【パワハラ問題ゼロへ】部下を成長させる!怒り感情に流されない「叱り方の技術」7つの具体例

パワハラ問題をゼロにするための予防策。部下を成長させる怒り感情に流されない叱り方の技術7つの具体例について、人材育成の専門家であり、然りの達人河村晴美氏による解説です。

🔹はじめに:パワハラを恐れず部下を成長させる!【事例別】信頼関係を築く「叱り方の技術」とは?

「部下に注意したいけれど、感情的に叱ってしまい、パワハラだと訴えられたらどうしよう…」

遅刻、報告漏れ、無責任な行動など、問題行動を繰り返す部下に対し、多くの管理職・リーダーが 「指導の必要性」「パワハラリスク」という板挟みに苦しんでいます。怒りの感情に流されて厳しく叱責すれば、関係が悪化し、指導を避ければ部下は成長できません。

🔹「叱りの達人」が教える、リスペクトを土台とした新しい指導法の極意

怒ってはダメ、しかし、適切な指導はしないと部下は伸びない。
コンプライアンスという制約条件の中で、最適解を模索しなければいけない…

部下メンバーを伸ばしたい。けど、説教と言われるのは不本意だし…

この絶妙な匙加減とジレンマを解消し、部下メンバーを確実に成長へと導く鍵は、指導者自身の「怒り感情に流されない技術」を習得することにあります。


怒り感情に流されない技術とは

・怒り感情を我慢する精神論ではない
・むしろその逆である。
 怒り感情に、気づく→認める→寄り添ってあげる

効果:怒り感情が鎮まり、落ち着きを取り戻す

これは、感情を我慢する精神論ではなく、指導者が冷静に、そして部下メンバーに感謝リスペクトを伝えながら、建設的に行動を促すための体系化されたスキルです。
この技術を身につければ、パワハラ問題を完全に回避しつつ、部下メンバーとの信頼関係を劇的に深めることができます。

本記事では、私たち叱りの達人協会が提唱する、この「怒り感情に流されない叱り方の技術」を、あなたの職場で今日から実践できるよう、7つの具体的ケース別に対話例を交えて徹底解説します。

怒りを力に変え、部下メンバーを成長させる「リスペクト・コミュニケーション」を土台としたうまい叱り方の極意を、説明さえていただきますね。

🔹事例別:今日から実践できる具体的な「うまい叱り方」解説

本ブログでは、管理職が頻繁に直面する7つの典型的ケースについて、「従来の叱り方」「一般的な叱り方の技術」、そして「叱りの達人協会推奨の伸ばす叱り方」の3タイプを対比させながら、最も効果的な対話術を解説します。

