西洋から見た禅の哲学『弓と禅』

禅の世界観を西洋思想と東洋思想の対比で解説。Apple創業者スティーブ・ジョブズ氏も影響を受けた禅の哲学について、ドイツ人哲学者オイゲン・ヘリゲル氏による著作をパワハラ予防の専門家である河村晴美が所感を解説している

Apple創業者スティーブ・ジョブズ氏も影響を受けた禅の哲学について、ドイツ人哲学者オイゲン・ヘリゲルによる著作『弓と禅』。

西洋の思考から見た東洋思考、とりわけ言語化しがたい禅や、無の境地について綴られています。
時に、わかりやすいメソッドやステップなどのロードマップは重要な精神性を排除してしまいます。

本書は、弓を射るというシンプルな動作の中に、とてつもない世界観が織り込まれている思想を、ヘイゲル氏自身がトライアンドエラーしながら自身が気づいていく。
それを、師匠の阿波研造(あわけんぞう)師がシンプルな問いかけと弓を射る姿勢で示すやりとりが綴られています。

多くを語らず、一方で暗示的指導が内包されている。
日本伝統文化を継承する『守・破・離』のプロセスの最終ステップ『離』つまり、型と師匠からも離れて自立を促すサポートです。

究極かつ至高の『背中で語る』指導法ですね。

わたくしも3才より書道家の母から書道を指南されました。
習字と書道のちがいについて感じていることが、本書で明確になりました。

本物志向のコーチ・コンサル・講師・指導者など対人支援をされる方へ、おすすめの一冊です。



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