【育成放棄はパワハラです】部下が挫折するのは上司のネグレクト

パワハラしている自覚のない管理職や指導者へ、あえてきついことを言います。それは「育成放棄それ自体がパワハラです!」と断言しているのは、叱りの達人河村晴美氏です。育成放棄を、子育てや教育関連の専門用語ではネグレクトと言います。そのネグレクトのダメージを被っているのが、組織です。詳しい解説は、叱りの達人ブログに掲載されています。無料で読めるので、続きはこちらからご覧ください。https://shikarinotatsujin.com/blog/

パワハラ対策にひそむ落とし穴

いわゆる精神的イジメと言われるものとして、罵詈雑言つまり言葉の暴力はおおよそ想像がつきます。

例えば

「何やってるんだ!」(怒)
「お前はバカか!」
「時間を返せ!」

こうして書かれた言葉を黙読するだけでも不愉快な気分になってしまいます。
だからこそ、実際に言われた方の心情、その場の雰囲気を想像すると、ネガティブな空気が伝搬し波及されていく様子が容易に想像できますね。

さて、上記とは異なり、実はもう1つ気づきにくいパワハラがあるのです。

気づきにくいパワハラとは何か?

それは、影でおこなわれる、陰湿なイジメではありません。
当の本人(上司)も、悪気なく行っていて気づいていないことなのです。

それは、以下の言葉です。

「しっかりやれ」
「ちゃんとしろ」
「よ~く考えろ」

ついつい、こういう表現をしていませんか?

悪気は無いのにパワハラといわれる会話(事例)

例えば、部下が提案書を作成した時のシーンです。

✅上司と部下の会話(NGシーン)

上司:本当によく考えたのか?

部下:はい、自分なりに考えたつもりです。

上司:つもりって言っても、この程度じゃ、まだダメだよ。しっかり考えてもらわないと。

部下:はっはい、でも、しっかりと言われても、○○さんが仰る 「しっかり」 とはどんなことでしょうか?

上司:おいおい、それを考えるのが君の仕事だろう。ちゃんとしてもらわないと困るよ。

部下:「ちゃんと」 ・・・ですか。(無言)

部下の最後の発言が物語っています。
上司は、明確な注意指摘がなされていません。

これでは改善行動は取れませんし、行動変容も起きません。

パワハラの言葉にひそむ本質的問題

さて、いかがでしょうか?

上記の会話は、パワハラにはならないでしょう。
罵詈雑言や威嚇で怒りをぶつけている訳ではありませんので。

しかし、実は組織としては見過ごせない問題です。
なぜなら、これでは成果は生み出せないですよね。

上司の仕事は、部下に能力を発揮させて成果を出すことを支援することです。
にもかかわらず、上司は部下へ具体的な業務指導、育成ができていないのですから。

問題①:言語化ができていない

上司が部下へ伝えるべきことが言語化ができていないのです。

上司が自身の考えや望むこと、部下へ期待していることなどを言語化することを放棄してしまっているのです。
自分が放棄したことを、自分よりも未熟な部下へ委ねているのです。

ある意味、希望的観測による信頼だとも言えますが・・・。

もしも上司が言語化できないことを部下が洞察し言語化できたならば、立場の逆転と言っても良いかもしれません。

問題②:部下育成のネグレクト

パワハラの二極化の2つめは、ネグレクトです。
ネグレクトとは、指導の放棄です。

「しっかり」「ちゃんと」「よ~く」

全く意味不明です。
明確な指示を出すことを遠慮しているのは、上司の思考の怠慢です。

あいまいな指示語をやめる

部下へ伝わり、行動し結果が出るまで支援するのが、上司の仕事です。

上司は伝えたつもりでは一方通行に陥っていることに気づき必要があります。
コミュニケーションは双方向です。

相手側の部下が理解し納得することでコミュニケーションが成立するのです。
そして、一番中なことは、部下が理解した証として、部下の行動変容が起こったかどうか、これがないと、コミュニケーションがとれたとは言えません。

部下の行動変容がおきるように、伝え方を配慮することも方法の1つ。
戦略的にコミュニケーションの方法を取捨選択する必要があるのです。

特に厳しいことを言うときこそ、感情に寄り添うよりも、思考し理性でミスコミュニケーションを避けることができるのです。

厳しいことを伝える時の極意

上司が意識するべきことは、共感の落とし穴にはまらず、理性と思考で部下を動かすことです。

叱り方には戦略をもち、部下を動機づけて成果を上げる支援をしましょう。
あやふや表現を排除して、明確な指示を出すことが、部下からの信頼を得る秘訣です。

指示に盛り込べき情報:厳選6つまとめ

✅指示に盛り込むべき情報:厳選6つまとめ

①数字(個数、所用時間など)

②納期、期限(日程、時刻)

③最も避けて欲しいこととは何か

④完了した時の情報共有(上司へ完了報告をするまでが仕事である)

⑤途中で分からないことが出た時の相談方法

上記を抑えるだけで「しっかり」「ちゃんと」「よ~く」が解消されます。

その上で、さらに部下を動かす内容があります。
それは「理由」を伝えることです。

⑥理由を添える

・なぜ、この点に注意する必要があるのか?
⇒(例)この作業肯定がボトルネックだから/後工程の日程に影響されるから

・なぜ、君に頼んだのか?
⇒(例)この仕事の特性、お客様との信頼、部下の強みの発揮、部下のさらなるキャリアアップの加点など

・なぜ、この仕事を行う必要があるのか?
⇒(例)今後の会社全体への波及、チャレンジ、社会の変化への対応、業界初への布石など

まとめ

人を動かすのは、言葉を使って、その人の内面に火をつけることです。
「内的動機づけ」で、人は主体性を発揮するのです。

仕事のやり方の説明以上に、理由を説明しましょう。
具体的な説明と抽象概念の仕事の意義の交差を意識すると部下の頭の中に、具体と抽象を交差させた思考力が鍛えられます。

会話を通して上司の思考力が部下へ伝わります。
だからこそ、上司は思考力を磨き続ける必要があるのです。

すぐには難しいかもしれませんが、逃げずにあきらめずに取り組んでいきましょう。

これまで様々な企業の現場にて、単なる禁止を伝えるパワハラ防止対策では解決できない事例を見てきました。
叱りの達人協会は、倫理観と知性を磨く事業発展のためのパワハラ防止対策を行っています。

貴社のパワハラ対策に別視点の取り組みに活用していませんか?

叱るには戦略を

叱りの達人協会 パワハラ対策専門家 河村晴美

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