組織の評価に巻き込まれない「自分の評価軸」作る方法

目次

「ほめられいたい」は本心か?

よく耳にします。 「ほめられたい」「私はほめられて伸びるタイプです」 これらの言葉はウソです。本心ではありません。 人が、本心で望んでいるのは「ほめられたい」のではなく「わたしという存在を重んじてもらいたい」敬意を表してほしいのです。

・ヘリコプター操縦で自覚したこと

10年以上前に、グアムでヘリコプターの操縦をさせてもらいました。 当時、日本の自動車運転免許証を持っていれば誰でもできる、観光客向けのアトラクションがあったのです。 実は、車の免許をとってから、2回しか路上で運転したことがない、正真正銘?のペーパードライバー。 このような状況で、ヘリコプターの操縦ハンドルを握りました。 結果は、隣のインストラクターがサポートしてくれたおかげで、なんとかなりましたが、後ろ座席に乗っていた友人は完全に酔ってしまいました。 全く才能無しですね。 あらためて、移動手段の運転は自転車だけにしておこうと誓いました。

・アーチェリーで学んだこと

うまくできたことも、ありました。 それは、アーチェリー。 大学の体育で、生まれて初めてアーチェリーをしました。 先生が説明する方法を素直に実践してコツをつかんだら、すぐに的に当てることができました。 すると、先生に「才能がある」と言われたのです。 確かに、ほめられるとうれしいものです。 ただし、そう思わせているのは、未熟者と熟練者という構造だからです。

「ほめられる」とは、どういうことか

ほめられるとは、相手の物差しを受け入れることです。 歴史を見ると、古代中国では、秦の始皇帝が初めて度量衡を統一しました。 古代ローマも、領土を広げるときには量と数の換算を統一化しています。 統治するには、言語を統一することも重要です。 高校生の現代国語の授業で「最後の授業」を習ったとき、作品を味わうために、母国語が使えなくなる社会背景を先生に教えてもらいました。 相手の物差しを受け入れるとは、管理するときに重要なことです。

組織の物差しを明確にする

仕事において、ほめられるか?否か?は、組織の物差しで判断されます。 組織の物差しとは、人事評価です。 これがないと、上司ごとに判定にバラつきができてしまいます。 すると、部下は何が求められているのかわからないので、不安になります。 どうすれば評価されるのか、仮説も類推もできずに、思考と行動が停止してしまいます。 また、組織の物差しはあるのに、上司が別の自己判断で評価すると、部下は不信感をもってしまいます。 いわゆる「エコひいき」です。 上司が部下を「エコひいき」すると、部下はしらけます。 組織に所属する皆が、疑心暗鬼にならずに安心して仕事ができるように、組織の物差しは、共有しておくことが重要です。

組織で仕事をするときに忘れていけないこと

組織が求める評価について、部下も理解したとして、それでも部下側からすると評価に納得できないこともあります。 「理不尽だな」 「納得がいかないな」 「もっと、しっかり認めてもらいたい」 事実を根拠とした正当性のある意見であれば、上司へ伝えるのも1つの手です。 意見を述べることで、上司も見解を示してくれます。 ただし、 (ねぎらってもらいたかった) (ほめてもらいたかった) (一言、よくがんばったねと言ってもらいたかった) 上記のような一言が欲しかった場合、上司が言ってくれなければ、自分で自分に言ってあげましょう。 自分の物差しをもつと、目の前の上司に「ほめられたい」という依存心や甘えがなくなります。 不機嫌にならないためのコツとして有効です。 ✅自分の物差しとは 価値観、ポリシー、善悪、好き嫌いなど、自分が大切だと重んじていることです。

自分の物差しを作るときの注意点

自分の物差しを作るときの注意点は、自分だけを見ていてはブレブレになってしまいます。 自分の物差しに必要なことは、社会構造の視点です。 社会構造とは、例えば、資本主義、学歴社会、性差の役割などです。 例えば、 ・「お金持ちになりたい」というのは、社会からの刷り込みです。 ・子育ての時「他の子とちがう」と親は心配になります。 ・先進国と発展途上国に、優劣を感じるとしたら、根拠はどちらか側の論理です。 ✅自分の物差しを作るときの注意点
「何が、そう思わせているのか?」
「当たり前のように考えさせている背景、経緯には何があるのか?」
「そもそも、それってどういうこと?」
根本を問う思考が大切です。

自分尊厳とは何か

他人の評価、顔色ばかりを見ていると、周囲に振り回されてしまいます。 組織の物差しに一喜一憂することも、同じです。 組織に所属するということは、評価制度をを受け入れる必要があります。 ただし、自分の中に自分の物差しをもつことで、自己尊厳を保つことができます。 自己尊厳とは、自己肯定よりも高い次元で、自分を見つめる視点です。 誰かに「ほめられたい」から行うという動機は、誰かに振り回されます。 誰からもほめられなくても行う行為が、自分という存在を示すことです。

自分尊厳を保つために必要なこと

「ほめられたい」「認められたい」「嫌われたくない」を超えた世界が、自己の尊厳をもつことです。 そして、自己尊厳をゆるぎないものにするためには、常に自分を疑い、今の自分を否定するです。 ✅自己を疑い、自己を否定するためのアプローチ
・今、自分は偏った見方をしていないか?
・もっと別の視座からものごとを見つめることはできないか?
・今日の成功にしがみつき、守りに入っていないか?
・今現在の、ものの見方、思考法をもっと高めることはできないか?
自己尊厳とは、自己肯定と自己否定を内包した、一段上のステージの視座です。

「ほめられたい」からの脱却が自立

自己肯定より自己尊厳を高めることが、結果的に自分を重んじることです。 自分自身の扱い方をまちがってはいけません。 自分に敬意をはらいましょう。 人は「ほめられたい」のではありません。 人は、揺るぎない自信を取り戻したいのです。 そのために、自分の物差しをもちましょう。 ✅自分の物差しを作るときの大切な視座
社会の構造を、自分の価値観に取り込む
こう考えると「上司にほめられたい」が、いかにちっぽけな自分だってことがわかりますよね。 20年前の自分に重なるAさんへ伝わりますように。 叱りの達人 パワハラ対策専門家 河村 晴美
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