【うまい叱り方】正論NG!指示待ち部下がみるみる動き出す「行動変容の対話のコツ」

【うまい叱り方】正論NG!指示待ち部下がみるみる自ら動く「行動変容の対話のコツ】大手企業や創業100年を超える製造業などから引っ張りだこの人材育成の専門家である河村晴美氏による、実践ベースの部下コミュニケーションのコツが披露されています。研修受講生からの質問への有益な回答です。

お疲れ様です!叱りの達人、河村晴美です。
先日、コンサル先の企業様にて、優秀かつ部下育成にも熱心な管理職の方よりご質問をいただきました。

今回は、多くの管理職やリーダーが抱える「指示待ち部下の動かし方」という切実な課題にお答えしますね。

最近、部下メンバーへ指導をしても”会社のせい”とか、”会社・上司・先輩から教えてもらっていない”などの言葉を聞く事があります。
私自身は、会社は学ぶ場を与える機会提供だと思ってやってきました。、基本的には自ら学んで仕事に活かす努力をすることが大事だと考えています。

上手く伝える何かいいアドバイスがあれば教えて頂きたいです。


熱心に指導しても「会社のせい」「教えてもらっていない」と、部下が自ら学ぶ姿勢を見せない、という悩みですね。

確かに、自ら考え、行動し、仕事に生かす努力は基本です。しかし、この原則を正論として伝えても、部下はなかなか行動を変容させてくれません。

本記事では、部下を「指示待ち」から「自発的」な行動変容へと導くために、私、河村晴美が実践し効果を上げてきた2つの対話のコツを、具体的な会話例とともにご紹介しますね。

1. 【行動変容を阻む壁】なぜ自発的な行動が止まるのか?

📌 原因は「傷ついた経験」による自己防衛

部下が自発的に動かない背景には、過去に自発的な行動を否定され「傷ついた経験」がある可能性が高いです。
(例:「勝手なことするな」「間違っている」と否定された等)

その結果、「自分で動いても傷つくなら、指示を待つ方が安全だ」という自己防衛の行動パターンを選択しています。
この心のバリアがある限り、上司がどんなに正しい正論を伝えても、部下の耳には届きません。

2. 【対話のコツ1】「動くべき」ではなく「仕事の楽しさ」を伝える対話

心のバリアを壊さずに自発的な行動を促す最初のステップは、行動によって得られる感情的なメリット(楽しさ、喜び)を伝えることです。

✅ 指示命令(正論)ではなく「感情」に訴える

「自分で動くべきだ」という指示命令で伝えては意味がありません。「自分で動くと、こんな良いことがあるよ」というメッセージを、あなたの生き生きとした姿を通して伝えます。

NGな伝え方(正論)

仕事は自分で先回りしてやっていくものだ」

OKな伝え方(行動変容の対話)

「自分で考えて動くと、達成感と充実感があって、仕事がめちゃくちゃ楽しいよ!

📖 対話例:楽しさを伝える具体的なフレーズ

上司(河村)
「この企画、自分で仮説を立てて進めた方が、完成した時の手応え感が全然違うんだよ。
 こっちの方が圧倒的に面白いし、自分の誇りになるよ!」

3. 【対話のコツ2】些細な「自発的行動」を認識し、感謝とリスペクトを伝える

部下に「心を開いても大丈夫だ」と感じてもらい、深い信頼関係を築くための具体的な対話スキルです。

✅ 「些細な行動」を丁寧に「認識」し「言語化」する

部下が少しでも自ら動いている姿や、ルールを守っている姿を決して見過ごさず感謝、ねぎらい、リスペクトの言葉を細やかに、何度も伝えます。

部下の行動フィードバック例部下への伝わり方
アドバイス時にメモを取った「メモ取ってくれてありがとうね「私の話を聞く姿勢を認めてくれた」
資料を整理整頓した「助かったよ。君のおかげでラインがうまく回ってる。ちゃんと見てるよ「自分の貢献を見て評価してくれた」

📖 対話例:リスペクトを伝える具体的なフレーズ

部下(上司のアドバイスを聞きながら、サッとメモを取る)

上司(河村):「あ、メモ取ってくれてありがとうね。君はちゃんと私の話を聞いて、活かそうとしてくれているんだな。その姿勢、すごくリスペクトしているよ。

✅ 信頼の構築と行動変容への好循環

丁寧に感謝を伝えることで、部下は「この人は今までの年上の人、指示を出す人とは違う。自分を傷つけない、ちゃんと見てくれる人だ」と心を開きます。この信頼関係こそが、あなたの指導を素直に受け入れ自律的な行動変容へと繋がる土台となります。

まとめ:行動変容を導く「対話のコツ」で部下を育てる(行動喚起)

部下の「指示待ち」を克服し、自発的な行動変容を促す鍵は、以下の2点に集約されます。

  1. 楽しさを伝える:指示命令ではなく、自ら動くことの楽しさ醍醐味を、あなたが体現しながら伝えること。
  2. リスペクトを伝える:些細な自発的行動に対し、感謝、ねぎらい、リスペクトを丁寧に何度でも言語化すること。

この2つの対話のコツは、あなたと部下の関係を一変させます。

今日からできることは何でしょうか?
まずは、部下の些細な行動を見つけ、「ありがとう」と感謝を伝えることから始めてみましょう。
この一言が、部下の行動変容の第一歩となります。

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