なぜ、上司に「指を折れ」と言われた新人記者が成功したのか 2020 6/29 思考力 2020年6月29日 目次上司に「指を折れ」と言われた新人記者 先日、経済ジャーナリストの女性のお話を伺いました。その女性は、多くの政治家やメディア業界へ輩出した国内でもトップクラスの高偏差値大学のご出身です。 その女史は、希望だった高い就職倍率をくぐり抜け、新聞社へ就職しました。ただし、地方の新聞社だったとのこと。 夢叶って社会人生活をスタートした矢先、職場の上司に言われたのが、「指を折れ!」と。 念のため、誤解なきよう 「指を〇〇しろ」 ではありません。あるいは、「腰を折れ」平身低頭を要求している訳でもありません。 実は、指示された仕事に必須のスキルだったのです。その仕事とは、新聞社で最初に配属になった、整理部。 そのお仕事の肝になること、それが「指を折る」なのです。 駆け出し新聞記者の試練「キミ、指を折りなさい」 整理部のお仕事は、事件を、一面、三面、社会面、文化面・・・面割り付けし、見出しタイトル付けするんですって。その大見だしが、9文字必須なのだと。 で、部長から激が飛ぶのだそうです。 「9文字に収めろ!」 そこで、整理部の皆々様は、社内の廊下を歩く時、トイレへ行く時、エレベーターの前で立ち止る時、 いつでも、指を折り9文字に収めるトレーニングをしていたとのことでした。 なので、その女性は仰ったのです。 「今、このリモートワークの状況も、文字で言語化するのが染みついてます」 世界は言語でできている ところで、新約聖書 の記述に「始めに言葉ありき」 とあります。(「ヨハネによる福音書」の冒頭) いかがでしょうか?ちょっと違和感ありませんか? 言葉ありきと言っても、人間が誕生したのは生物誕生からずいぶんと後だったじゃやないかと。ちなみに、わたくしはキリスト教とは、蜘蛛の糸ほどの心もとないつながりがあります。 それは、幼稚園の時、父親の仕事の関係で東京 世田谷区に住んでおり、自宅からの最寄の幼稚園がたまたま私立のカソリック系幼稚園だったので、信者でも何でもなく通園することにありました。 あらためて、なぜに、「始めに言葉ありき」 なのでしょうか? 宗教上の教えはちょっと横に置いて「言葉ありき」 というのは、言語学者の視点で説明すると、 世界のあらゆるものは、すべて言葉によって成っている ということなのです。 例えば、生き物を指し「これは何ですか?」と問われた時。「動物だ」と答えたとする。同時に猫を見せられたら、先ほどの生き物は「犬だ」と訂正する。 次にチワワを見せられたら、最初の生き物を「ブルドックだ」と答え直す。同じ物体なのに、最初は動物だったものが犬になりブルドックへと認識が変わった。 それはなぜでしょうか? 比較した時に、認識が新しく立ち上がり、違いを認識して、言葉をつけて言ったのです。 言語学者ソシュールは言いました。 最初に全体があって部分に振り分けられる (現代哲学者) 新聞社の記者さん達は、わずか9文字でその記事の世界観を表現しているのですね。すごいですよね。 言語化スキルを鍛えるのも、ある意味、思考の筋肉トレーニングです。地道な努力が問われますね。 思考筋肉はウソをつかない。 ビジネスで成功するためには、やっぱり日々精進ですね。 ]]>