が変わるほうが現実的です。 部下が自分の言葉と態度を変えることで、上司への影響の質を変えて影響の力を増やしていくのです。 パワハラ上司を駆逐するために行うことは、部下が行うことは、パワハラ上司を分析しパターンつまり傾向分析することです。 分析研究することは、相手つまり上司をメタ認知することです。 メタ認知とは上から目線で分析するということで、まるで相手の頭の中を覗き見して、思考パターンをあぶりだすイメージです。 特に、感情にまかせて発する言葉に、人間の思考パターンがあらわれています。 思わず言ってしまったこと、不用意に発した言葉に相手の本音があらわれているのです。

パワハラ言葉をプロファイリングせよ

「プロファイリング」とは、犯罪捜査における犯人像の分析技法で、犯罪の特徴をもとに統計的なデータや行動心理学などを用いて犯人像を推論するものです。 最近は犯罪捜査だけでなく、ある人物の過去の行動記録や個人情報を分析することで、未来の行動を推測することも指す言葉としても使われています。 例えば「顧客プロファイリング」とは、顧客の年齢や性別、購買履歴などのデータを解析することで今後の購買予測を行ったり新製品の開発に活用したりする手法であり、ビジネスでもよく用いられるものです。 このように、ターゲットの趣味や嗜好、性格や生活習慣などまで割り出すことができるのです。 特定のパワハラ上司について、科学的にデータ分析することは現実には難しいですし、そこまで行う必要はありません。 そうではなく、言語分析をすればよいのです。 言語分析とは、口ぐせから価値観や言いたい事を推測して「きっとこういうことが言いたいのだろう」と推察するのです。

言葉には限界がある

人は、同じ言葉を別の理解をしているものです。定義、意味付けは人それぞれで異なります。 なので、あなたが言っている言葉を相手が全く同じように認識していることはありません。 同じように、相手が言っている言葉をあなたが相手と同じように解釈していないために、ミス・コミュニケーションが発生し、職場で誤解が頻発しているのです。

パワハラ言葉をプロファイリング

口ぐせは、思考パターン分析に最適です。言葉の背景をさぐります。 さっそく、実際にパワハラ言葉を分析してみましょう。

「君はどうしてこんなミスをしたんだ」

<上司のホンネ> ネガティブ:自分の想定を下回るレベルで部下が提出していたので驚きを隠せなかった。 「どうして?」と聞きながらも、実は答えは求めていない。 ポジティブ:君がこのレベルの失敗をするはずがない(普段は優秀なのだから)

「この結果について、どう責任をとるんだ」

<上司のホンネ> ネガティブ:私が上席から叱責をうけるんだよ。君の失敗は私と一蓮托生なんだから、やってられないよ。 ポジティブ:最後までやり遂げて欲しい。できる人なんだから。

「同期の○○くんを見習え」

<上司のホンネ> ネガティブ:部下は上司を選べないっていうけれど、上司だって部下を選べない。人事部の採用センスがないツケが回ってくる。 それにひきかえ、○○くんは優秀だから育成に手が取られないし、指導者も評価される。実にうらやましい。 ポジティブ:、同期を引き合いに出しのは、発奮して欲しいからこそである。

「俺の新人時代は、この程度はできていたぞ」

<上司のホンネ> ネガティブ:昔は良かったなあとしばし思い出を懐かしむ。がむしゃらだった俺の自慢。 ポジティブ:俺(上司)の新人時代の苦労談から学んでほしい。

「これだから、ゆとりは甘いって言われるんだ」

<上司のホンネ> ネガティブ:ゆとり教育世代の特徴である、「個性の尊重」の割には責任と義務が伴わないことへの無理解、非難。 ポジティブ:ガツガツしていない違和感がちょっとうらやましくもあるし、不思議な価値観と映る。

「君、この仕事向いていないんじゃないの」

<上司のホンネ> ネガティブ:具体的な仕事の指導や育成ではなく、仕事の向き不向きで片づけようと問題から逃げる。 ポジティブ:「そんなことありません」と反論して欲しい。発奮して欲しい。

「前も同じ失敗をしたよな。成長しないね」

<上司のホンネ> ネガティブ:何度も言わせるな ポジティブ:同じ注意指摘を何度も言うこっちの身にもなって欲しい

「こんな調子では、もう君はだれからも相手にされないぞ」

<上司のホンネ> ネガティブ:私はもうサジを投げた。あとは、自分でやって。 ポジティブ:瀬戸際にいる自覚をして、後が無い緊張感をもってほしい。

「君、部署のお荷物になってるよ」

<上司のホンネ> ネガティブ:私が評価していないのではなく、部署全体が迷惑しているんだ。 ポジティブ:自分のことばかりではなく、周囲への視点も持ち合わせて欲しい。

「もっとやる気を出せ。根性が足りないぞ」

<上司のホンネ> ネガティブ:やる気が無いまたは足りないから、結果が出せていないのだ。 ポジティブ:やる気をもって取り組んでほしい。

「やっぱりお前はダメだな」

<上司のホンネ> ネガティブ:もう匙を投げた。 ポジティブ:ダメだと言われてあきらめるのではなく、改善行動を見せて欲しい。

「こんな簡単なこともできないのか」

<上司のホンネ> ネガティブ:これ以上、注意指摘してり指導してもムダそうだな。 ポジティブ:君は、この程度はできて当然のポテンシャルを持っているんだよ。

「こんな調子だったら、昇格できないぞ」

<上司のホンネ> ネガティブ:俺が昇格の決定権を握ってるんだから、言うことを聞け。 ポジティブ:昇格できないというダメージで発奮させよう。

「社長が○○と言ってたぞ」

<上司のホンネ> ネガティブ:社長の名前を出したら、さすがに部下は危機意識が高まるだろう。 ポジティブ:とにかく本気になって欲しい。

「バカヤロー!何やってるんだ」

<上司のホンネ> ネガティブ:甘えるのもいい加減にしろと言いたい。 ポジティブ:心配しているから、お前の成長に執着しているんだ。

言葉の背景に隠された肯定的意図

上司は、部下を落ち込ませたいのでありません。 部下へ期待して成長してほしいと願っているにも関わらずそれがうまく表現されません。 ネガティブポジティブが交差して自分でも混乱しているために、感情が整理されていないままに吐露したことが怒りになってしまうのです。 これが葛藤です。葛藤とは心理学用語です。 葛も藤もツル科の植物であり、葛藤とは心の中で感情が絡まり合っている状態を指しています。 上司は部下に誤ってほしいわけでは無いのです。部下に望むことは、改善してただちに行動してほしいのです。 表面上ではパワハラ言葉に見えますが、ホンネにはポジティブな側面も含まれているのです。 なぜ、ポジティブな意味合いがあるのに、パワハラ言葉を使うのか? その理由は、それらのパワハラ言葉しか持っていないために、言葉の選択肢が乏しいゆえにがその言葉を使ってしまうのです。

まとめ

  いかがでしょうか? 上司の言わんとする言葉の背景には、部下を成長させたい肯定的意図が隠されていることに気づくこともあるのです。 その事情をメタ認知することで、上司の思いを理解してみましょう。 人間関係はいつでも対等であるという姿勢が、相手の尊厳を重んじることなのです。 ただし、すぐには身につきません。 ミス・コミュニケーションのからくりを理解し、言葉を通してプロファイリングするには技術が必要です。 叱りの達人協会では、言語を通してパワハラをときほぐす研修・コンサルティングを行っています。]]>

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