ケース従来の叱り方(NG例:感情的・高圧的)叱り方の技術(一般例:論理的・行動志向)伸ばす叱り方(叱りの達人協会推奨:リスペクトコミュニケーション)
遅刻を繰り返す「やる気がないのか!社会人として失格だ!」(人格否定・感情的)「(冷静に)あなたの〇〇分の遅刻で、朝のミーティング準備が遅れ、チーム全体の効率が〇%下がった。原因と、明日からの具体的な改善策を教えてほしい。」(事実と影響伝達)「いつも難しい案件を粘り強く頑張ってくれて本当に感謝しているよ。その頑張りはチームに不可欠だ。(ねぎらい・感謝)だからこそ、朝の遅刻は君へのリスペクトが揺らぐ一番の原因になりかねない。君の成長のためにも、〇〇さん自身の行動の価値を高めるためにも、明朝から何ができるか一緒に考えよう。」
報告・連絡・相談
(ホウ・レン・ソウ)漏れ
「なぜ言わないんだ!報告がないと仕事にならないだろう!」(責任追及・高圧的)「今回の報告漏れにより、お客様への対応が〇時間遅れてしまった。今後、この問題を防ぐために、報告のタイミングを〇時と決め、チャットでも共有するルールを徹底しよう。」(問題解決・ルール提示)「いつも迅速に動いてくれて、感謝している。特に〇〇の件はリスペクトしているよ。だからこそ、君の仕事が評価されないのはもったいない。(リスペクト)この(報告漏れ)一点だけ改善すれば、君の信頼度は格段に上がる。忙しいのはわかるけど、報告というプロセスをねぎらい、仕組みでカバーしよう。報告忘れを防ぐ良い案はないかな?」
チームのルールを無視する勝手な行動はやめろ!組織人としての自覚が足りない!頭ごなし・抽象的「あなたの独断での進め方は、チーム内の情報共有を乱し、後の手戻りを増やしている。事前に〇〇さんの承認を得てから進めてほしい。」(行動の具体化〇〇さんのユニークな発想力と、新しいやり方を試そうとする姿勢は、すばらしいと思ってるよ。その熱意には感謝している。(リスペクト・感謝
ただ、このチームのルールは、全員のミスを防ぐというのも重んじてるんだ。だからこそ、ルールを守る姿勢を見せることは、相手へ安心感を提供することで信頼を得ることができるんだよ。君の能力をもっと他メンバーにも理解してもらえるように、これからも成長のステップとして踏んでほしいと思ってるんだ。だからこそ、ルールをより良くする提案があれば聞かせて。
感謝・ねぎらい・承認・リスペクト
期限を守れない何度言ったらわかるんだ!納期を破るなんてプロ失格だ!全否定・決めつけ「今回、納期遅延でクライアントに迷惑をかけた。次回からは、進捗が遅れそうになった時点で、必ず3日前にアラートを上げてほしい。」事実に基づき、具体的な対応指示いつもタスクの多さにも負けずにがんばってくれて、本当に感謝してるよ。ありがとう。君の仕事ぶりを信頼しているし、会社も高く評価している。だからこそ、期限を守れなかったのはもったいないことだよ。君が抱えている仕事の量も理解しているつもりだ。なので、次に期限を守るために、私が何かサポートできることはないか?一緒にスケジュールの組み方を見直そう。」
感謝・ねぎらい・サポートの提案
成果の質が低いこんな簡単なこともできないのか。もう一度やり直せ!能力否定・突き放し指導の放棄「この資料の構成は目的とずれている。目的を達成するために、〇〇というデータを追加し、結論から先に書くように修正してほしい。」(具体的な修正指示一つ一つの作業に丁寧に取り組んでくれて感謝しているよ。(感謝)君のその丁寧さはチームの大きな財産だとリスペクトしている。(リスペクト)この資料の質をさらに一段上げるには、あと一歩踏み込みが必要だ。資料の出来は悪くないんだよ。その上で、さらなる高みへのチャレンジをして欲しいんだ。今回はターゲット層への響きを意識した構成にチャレンジしてみないか?」
さらなる高みへの誘い
職場の雰囲気を悪くする発言不満があるなら辞めてしまえ!周りの士気が下がるだろう!威圧的・解決放棄「あなたのネガティブな発言が、周囲の集中力を削いでいる。建設的な意見は私に直接伝えてほしい。」(具体的な改善の要求「〇〇さんは、チームのことを真剣に考えているからこそ、解像度とレベルの高い意見が出るんだなと感じていると。(リスペクト)いつもチームに的確な視点で課題を発見してくれるのは、さすがだなあと感謝しているよ。(承認・感謝)ただね、その発言の仕方が周りの頑張っている同僚たちの気持ちを冷やしてしまうことも起こしているのも事実なんだ。チームのために厳しい意見を言ってくれるのは、君の強みの発揮だと思う一方で、君が誤解されているとしたら、もったいないと思わないかな?仲間とのコミュニケーションを取れるように、建設的な伝え方として、まずは先に私に相談してくれるかな?」(リスペクト・選択肢の提示
ミスを認めない・言い訳をする人のせいにするな!自分の非を認めろ!精神論・断罪言い訳をする前に、まずは事実関係を明確にしてほしい。今回のミスの原因は〇〇と〇〇の2点だ。次回からどうするかを考えて。」事実の追求・選択肢の提示いつも新しいことに果敢に挑戦してくれてありがとう。そのチャレンジ精神は本当に感謝しているよ。(ねぎらい・リスペクト)それを踏まえてなんだけど、今回のミスは、君がステージアップするための貴重な学びの機会となるはずだ成長の機会として肯定的理解の提案)君が将来もっと成長していくために、今回のミスから何を学ぶのか?は今後の成長を何倍にも加速させる最も大事な行動だ。今回の一連の内容から、次回以降への学びを一緒に抽出してみないか?信頼・成長への支援

🔹「うまい叱り方」が部下メンバーとの信頼関係を深める理由

従来の叱り方や、感情を排した一般的な指導は、部下に「上司の指示だから従う」という受け身の姿勢を生み出しかねません。

しかし、感謝・ねぎらい・リスペクトを指導の冒頭で伝える「うまい叱り方」は、以下の効果を生み出します。

  1. 指導の受容度向上:
    最初に認められることで、部下は指導を攻撃ではなく、「自分への期待」として受け入れやすくなります。
  2. 自己肯定感の維持:
    人格や努力を否定しないため、問題行動を指摘されても自己肯定感を保ち、改善に向けたポジティブな意欲を引き出します。
  3. 「内発的動機」の喚起:
    指導者が自分を尊重してくれていると感じることで、言われたからやるのではなく、「もっと組織に貢献したい」という自発的な成長意欲が生まれます。

この「うまい叱り方(リスペクト・コミュニケーション)」こそ、パワハラのリスクを完全に避け、部下のエンゲージメントと成長を最大化する、叱りの達人協会オリジナルの指導技術です。

🔹従来の「叱り方」との決定的な違い

従来の叱り方は、指導者の感情の発散や、部下に恐怖心を与えて行動を変えさせようとするものでした。

しかし、「叱り方の技術」、特に「うまい叱り方」は、指導者の感情を客観的に扱い、部下メンバーの成長組織の成果という目的にフォーカスします。
指導と教育を切り離さず、信頼関係を保ちながら建設的な対話を行う対話術なのです。

🔹まとめ:もう「叱れない」と悩む必要はありません

パワハラを恐れて指導を避けることは、管理職としての責任放棄につながりかねません。
しかし、怒り感情で自分責めすることなく、一方で遠慮したり、言葉を飲み込み、ストレスをためるもありません。

私たち「叱りの達人協会」が提唱する、感謝・ねぎらい・リスペクトを根幹とする「伸ばす叱り方(リスペクトコミュニケーション)」を実践すれば、部下を委縮させることなく、彼らの可能性を最大限に引き出すことができます。そして、部下メンバーと信頼関係を構築することができるのです。

指導で迷う時間と労力を、部下メンバーの成長に活用することで、あなたのストレスを減らし、部下マネジメントの手応えと見通しを感じてみませんか?
パワハラにならないうまい叱り方研修の相談やお問い合わせは、こちらからできます。

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