松下幸之助先生に学ぶ:怒り感情マネジメントの極意。三流は怒り、二流は無視。あなたの器を大きくする決定的な一言とは? 2025 11/27 組織を動かす 社長の哲学 上手な叱り方 怒る叱る 自己肯定 マネジメント 怒りの感情 怒る 思考術、キャリア、マーケティング 成功 ビジネス マインド 成功法則 パワハラ対策 パワハラ防止 2025年11月27日 目次経営の神様が語る「人間力」の磨き方 理不尽な態度に、あなたは「カッ」とする?それとも「グッ」とこらえる? さて、あなたに一つ聞かせてください。 もしあなたが誰かから理不尽に見下したような態度を取られたら、いわゆる「舐められた」態度をされたら、あなたならどうしますか? とっさにカッとなって、「何だその言い方は!」と怒りを爆発させるでしょうか? それともグッとこらえて何も言わずにやり過ごし、後で一人で「あの時こう言ってやれば良かった」と悶々とするでしょうか? 叱りの達人 河村晴美が尊敬する、経営の神様と言われる松下幸之助先生は、書籍やアーカイブ動画などでこんなお話をされていらっしゃいました。以下、幸之助先生のエピソードをお伝えしてしますね。世の中のほとんどの人は、上記2つ、怒りを爆発させる。または、何も言わずにやり過ごして、悶々とフラストレーションを溜め込む。このどちらかです。 感情のままに怒りを爆発させるのは、私(松下幸之助先生)に言わせれば、三流のやることです。自分の感情の奴隷になっているだけですからね。一方で、腹は立つけれど波風を立てないようにと自分を押し殺して無視する。これも本当の解決とは言えません、二流の対応です。心のマグマは煮え滾ったままですから。 しかし、世の中には超一流の人間がいます。 そういう人は、腹を立てることも、ただ無視することもしない。相手が投げつけてきた侮辱という汚れたボールを、いとも簡単に掴み取って、それを磨き上げ、相手に「参りました」と言わせるばかりの宝石にして投げ返してしまうのです。 三流は、怒りを爆発させる二流は、黙る(自分がストレスをためる)超一流は、相手の見下し態度を、宝物に磨き上げる その鍵を握るのが、あなたも毎日使い慣れているたった一つの「ある一言」です。このブログでは、その魔法のような一言を、あなたが堂々と口にできるようになるための3つの心の器(うつわ)の磨き方について、松下幸之助先生の若かりし頃の失敗談も交えながら、丁寧に解説していきます。 このブログを読み終える頃には、あなたはもう他人の些細な言動に心を揺さぶられることはなくなるでしょう。事実、わたくし河村晴美は、(なるほど、人は誰かを見下す時、そのような無意識の渇望があったのか!)と深く納得しました。人間の心の本心を理解することで、幸之助先生が仰るお話に、思い当たることがありました。幸之助先生曰く、人から舐められた時こそ「しめた!自分の器を大きくする好機が来たぞ!」と不敵に笑えるようになっているはずです。 さあ、あなたの人間力をもう一段、二段、三段も引き上げる旅の始まりです! 第2の心の器:「相手の無礼」は【相手の問題】ときっぱり割り切れ まず、心の器を磨くための最初の心構えです。それは、「相手の無礼は相手自身の問題である」ときっぱり割り切ることです。あなたの問題ではありません。相手の問題なのです。これを腹の底から理解するだけで、心のざわめきはスーッと静かになっていきます。 私がまだ「松下電気」と言っても誰も知らないような小さな町工場だった頃の話です。 ある大きな会社にうちの新しいランプを納入したくて、何度も足を運んでいました。そこの購買部長というのが、絵に描いたような高圧的な人で。ある日、ようやくその部長に話を聞いてもらえることになりましたが、彼は大勢の社員がいる事務所の真ん中で、私を立たせてこう言ったのです。 「松下さんのところか。あなた、こんな安っぽい提灯みたいなものでうちと取引できると思っているのか。 