職場の心理的安全性を壊す4つのNGフレーズ|リスペクトフィードバックで本音の言えるチームへ【叱りの達人】 2026 8/04 行動力 コミュニケーション マネジメント モチベーション 部下指導 部下育成 2026年8月4日 「最近の若手は大人しい」「会議でいくら『意見はないか』と聞いてもシーンとしている……」 多くの経営者や管理職の皆様から、このようなお悩みを伺います。 上司と部下の人間関係には、傾聴・共感が大事。一方的な伝え方ではなく、寄り添うコミュニケーションが大事。など、社会全体として「心理的安全性」が重んじられる傾向がありますね。多くの職場が「怒ってはいけない」「優しく接しなければいけない」と躍起になっています。しかし、現場のリアルはどうでしょうか。 表面上は穏やかで平和に見えるのに、なぜか誰も本音を言わない。新しい提案が出てこない。ミスが隠蔽される――。 私は「叱りの達人」として、数々の組織改革や人材育成に携わってきましたが、断言できます。 「心理的安全性=優しく甘やかすこと」ではありません 本当の心理的安全性とは、「お互いに敬意(リスペクト)を払いながら、言うべきことや耳の痛いフィードバックも安心して伝え合える状態」のことです。 今回は、一見すると何気ない言葉でありながら、部下の口を塞ぎ、職場の心理的安全性を静かに破壊している「4つのNGフレーズ」と、それを解決する「リスペクトフィードバック」の視点をお伝えします。 気づかないうちに、心理的安全性を破壊している職場になっていませんか? 目次心理的安全性を壊す「4つのNGフレーズ」 NGフレーズ1:「前も言ったよね?」(過去の詰問) 「前も言ったよね?」(過去の詰問) ミスをした部下に対して、つい口から出てしまうこの言葉。 言った側は「確認」のつもりかもしれませんが、受け取る側にとっては「あなたは学習能力がない」というラベルを貼られたように感じられます。 「前も言ったよね?」と言われた瞬間、部下の脳内では「どうリカバリーするか」ではなく、「どう言い訳するか」「どうやって身を守るか」という防衛本能が働きます。これでは対話ではなく、「裁判」になってしまいます。 NGフレーズ2:「まあまあ、波風立てずにいこう」(事なかれ主義) 「まあまあ、波風立てずにいこう」(事なかれ主義) 一見すると平和的なフレーズに見えますが、実は非常に罪深い言葉です。意見の衝突を極度に恐れ、問題の本質に蓋をする姿勢は、「この職場では異論を唱える人間が『悪』とされる」という強烈なメッセージになります。 波風を立てないことが最優先される組織では、改善のヒントも革新的なアイデアもすべて殺されてしまいます。 NGフレーズ3:「なんでできないの?」(人格への切り込み) 「なんでできないの?」(人格への切り込み) 「なぜ(Why)」という問いただしは、目的の探求ではなく「追及」として響きます。「なぜできないのか」と問われると、人間は責められていると感じ、思考がフリーズします。 問題の原因(事象)と、その人自身(人格)が混同され、「自分はダメな人間だ」と自己否定に陥ってしまうのです。 NGフレーズ4:「言わなくてもわかるでしょ」(言語化の放棄/育成の放置) 「言わなくてもわかるでしょ」(言語化の放棄/育成の放置) 「察して当たり前」「背中を見て育て」という態度は、現代の職場における心理的安全性の天敵です。文脈や前提条件が曖昧なまま業務を進めさせられ、後から「そうじゃない」とはしごをはずされる … 何をどうやればよいのか?指導者側が、言語化をサボっていませんか?具体的に丁寧に、言葉で伝える。これが再現性を高めることですし、技の伝承です。情報共有を放棄することは、相手に対するリスペクトの欠如にほかなりません。 必要なのは「甘やかし」ではなく「リスペクトフィードバック」 では、どのように言葉をかけ、部下や後輩と向き合えばよいのでしょうか。 ここで重要になるのが、叱りの達人協会が提唱する「リスペクトフィードバック」です。 リスペクトフィードバックとは(1)相手の存在価値を認める(2)可能性に100%の敬意(リスペクト)をはらう(3)未来のゴール達成に向けたコミュニケーション*叱りの達人協会による定義です。(リスペクトフィードバックは、商標登録申請中です) 相手を攻撃するための言葉は、暗闇の中で泥を投げつけるようなものですね。 一方で、真のリスペクトを持ったフィードバックは、暗闇を照らす「懐中電灯」であり、進むべき方向を示す「コンパス」です。 NGワードを、リスペクトフィードバックに言い換えよう 1. 「Why(なぜ)」から「How(どうやって)」へ変える NGワード:「なんでできないの?」(追及) リスペクトフィードバック:「どうすれば次はうまくいきそうか、一緒に考えよう」(未来志向の伴走) 過去の不出来を責めるのではなく、未来の行動に焦点を当てます。「あなたならできる」という信頼(リスペクト)があるからこそ、次の具体的なアクションを問いかけるのです。 2. 「事象」と「人格」を明確に切り離す 指導するときは、相手の性格や能力を否定するのではなく、「起きた事実(行動・結果)」のみに焦点を当てます。 NGワード:「君は本当に大ざっぱだね」(人格否定) リスペクトフィードバック:「今回の資料作成において、数値の確認プロセスが一工程抜けていたね」(事実の確認) 人格を傷つけられないという安心感があるからこそ、部下は素直に事実を受け止め、改善に向かうことができます。 3. 「目的(着地点)」を言葉で明確に示す NGワード:「言わなくてもわかるだろ!」(言語化の放棄) リスペクトフィードバック:「この仕事は、〇〇のためにやるんだよ。会社が言っている安全第一というのは、君とみんなの命の安全のために行動ルールがあるんだ。安心安全が守られる環境のほうが作業に集中できるよね。だから、しっかり安全意識をもってもらいたいんだ。自分の命を軽んじない、そう思って業務に臨んでもらいたいんだ。わかってもらえたかな?」 「言わなくてもわかるはず」を捨て、期待する成果や目的を言語化して伝えます。言葉を端折らないこと自体が、相手の時間を奪わず、成長を願うリスペクトの証です。 おわりに:本音で響き合える強い組織へ 心理的安全性とは、お互いに顔色を窺い合って気遣う「ぬるま湯の職場」ではありません。 本当の心理的安全性とは、「どんな意見を出しても、どんな失敗をしても、自分の存在価値は脅かされない」という強い信頼のベースがある状態です。 ニセモノの心理的安全性・なあなあのぬるま湯・妥協とあきらめ・我が事としない責任放棄 ホンモノの心理的安全性・どんな意見も尊い視点として歓迎する・失敗を尊いチャレンジとして歓迎する・人格否定しない。存在価値を脅かさない その土台があって初めて、妥協のない議論や、成長のための「愛ある叱り(導き)」が生きてきます。 今日から、職場で交わす言葉を一歩見直してみませんか? あなたの言葉が「相手を追い詰める刃」から「未来を照らす懐中電灯」へと変わるとき、職場には自発的な意見があふれ、真の成果を生み出す強いチームへと生まれ変わるはずです。 本コラムに関する研修・講演のお問い合わせ、取材のご依頼は、こちらの叱りの達人協会管理部までお気軽にご連絡ください。 行動力 コミュニケーション マネジメント モチベーション 部下指導 部下育成 よかったらシェアしてね! URLをコピーしました! URLをコピーしました!