会社の発展を阻む「残念な幹部」と会社を伸ばす「一流の幹部」の決定的ちがい7選

講師歴26年間&12万人以上へ、数多くの企業の組織開発に携わり、経営者や幹部の皆様と関わってきました。
その中で、成長し続ける会社と、停滞、あるいは衰退していく会社には、一つの明確な違いがあることに気づきました。

それは、経営者を支える「幹部の質」です。

社長がどれだけ優れたビジョンを掲げても、幹部がそのビジョンを正しく理解し、実行できなければ、組織は前に進みません。

「うちの幹部は、本当に機能しているだろうか?」
「私自身は、幹部として正しい役割を果たせているだろうか?」

この記事を読んでいるあなたも、決して他人事ではないはずです。
今回は、私が現場で見てきた「一流の幹部」と「残念な幹部」を分ける決定的な違いを7つ、お伝えします。
もし一つでも心当たりがあれば、今が組織を見直す絶好の機会です。

「一流の幹部」と「残念な幹部」を分ける決定的な違い7選

1. 自分の実績より部下の実績を創る
2. 社長の決定を成功に導く
3. 自分が居なくても回る仕組みを創る
4. 部下との信頼関係を築く
5. 誰にでもできる仕事に時間を奪われない
6. ルールを誰よりも遵守する
7. 「感情」で人を責めず、「事実」で事を改善する

以下、7つについて解説していきますね。

目次

違い1:自分の実績を誇るか、部下の実績を創るか

残念な幹部ほど、自分の実績をアピールします。

経営会議の場で「私はこれだけやりました。しかし、部下の力不足で目標に届きませんでした…」などと発言する方がいますが、これではいけません。その時点で、その方は幹部ではなく、一人のプレイヤーに過ぎないのです。

幹部という役職は、過去にプレイヤーとして実績を上げたからこそ与えられた、いわば最低条件をクリアした証です。

一流の幹部は、自分がさらに実績を出すことよりも、「いかに部下に実績を上げさせるか」に思考と時間のすべてを注ぎます。

極端に言えば、自分の売上はゼロでもいい。
そのリソースを部下の成長と成功のために使い、チーム全体の成果を最大化させる仕組みを創る。その覚悟を持てるかどうかが、最初の分かれ道です。

違い2:社長の決定に異を唱えるか、決定を成功に導くか

議論の末、社長が「右へ行く」と決断した。しかし、自分は「左が正しい」と思っている。
このような時、残念な幹部は部下に「社長はああ言っているけれど、私は違うと思うのよね…」と不満や疑念を漏らしてしまいます。

これは、組織の力を著しく削ぐ、絶対にあってはならない行為です。
もちろん、イエスマンになりなさいと言っているのではありません。社長が決断を下す前には、客観的な事実やデータを元に、遠慮なく意見を述べ、徹底的に議論すべきです。

しかし、一度社長が責任を持って決断した以上、腹をくくりましょう。
その決定を「正解」に導くために120%の力で実行するのが、幹部の使命です。

違い3:「私がいないと」と考えるか、「私が居なくても回る仕組み」を創るか

「私がいないと、この部署は回らないんです」

自身の重要性を示すためにこう発言する幹部がいますが、これは自身のマネジメント能力の欠如を公言しているのと同じです。

優秀なプレイヤーであった方ほど、この罠に陥りやすい傾向があります。

一流の幹部は常に「自分が明日いなくなっても、業務が一切滞らない仕組み」の構築を目指しています。
すぐに完成しなくても、その意識を持って今日から着手しているかどうかが、決定的に違うのです。

誰かが辞めたら仕事が回らなくなるような組織は、あまりにも脆い。「自分がいなければ」という考えは手放し、誰が担当しても同じ成果を出せる盤石な仕組みを創り上げてください。

違い4:部下を「管理」するだけか、「信頼関係」を築くか

社内の問題の9割は、コミュニケーション不足から生まれます。

残念な幹部は、一部のお気に入りの部下としか話さず、チーム内に見えない壁を作ってしまいます。
一流の幹部は、部下一人ひとりと向き合う時間を意図的に作り出します。

最低でも月に一度、全メンバーと1on1ミーティングを実施してください。「忙しい」を言い訳にしてはいけません。来年末までの予定を、今すぐ手帳に書き込むくらいの覚悟が必要です。

そして、その場で部下の「願望」と「悩み」に真摯に耳を傾けてください。

将来どうなりたいのか、キャリアの展望は。そうした本音を知ることで、信頼関係は深まります。ある尊敬する経営者は、部下の個人的な悩みまで把握し、「何かあったら会社が守る」という姿勢で、絶大な信頼を得ています。

時には、嫌われることを恐れず、愛のある厳しいフィードバックを伝えることも重要です。
本気の叱咤激励こそが、部下を飛躍的に成長させるのです。

違い5:「誰にでもできる仕事」に時間を奪われていないか

細々とした事務作業や、個別の顧客対応…。
こうした「誰にでもできる仕事」を、幹部であるあなた自らが抱え込んではいませんか?

一見、熱心に仕事をしているように見えますが、これは大きな間違いです。
幹部の仕事は、全体を俯瞰し、適切な人員配置を行い、業務が円滑に進んでいるかを管理することです。

現場の一作業に没頭していては、森全体を見渡すことはできません。

「自分がやった方が早い」という気持ちをぐっとこらえて部下に任せ、その結果を管理し、責任を取る。
それが本来の幹部の仕事です。

違い6:ルールを軽視するか、誰よりも遵守するか

報告・連絡・相談の徹底、経費精算の期日厳守など、会社には様々なルールがあります。

残念な幹部ほど、こうした基本的なルールを軽視しがちです。
部下は、上司の言葉ではなく、その行動を見ています。ルールを守れない上司に、信頼を寄せる部下はいません。

当たり前のことを、誰よりも徹底してやり遂げる。その姿勢が、組織全体の規律の礎となります。もしご自身が苦手なことがあるなら、それを仕組みでカバーするか、得意な人に任せるという判断も必要です。

違い7:「感情」で人を責めるか、「事実」で事を改善するか

部下がミスをした時、残念な幹部は感情的になり、「人」を責めます。
「どうしてできないの!」と声を荒らげ、相手の人格まで否定してしまう。

これでは何も改善されません。同じミスが繰り返されるだけです。
一流の幹部は、常に「事実」と向き合います。

なぜそのミスが起きたのか?原因は何か?どうすれば再発を防げるか?
その「事象」を冷静に分析し、改善策を実行に移します。

もちろん、リーダーには人を動かす「熱意」も不可欠です。
しかし、それは感情の起伏とは全くの別物。全ては組織を良くするための、冷静な判断に基づいた「熱」でなければなりません。

まとめ:あなたの組織を、一流の幹部が率いる集団へ

「一流の幹部」と「残念な幹部」を分ける決定的な違い7選

1. 自分の実績より部下の実績を創る
2. 社長の決定を成功に導く
3. 自分が居なくても回る仕組みを創る
4. 部下との信頼関係を築く
5. 誰にでもできる仕事に時間を奪われない
6. ルールを誰よりも遵守する
7. 「感情」で人を責めず、「事実」で事を改善する

以上、7つの違いを挙げてきました。
あなたは、あなたの会社の幹部は、いくつ当てはまったでしょうか?
成長し続ける会社には、必ずこれらの項目を高いレベルで実践している一流の幹部がいます。

この記事を一つの鏡として、ご自身と組織の現状を映し出し、明日からの行動を変えるきっかけとしていただければ幸いです。

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