【部下育成】正倉院展で気づいた!マネジメントに役立つ3つの着眼点 2025 11/04 コラム 組織を動かす マネジメント 2025年11月4日 爽秋の3連休を利用して、今年も奈良国立博物館で開催された正倉院展(第77回)へ行ってきました。 期間限定で公開される至宝の数々は、まさに最高の至福の体験でした。特に今年の注目は、西アジアで制作され、遠くシルクロードを渡って聖武天皇に献上された逸品、瑠璃の坏(るりのはい)です。 第77回正倉院展@奈良国立博物館 もちろん宝物自体が素晴らしいのは言うまでもありませんが、部下育成や組織運営の視点から「ここがすごい!」と感じた着眼点を3つご紹介しますね。 1. 着眼点:徹底した「包み込む」マインドを理解する 正倉院展では、シルクロードを経て海を渡ってきた異国の宝物そのものだけでなく、それらを収める「箱」も同時に陳列されています。 大切な品物を、さらに大切に扱う。 この「包む」という行為に、私河村晴美は日本独特の慎ましく、丁寧なマインドが象徴されているように感じました。部下育成においても、成果物(宝物)だけでなく、それを生み出すまでのプロセスやマインドセット(箱)を丁寧に扱うことが重要です。 ・部下の成果だけでなく、そこに至るまでの努力や工夫にも光を当てる ・「失敗」という結果だけでなく、その失敗から何を学んだか(包み込むための教訓)を大切にする この「包み込む」姿勢が、部下の安心感と成長意欲を育むのです。 2. 着想:1300年前から学ぶ「見える化」と「責任感」 展示物の中には、なんと1300年前の戸籍帳や納税に関する帳面が残されていました。これは、大宝律令によって律令制度が整っていた証拠です。 戸主とその家族の名前、そして当時の納税である米の石高(こくだか)が、紙と墨で克明に記録されています。現代の私たちでも読める状態で残っていることに、ただただ驚きです。 さらに、聖武天皇の奥様である光明皇后が、東大寺の大仏建造に金(ゴールド)85kgを使うという内容が書かれた帳面もありました。現代の価値に換算すると、なんと約1億8,590万円!途方もないスケールの「予算執行書」、しかも1300年前の原本ですよ!すごいですよね〜 ・「見える化」の徹底: 1300年前から、誰が何をするか、どれだけの資源を使うかが明確に記録され、管理されていた。部下の業務や目標達成のプロセスを「見える化」し、共有することは、現代のマネジメントにおいても不可欠である。 ・「責任感の源泉」: 自分の名前や具体的な数値が記録として残ることは、当事者意識と責任感を強くする。現代においても、「誰が」その業務を担い、「どのような」成果を出すのかを明確にすることが、部下の責任ある行動を引き出す 3. 着眼点:組織の「継承力」こそが奇跡である 正倉院の宝物は、遺跡発掘で発見されたものではなく、1300年もの間、人の手によって管理・継承され続けてきたという点に、私は最大の奇跡を感じました。 戦や自然災害など、数々の国難を乗り越えて、国として、組織として、意図的に「目的」と「実行」が機能し続けた結果です。 ギネスブック公式記録でも、日本の国の歴史の長さ(約2700年)は、デンマークやイギリスを大きく引き離してダントツの1位です。この「継承力」こそが、日本という組織の強さの根幹にあります。 これは、部下育成における「理念と文化の継承」に直結します。 ・「組織の歴史と目的」を語り継ぐ: 個々の業務スキルだけでなく、「なぜ我々はこの組織にいるのか」「この仕事の根幹にある理念は何か」を、部下に連綿と伝え続けることが、組織の継続的な成長の鍵である ・長期的な視点を持つ: 目先の利益だけでなく、10年後、100年後の組織を見据えた経営マネジメントと育成計画を持つことが大切である 正倉院展は、はるか彼方から現代につながるロマンを感じるだけでなく、「組織をどう永続させるか」というマネジメントの原理原則つまり本質を教えてくれる場所でした。 自分の目で見て、心で感じたこの至福の体験を、ぜひ部下育成や組織運営のヒントとしてご活用くださいね。 コラム 組織を動かす マネジメント よかったらシェアしてね! URLをコピーしました! URLをコピーしました!