「会社、辞めようかな…」パワハラ上司に任せたら組織が崩壊した末路

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期待していた若手社員が突然「退職届」をもってきた。あなたならどうする?

2020年にパワハラ防止法(改正労働施作総合推進法)が施行されて、同年に大企業は義務化されました。そして、中小企業も2022年4月1日より義務化されました。

しかし残念ながら、未だに職場におけるパワーハラスメント(通称パワハラ)に該当する職場のいじめ問題は減少していません。

また、毎日のように、企業や自治体、教育現場などでパワハラに関するニュースがあとを経ちません。けれども、それは「自分とは関係ない、対岸の話」って思っていませんか?

実は、目の前の部下が、クールに淡々と仕事をこなしているからと言って、会社の方針や上司の態度に合意しているかどうは、別問題です。

何が、若手社員に「会社、辞めようかな…」と思わせるのか?

人間誰しも、やる気は上がったり下がったりするものです。

その原因は、仕事がうまくいったりお客様に喜んでもらえば、嬉しくなりますし、手応えや自身も生まれます。

反対に、失敗やミスをすれば、周囲に迷惑をかけてしまって落ち込むこともあるでしょう。そうなれば(この仕事は向いていないのかも…)と自信を失ってしまうこともあるものです。

このように、日々の中でもモチベーションは変動します。しかし、そんな中でも、「この会社でがんばっていきたい」と思わなくなるのは、どういう原因があるのでしょうか?

事例:若手社員2人「会社、辞めようかな…」退職の本音

それでは、2人のケーススタディを一緒にみていきましょう。

事例①:Aさん(30歳代女性・営業マネージャー)

若手社員が退職を考えるとき、叱り方に問題があるかもしれません。叱りの達人による「こんな叱り方はパワハラになります」
こんな叱り方をするとトラブルの元(叱り方を間違えるとパワハラになる)叱りの達人協会

コロナ禍で対面の営業活動ができなくなったため、全社としてこれからの営業活動をオンラインでやっていく方針が出た。その方針を受けて、さっそくチーム5名でオンライン会議を実施。メンバー全員で「よし!これで行こう!」と自信満々で決めた提案を、部長からバッサリ一言で一刀両断されたのでした。

「これで利益が上がる保証はあるのか!?」

Aさんの心の声

あ〜。思いっきり詰められた。正直きついよ。
確かに会社の仕事は遊びではない。けれども、全世界に蔓延したコロナという制約条件は世界でも前例が無い状況だ。このような社会背景で、うまくいく保証を問われて、誰が断定できるというのだ?まして私は一マネージャーなのに…。

この時、私は「この会社、というよりもこの部長の下ではこの先やっていけないな」と思いました。

事例②:Bさん(20歳代男性・営業企画)

「このままでいいのかな?」自分を活かしたい人ほど葛藤や悩みは深いですよね

5年前より会社の方針は、DX、業務効率化、生産成功向上、を掲げている。それに則り、今までは代理店へ定期訪問していたけれど、これからは、本部から動画で代理店へ情報共有することを会社へ提案した。

この方が、営業マンによる代理店への説明の情報の抜け漏れのリスクがなくなり、情報の濃淡、そして本部の本気度の熱量もダイレクトに伝わるはず。よって、動画配信は我が社の方針3本柱に則った合理的な課題解決の方法だと自信を持って上司へプレゼンした。

しかし、結果としては現状維持

なぜならば、代理店との関係構築は、ドライよりもウエットに。つまり、昔ながらの顔を合わたコミュニケーションが良いのだとのこと。

Bさんの心の声

経営層は「変われ」というのに、直濁上司が「変わろう」としていないじゃないか。

直濁上司の判断に「経営層が言っているDX推進と矛盾するじゃないか!」と主張をしたが、それでも上は取り合ってくれない。冷静に考えたところ(自分の能力もエネルギーも、そしてこれからの人生も、この会社で無くていけない理由は無い)と冷静に判断したら、進むべき道があっさり決まった。
気持ちが固まり、むしろ今はスッキリ清々しい気分。

優秀な部下をつぶす上司の特徴

事例のAさんもBさんも、優秀な方ですよね。だって、コロナ禍を悲観せず、他責せず、自らが道を切り拓こうと新しい方法を開拓しようとしているのですから。

けれども、その道を閉ざされてしまった。確かに上司としては、予算や不確定要素は排除しておきたい気持ちはわかります。しかし、よ〜く考えてみてください。

反対意見の根拠は何でしょうか?