学問もない丁稚上がりが考えそうなことだな。」 周りの社員がクスクス笑う声が聞こえた時、私は全身の血が頭に上るのを感じました。怒りをグッと飲み込んで拳を握りしめました。 しかし、その瞬間、私の頭の中にふともう一人の冷静な自分が現れたのです。 「幸之助よ、見てごらん。この人は、本当に製品の良し悪しを判断しているのか?違うだろう。この人はただ、大勢の部下の前で自分の力を誇示したいだけなのだ。これはこの人の心の器の問題だ。私の製品の価値や、私という人間の価値とは何の関係もないことではないか」と。 そう思えた瞬間、不思議なものでした。先ほどまでの怒りがスーッと潮が引くように消えていったのです。 あなたも覚えておいてください。ぶつけてくる無礼な言葉や態度は、いわば相手の心の中からこぼれ落ちたゴミのようなものです。それを律儀に拾って、自分の懐に入れて心を汚す必要はどこにもありません。 「ああ、この人は今心に余裕がないんだな。何か大変なことがあったんだな」と、相手の問題としてそっと横に置いておくのです。 第2の心の器:無礼の裏にある【承認欲求】を読み取れ 相手の無礼を相手の問題と割り切るのが第1歩でしたね。次はもう一歩踏み込んで、「なぜこの人はこんな言い方をするのだろうか?」と、相手の心の奥にある本当の願いを探ってみることです。 人は、ただ意地悪がしたくて人を舐めた態度を取るわけではありません。その無礼な言動の裏には、ほとんどの場合、「分かって欲しい」「認めて欲しい」「自分の存在を確かめたい」という、子供のような切ない承認欲求が隠れているものです。 かつて、私の会社で設計部門と製造部門の連携がうまくいかず、合同会議で製造リーダーが設計リーダーの学歴を皮肉って喧嘩を売ったことがありました。「先生、また難しいこと考えてきはりましたが」と。 私は黙って考えました。 この製造リーダーは、本当に設計リーダーが憎いわけではない。本当はこう言いたいのではないでしょうか。 「私たち現場の人間は、長年培ってきた経験と勘がある。その価値を分かって欲しいのだ。頭でっかちな理屈だけで、私たちの仕事を軽んじないでくれ!」 そうなのです。彼の無礼な言葉の根っこにあるのは、「もっと自分たちの仕事を見てくれ、認めてくれ」という切実な叫びなのです。 それに気づいた私は、まず製造リーダーの存在と経験を肯定し、次に設計リーダーの高い志も認めてやりました。するとどうでしょう?殺伐とした空気が嘘のように変わり、これまでで一番建設的な話し合いができたのです。 三流は、そのSOSを失礼なやつだと怒り、二流はそのSOSを無視する。超一流はそのSOSを的確にキャッチして、「あなたの言いたいことはこういうことですね」と相手が一番言って欲しい言葉を代弁してやるのです。 第3の心の器:超一流が使う【ありがとう】の真髄 さあ、いよいよ最後の仕上げです。ここまでの2つの器を身につけた上で、最後に口にするあのたった一言。それは、何か特別な言い返しではありません。それは……「ありがとう」です。 三流が怒りに任せて罵声を浴びせ、二流が気まずさから黙り込む。その緊迫した場面で、心の底から曇りのない笑顔で「ありがとう」と言えるか。これが超一流とその他を分ける決定的な違いなのです。 私が世間から注目されるようになってきた頃、ある経済団体の会合で、財界の重鎮に公衆の面前で「あなたには国を思う経営の哲学が欠けているようだな」と痛烈な批判を受けたことがありました。 私は一瞬の間を置いてから、その社長さんの目をまっすぐ見て、満面の笑みでハッキリとした声でこう言ったのです。 「〇〇社長、まことにありがとうございます」 私のその一言に、相手も周りも一瞬きょとんとしていました。まさかお礼を言われるとは思ってもみなかったのでしょう。私は続けました。「社長にそうやって私の至らない点をはっきりご指摘いただけたこと、心から感謝しております。