これができない社長や上司は管理能力ゼロ!【社員・部下を動かす最短5Step】

「社員や部下メンバーが動いてくれない」このように悩む社長や管理職は多いです。このような、組織の社員教育や部下育成に悩む社長や管理職から日々相談を受けている、叱りの達人協会(有限会社ハートプロ)河村晴美氏による解説です。本コラムは、人を動かす時の基本中の基本として、最短最速の王道を5つのステップで解説しています。人を動かす最もシンプルな方法として、5つのステップを以下に説明します。 ❶名前で呼びかける ❷「お願いがあるんです」と言う ❸具体的に伝える ❹完了報告をお願いする ❺感謝を伝える 本コラムを解説する河村晴美氏は、人財育成を23年間、年間150回以上、多い時は1年間で5000名以上へ、パワハラにならない叱り方、部下育成、リーダーシップ、営業強化などを指導している。この日も、講演後に12名の社長が列に並んでまで、講師の河村晴美氏に社員との関わり方について熱心に質問をしていた。社長の悩みを受け止め、社員と社長と信頼を繋いでいます。パワハラ問題など社会の課題の課題解決に向けて、さらに活動を広げている。パワハラの解説、部下育成や職場コミュニケーションの講演研修コンサルティングの情報は、叱りの達人協会公式サイトをご覧ください。https://shikarinotatsujin.com/

目次

社長や上司が怒るのは、エネルギーのムダづかい

社長や上司が社員や部下へ「これとこれをやって下さい」と指示したにもかかわらず、動いてくれない時があります。

そんなとき、イライラしたり腹が立ったり、場合によっては「どうなってるんだ!」と怒ってしまったことはありませんか?

実は、河村晴美も社会人1年目の時に、イベントで会社が雇っている女子大生アルバイトさん達へ、毎日キレまくっていました。

あなたには、無償ボランティアではなく、1日1万円のアルバイト料を支払っているのよ!
だから、しっかり仕事するのがあたりまえでしょ(怒)!!!

心の中のメラメラと燃えたぎる怒り感情がうごめいているのを、見た目では気づかれないように、なんとか態度や言葉づかいは冷静さを保つようにしていました。

このように、一生懸命に外見は笑顔を取りつくろうのですが、内面はストレスが積み重なり肌もボロボロ、心もヘトヘト状態…その挙句、上司や会社に対しても、被害者意識でいっぱいでした。

「なんで、新入社員の私が自分勝手な女子大生バイトの管理をしなければいけないの?
 私だって、まだまだひよっこなのに…」

当時の私は、上司や会社へ不平不満をぶつけていたのです。

しかし、あることをきっかけにみるみる女子大生たちが動きはじめたのです。

それは

伝え方を変える

たったこれだけを意識して実践しました。

人を動かすために、伝え方を変えよう

これまで、あなたは社員や部下、スタッフさんを動かすために伝え続けてきました。しかし、あなたが意図した通りに相手が動いていなかったのであれば、やり方を変えましょう。

「伝え方を変える」

変えることは、あなたが思っている以上にシンプルです。たったこれだけです。以下にやり方を示します。

■人を動かす最もシンプルな方法
❶名前で呼びかける
❷「お願いがあるんです」と言う
❸具体的に伝える
❹完了報告をお願いする
❺感謝を伝える

❶名前で呼びかける

「◯◯さん」と名前で呼びかけることです。人間は、自分の存在を無視されたり、存在否定をされると、心が挫けてしまいます。所属集団に対して、愛着が湧かずに、コミュニティに貢献しようという意欲がなくなります。

(私をないがしろにするなんて、許せない!)
(こんな集団の中では、やってられない!)
(私の才能や能力、いや、労力も時間も全力投球しない。もらうものだけもらえばいい)

「たかが名前、されど名前」
それだけ、名前を呼びかけると言うのは、重要なことなのです。

名前とは、世界でたった1人のあなたを尊重する、存在証明の言葉

❷「お願いがあるんです」と言う

名前で呼びかけて、合わせてでこう言いましょう。
「◯◯さんにお願いがあるんです」

人は、お願いされるときいてあげたくなります。理由は、お願いされると言うことは、頼りにされているということです。

これは、暗に「あなたには問題解決の能力があるので、それを発揮して下さい」と、信頼されて、それを承認されていることだからです。お願いされた事が遂行できれば、困っていることを解決したわけなので、依頼された側は自分の能力が役立ち、能力が認められたという喜びを得ることができるのです。よって、お願い事をされるということは、能力発揮のチャンスをもらったということなのです。

お願い(依頼)=頼りにされている(能力発揮のチャンス)=自分の能力を認めてもらっている(承認


❸具体的に伝える

指示(依頼)内容は、具体的に伝えます。いつ、どこで、何を、誰が、どうするのか?いわゆる、5W!Hを、数字と固有名詞で伝えることです。なぜ、このように細かく伝える必要があるのか?それは、あなたの頭の中のイメージは他者にはわからないからです。

あなたの頭の中のイメージは、他者にはわからない

実は、ここが一番大事な部分です。
社長や上司は、自分が言ったことは相手が理解するのは当然だ!と思っていませんか?