単に「やったことがないから」って、全ての始まりは、やったことのないことを「0→1」で立ち上げることではないでしょうか?

スポーツの採点と言われるオリンピックは、近代オリンピックの父と言われる、ピエール・ド・クーベルタン男爵が初めて開催し、今では4年に一度が定番になりました。

明治時代にはじめて我が国に西洋文化を取り入れる施策を行いました。その一つとして様々な建造物を造りました。迎賓館、日本銀行本館、帝国ホテル…。今では、重要文化財に指定されている者も数多くあります。

今現在、当たり前のように存在するすべてのアウトプットは、誰かがはじめて世に生み出した産物です。

実は生産性O(ゼロ)の言葉:厳選3つ

生産性0(ゼロ)の言葉

「誰が責任を取るんだ!」
「前例が無い」
「うまくいく保証はあるのか!」

これらの言葉には共通点があります。それは、提案を潰すだけで、何も生み出していないということです。

つまり、代替案が無いのです。

部下の不信感
上司のダメ出しに、代替案はあるのか?

意見をぶつけ合うメリットは、主張に対して「いや、こうなんじゃないか」と批判や反対意見をぶつけて、さらに良いものに昇華していくことです。

しかし、単なるダメ出しでは、アイデアが昇華されることがなく、ただ潰されるだけです。異論反論が、正論を磨く研磨剤になっていない場合があります。そうなると、つい部下メンバーもこう思ってしまいます。

上司の存在価値って何だろう?

単に、部下の前進力や躍進力の意欲を阻害するだけなんじゃないの?と思われても仕方ないですよね。

会社への思いが強い人ほど、反動が大きい

結局、AさんもBさんも、自分を活かす場所はここじゃないと見切って、新天地へ飛び立っていきました。

自分の存在価値を最大化して、世の中に貢献する

この生き方は素晴らしいことです。

ただ、前職の職場では無かったと判断したことを受けて、会社側も考えてみると、これからの魅力ある組織づくりに役立てることができるのではないでしょうか。

優秀な社員が辞めてしまった後のさらなる悪影響とは

実は、優秀な社員が辞めてしまったことは、単に人員が減っただけではないのです。

さらなる悪影響があります。それは以下の三つです。

優秀な社員が辞めてしまった状況のさらなる悪影響

① 経費がかかる(採用コストの歩留まりが悪い)
② 会社の評判が悪くなる
③ 新しく採用すること難しくなる

なぜ、社員が辞めるのか?なぜ、あの会社は定着率が低いのか?

今はインターネットで簡単に情報収集ができます。応募が事前に会社の評判を検索します。これは、いくら新規採用の広告費をかけても、思ったように応募者が来てくれないということなのです。

社員の退職は、会社にとって「負の遺産」を背負い込むということなのです。
そうは言っても、単に社員を雇い続ければ良いというものではありません。

会社の存在意義は、社会に貢献することと同時に、利潤追求することです。

会社の存在意義は、言うまでもなくありませんが、価値あるモノサービスを生み出して、正当に利益を上げることが事業活動です。

だからこそ、社員は自分の能力を発揮して、事業活動に参加することが求められているのです。

パワハラにならずに、部下メンバーを活躍させるための上司の関わり方とは

組織に所属するメンバー全員が、自分の能力をフルに発揮するためには、どのような関わり方が必要なのでしょうか?

基本姿勢として、以下の3つをおこないましょう。

パワハラにならずに、部下メンバーを活躍させるための上司の関わり方について、以下に3つ挙げます。

パワハラにならずに、部下メンバーを活躍させるための上司の関わり方

① 命令型よりも、対話型
② 目標の伝達よりも、目的の共有
③ 重箱の隅をつつくことよりも、一遇を照らす

これらの3つは、上司が「私はやっている」と自己評価ではなく、部下メンバーが「上司はやってくれている」と周囲が評価しているかどうかが重要です。

周囲の判断で合格が出た上で、正しい叱り方を行うと、「パワハラだ!」と言われるリスクが格段に減ります。

その言葉は、パワハラか?それとも、相手を伸ばす叱り方なのか?
決めるのは上司の自己判断ではありません。受け手がどう思うか?です。

本コラムが参考になれば幸いです。

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