【パワハラ対策:叱れない上司】部下へ「ほめればいいだろう」が指示待ち人間をつくる

目次

「ほめればいいだろう」が指示待ち人間をつくる

ほめることが悪いのではありません。 「とりあえず、ほめとけばいいだろう」という軽々しさ、安直さに問題があるのです。 そして、ほめることの本質を外してしまうと、部下は今の評価が下がらないように現状を保とうと守りに入ります。 つまり、挑戦しなくなるということですね。 だって、挑戦したら失敗するかもしれませんので。 失敗すれば、今の評価が下がる。ならば、下手に余計なことはしないほうが賢明ですよね。 こうして、まちがったほめ方をしてしまったせいで、指示待ち人間がつくられてしまうのです。

ほめると承認と尊厳のちがいについて

事例を通して、それぞれを比べてみましょう。
事例:商談でクライアントのオフィスへ訪問したとき

1、ほめる

・オシャレなビルですね
・いい車にのっていますね
・服装がおしゃれですね
表面的なことに焦点を当てて、言語化しています。 自尊心(プライド)がくすぐられる言葉ですね。

2、承認欲求を満たす

・オシャレなオフィス、社長のセンスの良さを感じます
・素敵な車と社長の姿がとてもイキイキとイメージできます
・社長は、服装も他もセンスがいいんですね
外見を手がかりにして、一段上の概念を言語化しています。

3、自己尊厳を高める

・こちらのビルは、家賃が高くて、普通の会社は入られないです。
 このオフィスに来られるまでに、さぞかし努力をなさったんだと想像しますが、いかがでしょうか?

・車選びにも、社長の生き様が反映されていると思います。
 よろしければ、経営哲学など教えていただけませんでしょうか?

・社長は服装までも、会社のイメージ戦略の一環だとお考えかと。
 どうやって服装のみならず、センスを磨いてきたのか教えていただけませんでしょうか?
外見を観察して、なぜこのようにしているのか(または選択しているのか)の考えや哲学について、一歩踏み込んで、その人の奥を類推したアプローチです。 類推なので、本人に語ってもらう「〜でしょうか?」と問いかけ、本人の言葉を誘発する形です。

「ほめる」「承認」「尊厳」ちがいについて考察

ほめる/承認/尊厳、それぞれ3つのちがいについて、いかがでしょうか? ちまたでは「変化をほめよ」が主流かもしれません。 しかし、尊厳を高めるためには、それより一歩奥へ、本人の内面にふれる関心を寄せるのです。 自己尊厳を高めるには「変化の奥に光を当てる」
「変化をほめる」より「変化の奥に光を当てる」

少し寄り道を:自分の「気になる」が仕事になった

河村晴美が、新卒で就職した会社(現在USEN-NEXT)で営業していた時、訪問先の企業また店舗で、いつも目に留まることを商談相手へお伝えしていました。 「貴社のスタッフ皆さまの挨拶は、本当に清々しくて素敵です。 社員教育に熱心に力を入れられているんですね」 すると、商談がスムーズに進みました。 「会社がここまで大きく成長してきたのは、全て社員やスタッフのおかげです。 社員またスタッフに着目してくれることは、自分のこと以上に嬉しいです」 ふりかえれば、社会人1年目から人材教育に興味があったんですね。 コラムを書きながら、思い出しました。

まとめ:叱るだけじゃない。叱る前にするべきことがある

状況に応じて、部下を叱ることは必要です。
叱ることを、遠慮してはいけません。ただし、配慮は必要です。
しかし、叱る前に行っておくべきことがあります。 それが、信頼関係の構築です。 信頼関係構築に必要不可欠なこと。 それは、ほめることではありません。 もっと、奥深いことです。 部下の自己尊厳を高める言葉がけです。 部下の変化の奥に着目しましょう。 奥は暗闇です。 普段は、暗くて見えないです。 比叡山延暦寺を創建した最澄の言葉「一遇を照らす」 暗闇に光を照らすことが、部下の内面の奥にある長所を見つけて言語化することです。 ぜひ、自己尊厳を高める言葉がけを試してみてください。 ***叱るとは使命感の愛*** 叱りの達人協会 パワハラ対策専門家 河村晴美]]>

よかったらシェアしてね!