それは、残念ながら不可能です。例えば、「お花見」と言っても、人によって思い浮かべる映像は異なります。思い浮かべる脳内の映像は、本人が今までに経験したこと、見聞きしたことなどの記憶から構成されるからです。あなたと相手は、これまで生きてきた経験体験がまったく同じということはあり得ませんよね。よって、あなたと相手は、同じ言葉なのに、イメージする映像もさらには言葉の解釈も、違って当然なのです。

だからこそ、あなたは自分のイメージしていることを、相手の脳内で同じように映写してもらうために、誰がどう聞いても同じ映像を複製してもらえるように、誤解されないために、伝え方を工夫する必要があるのです。

誤解されない伝え方
①数字
②固有名詞

例えば、
NGな言い方は、「しっかり」「きちんと」「きっちり」「一生懸命に」「なるはやで」
OKな言い方は、「いつまでに」「いくつ」「いくらで」「誰と(誰に)」「どこで(どの会社)」

というように、誤解されない伝え方に変えましょう。
大事なことは、指示を出すあなたが、どのような状態を望んでいるのか?を伝えることです。

あなたは、
どのような状態を望んでいますか?


❹完了報告をお願いする

ラストは、依頼した仕事を仕上げたことを、社員・部下メンバーさん自らが「できました!」と報告に来てくれるところまでが仕事であることを伝えましょう。「おうちに帰るまでが運動会(遠足)です」というですね。

「完了報告までが仕事である」と、最初に伝える

❺感謝を伝える

さて、最後の締めくくりです。締めくくりは、仕事の指示を出した「あなた」の言葉です。そもそも、仕事の指示を出したのは「あなた」ですよね?
あなたが起点の仕事の発注なのですから、終点もあなたの言葉で締めくくりましょう。

終わりよければすべて良し

社員または部下メンバーへ「ありがとう」「助かったよ」「君のおかげだ」など、感謝の気持ちを言語化して伝えましょう。

なぜ、感謝を伝える必要があるのか?

それは、次も気持ちよく相手に動いてもらえる機会の創出のためです。

終わりが悪いと、次の起動が遅くなる

次回は今回よりももっと早く起動してもらえると、仕事の生産性も上がりますよね。そうなるために、社長や上司が社員または部下メンバーへ、心からの労いや感謝の言葉をその都度、伝えることで、ビジネス瞬発力がついていきます。

ビジネス瞬発力は、社長・上司の言葉がけ次第で変わる

部下メンバーが「気が利かない」問題ではない

よく上司からの相談で
「部下メンバーは、きっちり仕事はしてくれるんだけど、完了報告が無いので、いつも(あの案件どうなってるんだ?)って聞かないといけなんですよ。気を利かせて、部下自身から報告してもらいたんです。どうしたらできますかね?」
と、聞かれます。

これは、気が利かない問題ではないんです。
社長や上司が、仕事の範疇を明確に伝えていないことが原因なのです。

仕事の範疇の誤解
NG:指示された仕事をすれば「仕事をした」と思っている
OK:指示された仕事が、①後工程でエラーが無い状態に仕上げる ②指示した人へ完了報告をする

部下メンバーが動かない理由は、指示の仕方つまり伝え方が『甘かった』だけです。

あらら、『甘かった』という表現が甘かったですね。
ここで言っている『甘い』とは、『情報の抜け・漏れがある』ということです。本コラムを行えば、すべての状況において、いつでもどこでも人が動くとは限りません。しかし、あなたが今現在、社員さんや部下メンバーが思うように動いていない不具合があれば、ひとつやり方を変えてみるというのも良いのではないでしょうか?

相手が動かないならば、自分の伝え方を変えてみよう


目の前で不具合が生じているのは、あなたが変わるチャンスです。
やるのもやらないのもあなた次第。せっかくですので、自分の未来の成功へ近づいていきませんか?

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