これは私にとって何よりの教えです」と。 この「ありがとう」には、実は3つの意味が込められています。 「ありがとう」に込められた、3つの本質的意味1. 「あなたの無礼な態度は、私には全く効果がありません」という心の余裕の表明2. 「あなたの言うことにも一理あります」という相手への敬意の表明(最高の承認)3. 「私はあなたの言葉さえも、自分の成長の糧にしてしまう人間です」という揺るぎない自信の表明 どんなマイナスのエネルギーも、自分のプラスに変えてしまうという器の大きさを見せつけているのです。 その日を境に、あの社長さんは私の経営の一番の理解者の一人になってくれました。舐められた時、見下された時こそ、最高の笑顔で「ご指摘ありがとうございます。勉強になります」と言ってみてください。これは降参ではありません。相手を自分の手のひらの上で転がすほどの究極の勝ち方なのです。 『うまい叱り方』と、超一流の人間力の共通点とは 「舐められた時の対応」は、まさに人間力が試される最高の瞬間であり、叱りや指導の土台となる考え方です。松下幸之助先生の教えは、まさに当協会が重んじる哲学そのものです。叱りの達人協会では、叱る前の仕込み99%を重要視しています。仕込みがあると、相手(部下メンバー)は素直に心を開いて、厳しいフィードバックを受けとめてくれます。仕込みがないと、パワハラと言われるリスクがあります。 では、その仕込みとは何か?仕込みとは、普段の対話において、感謝・ねぎらい・リスペクトを伝えることです。 1. 相手の言動を「感謝」で受け止め、毒を抜く 相手の無礼な言動を、自己の成長のための「貴重なご指摘」として再解釈する心の転換こそが、超一流の第一歩です。 感情的な言葉の裏に隠された「仕事への熱意」「プライド」「より良くしたいという願い」を見つけ、表面的な批判に対して「ありがとう」という最強の言葉で応答することで、相手の攻撃的なエネルギーを完全に無力化します。 2. 相手の本心と経験を「ねぎらい」、信頼を築く 無礼な発言の根底にある承認欲求(分かって欲しいというSOS)を正確に読み取り、「あなたの言いたいことはこういうことですね」「現場の苦労はよく分かります」と代弁してあげること。 これこそが、相手の経験や努力を心から「ねぎらう」行為であり、毒を抜かれた相手は、指導者やリーダーとしてのあなたに絶大な信頼を寄せるようになります。 3. 人間性を「リスペクト」し、泰然自若の器を示す 相手の品格が欠けた言動(無礼)を、その人の問題として切り離し、自分の人格や価値とは無関係であると割り切ること。これこそ、相手の人間性を尊重しつつ、自己の尊厳を守る究極のリスペクトの形です。 常に冷静で穏やかな態度を保ち、「石を投げられても、それを拾い自分の城を築く石にする」という泰然自若とした器を示すことで、相手は「この人は私とは器が違う」と心の底から敬意を抱くようになります。 まとめ:他人の感情に振り回されず、自分の信念で生きる あなたの人生はあなたのものです。他人の未熟な言動に、あなたの貴重な心をかき乱される必要は一切ありません。無礼・見下し・否定の言葉を相手からぶつけられた時にこそ、自分の人間力が試される時ですね。自分を成長させるチャンスとして、受け止めて見ると、今までとは違う世界が見えてくるはずです。いずれにしても、私たちは自分の行動その先に待っている未来を選ぶことができるのです。『パワハラにならないうまい叱り方』講演・研修・コンサルティングなどのお問合せやご相談は、お気軽にこちらからどうぞ。 組織を動かす 社長の哲学 上手な叱り方 怒る叱る 自己肯定 マネジメント 怒りの感情 怒る 思考術、キャリア、マーケティング 成功 ビジネス マインド 成功法則 パワハラ対策 パワハラ防止 よかったらシェアしてね! URLをコピーしました! URLをコピーしました!